2013年7月15日月曜日

ツール・ド・フランス 2013 第14、15ステージまとめ

すみません。
11~13ステージあたりは用事や体調不良でレースが見れなかったりしてまとめができませんでした。
14ステージから再開です。

 は第14ステージで191kmのアップダウンの続く平坦ステージです。



レースは序盤からアタックがかかり、なんと18人もの大きな逃げ集団ができます。
最初はメイン集団でも追う動きがありましたが、逃げた人数が多く、なかなか上手く詰められなかったため容認という形になりました。
今日は逃げが決まるであろうと予測されていたステージで、スカイにとっては逃げ集団の中に脅威になるような選手も居なかったので容認された後は落ち着きます。
落ち着くといってもスカイは昨日の嫌な思いがあるので先頭でずっと集団をコントロールしていました。

逃げ集団は18人もの大所帯。
有名、有力どころで言うとフォイクトやミラー、ブルグハート、ヴァンガーデレン、タランスキーが居ます。
私の予想ではこのステージで新城選手が逃げてくれると思っていたのですが、先日の落車で手に深い傷を負ってしまったので今日は逃げに乗れなかったようです。
非常に残念です。
この先のステージはいよいよ後半戦の山岳に突入し、逃げ集団に乗って逃げ切って勝利が決まる可能性はかなり低いので今年も勝利はお預けかな・・・
でも、まだ何が起きるか分からないので楽しみにしておきましょう。

逃げ集団は大きく協調が崩れるようなことはなく、淡々と進んでいきます。
中間スプリントでもすこし前に出る選手が居たくらいでもめる様なことはありませんでした。
なお、今日の中間スプリントは逃げ集団が大人数だったため全てのポイントを奪ってしまい、メイン集団は中間スプリントでポイントを得ることはできませんでした。
なのに、それをわかっていなかったのか、メイン集団ではカヴェンディッシュが一人だけ集団から飛び出しました。
後を振り返って、サガンやグライペルが出てこないので頭に?マークが浮かんでるようでしたw
彼は、こうやってたまにポイントが得られないのに飛び出したり、周回レースで、周回を間違えてスプリントしたりと結構天然なところがあるそうです。
しかし、いきなり飛び出したわけじゃないんだから誰か教えてあげなよw
テレビには映ったからスポンサー的には良かったかもしれないけど。

そして中間スプリントを過ぎたあたりになるとメイン集団で少し動きがありました。
約3分半差を行く、逃げ集団に追いつこうとアタックをかけ飛び出していく選手がいました。
先ずはフーガーランドとクネゴが飛び出していきました。
少し遅れてオロスも飛び出していきます。
しかし、逃げ集団とのタイム差は中々縮まらず、この追走は失敗に終わりました。

残り42km地点での逃げ集団とメイン集団のタイム差は5分2秒となりました。
この後リヨンの市街地に入っていき道も狭くなることからメイン集団は差が詰めにくくなります。
それを考えると今日の逃げが決まったのはほぼ確実になりました。
だからこそ、新城が居て欲しかった・・・

残り24.8km地点。
この頃になるとそろそろ逃げ集団でもけん制が始まります。
タイム差は6分以上あるので、まずメイン集団には追いつかれないので非常に活発になります。
先ずはミラーが集団引いていき、チームメイトのタランスキーがアタックするなどの動きでアタック合戦がはじまりました。
この結果、ベテランのミラーやフォイクトは逃げ集団に居たチームメイトに役目を託して、自らはアシストに回ると千切れていきました・・・
個人的にはフォイクトは最後、アタックして、勝利はできなくても、敢闘賞に選ばれるようなことを期待していたのですが・・・
そこは自分ではなく、27歳のバークランツに託して行く当たり良いベテランだなぁと思いました。
ちなみにバークランツは今年、第2ステージで優勝し、暫定マイヨジョーヌになりましたが、その昔フォイクトも同じようにマイヨジョーヌを着たことがありました。
そのため、フォイクトはホテルで、バークランツが獲得してきたマイヨジョーヌを見て非常にしみじみしていたようです。ただ、バークランツはあまりにフォイ クトがマイヨジョ​ーヌを羨ましそうにしてるもんだから奪われるんじゃないかと心配したそうですw(ちなみに暫定といえど、一度獲得するとあのジャージは 貰えると聞いたことがあります。フォ​イクトの時は違ったんでしょうか?)

アタック合戦が続き、アタックしては吸収されを繰り返していましたが、うまくやったのはソジャサンのジュリアン・シモンでした。
15.2km地点で、その前にアタックしたヴァンガーデレンとゴチエが吸収されようとしたときカウンターアタック。
しかもそこは市街地の下りで視界も悪かったのでそれを逆手に取り上手く成功させました。
タイム差は15秒程度獲得すると単独ゴールを目指して踏んでいきます。
残り距離は短いので、後の逃げ集団もシモンを捕まえたいのですがここでも誰が引くのか、行くのかでけん制になって上手くまとまりません。
TJやカドリが飛び出して一時は迫りますが届かず、吸収。
アタックを繰り返した選手は徐々に千切れていきますが、逃げ集団は協調することはなくひたすらアタックを繰り返します。

そんなのだからタイム差は上手く縮まないかと思いきや、シモンも単独で行くには少し厳しかったようで徐々に詰められていきます。
本当に後一歩のところまで逃げます。
残り1.6kmになると後の集団からブルグハートとアルバジーニが飛び出し一気に詰めてきてついにはつかまってしまいました。
しかしシモンは、諦めずアルバジーニの後に付きます。
彼の脚質はスプリンター系なので、脚が無いはずですが、最後に上手く、まくれるかもしれない可能性を捨てなかったようです。
そして最後は後の集団も合流してしまい、逃げ集団でのスプリント勝負になりました。
上手く飛び出したのはアルバジーニで、その後でシモンももがきますがやはり脚が残ってなかったようで加速できません。
アルバジーにかと思ったその時、画面左側から青白のジャージが飛び出してきて、最後上手く刺して、最速でゴールラインを通過しました。
勝ったのはオメガファルマのトレンティでした。
彼はオメガのサードスプリンターだそうです。
最強のスプリンターであるカヴェンディッシュがいるオメガでのスプリンターとなると、サードでも他とはレベルが違うスプリント力でした。
アルバジーニのはるか後から仕掛けたのに伸びに伸びて、加速していき勝ちました。
いや凄い!
彼は普段はカヴの影に隠れてしまう存在ですが、今日は自ら走り、自らの力で大きな勝利を得ました。
まだ25歳なので、今後飛躍していくかもしれません。

最後まで頑張ったシモンですが、11位という結果になってしまいました。
しかし、その絶妙なタイミングでのアタックと、最後まで決して諦めなかった走りが評価されたようで敢闘賞獲得!
最後の死に物狂いで踏む姿を見ていて本気で応援していたので、せめてこうやって報われてくれて非常に嬉しいです。

メイン集団のほうは最後まで大きな動きもトラブルもなくゴールしました。
次はいよいよモンヴァントゥが待っています。
そこで何かが起きる前の静けさのような気がしました。
モンヴァントゥを最後上るだけでなく、242kmの最長ステージで、更にはフランスの革命記念日!
盛り上がりそうです。
特に、ここまで全く良い動きを見せていないヴォクレールが非常に気になります。
ローランが山岳賞狙いになってるので、チームとしてどうするか悩みどころですが、フランス人は黙ってるわけにいかないでしょう。

そして今日は第15ステージ、242.5kmの山岳ステージです。



山岳ステージとは言うものの、殆どが平坦で最後に死の山モンヴァントゥーがあるだけです。
まぁその”だけ”がとてつもなくハードなのですが・・・
最後が、最後だけに総合での動きがあると思われるステージです。

レースは序盤に逃げが決まり10人ほどの選手が逃げました。
その中にはサガンやシャヴァネルの姿もありました。
シャヴァネルは逃げ切りが目的ですがサガンは、モンヴァントゥー前の中間スプリントねらいです。
残り78km地点でタイム差は3分39秒。
メイン集団は最後に備えて、逃げを泳がせます。
モビスターがこの頃は積極的に集団を引いていました。
バルベルデは先日、トラブルにより総合争いから脱落してしまいましたが、クインターナがまだ総合で残ってる上に、新人賞もあるのでそのための動きです。

残り33km地点の中間スプリントでは逃げ集団で多少争いがあるかと思いきや、サガンがあっさりと1位通過しました。
サガンはシャヴァネルなどを警戒していたのですが、全く動きませんでした。
今日は完璧に逃げしか興味がなかったようです。
後のメイン集団ではグライペルとカヴが集団前方に出てきて、特に争うわけもなく通過していきました。
まぁサガンとの差を考えると、逆転は難しいですし、この後の上りのために脚を使いたくないんでしょう。

残り28km地点ではタイム差は2分36秒と少し縮んできました。
この頃からメイン集団はスカイが引き始め、ペースを上げていきます。
逃げ集団では、スカイが追ってきてタイム差が縮んできたことを受けてアタックが発生。
シャヴァネルが一人飛び出します。
追ったのはロア、リブロン、イリサールの3人です。

19km地点ではスカイの強力な引きにタイム差が1分42秒まで縮みました。
そしてこの頃から、有力選手たちも付いていけなくなり、集団から千切れていきます。
良くなかったのは山岳賞ジャージを着ているローランが遅れていったことでした。
今日はかなり暑かったようで、暑さに負けてしまったのでしょうか?
今日は超級山岳の山頂ゴールで1位の選手は一気に50ptも山岳ポイントを獲得できます。このときのローランの保持ポイントは51ptなのでここで遅れると山岳賞は・・・​

そんなペースが上がる中、逃げ集団から諦めた選手がぼちぼち集団に吸収されていきます。
17.4km地点では、サガンが吸収されていきました。
しかし、ただで吸収されないのがサガン。
吸収される前には得意の片手手放しウィリーをキメて余裕の表情。
しっかりカメラに映り、アピールしながら吸収されていきました。お前実は本気出せばシャヴァネルについていけただろ・・・
ゴールでやるならまだしもまだ途中だからミスって落車なんかしたら大変だと思うのですが・・・
まぁこの男はヘント~ウェヴェルヘムで独走優勝したときも、かなり疲れがあるはずなのにウィリーしてたくらいなので大丈夫なんでしょう。
そんなサガンは吸収された後は、無理に頑張ることはなくそのまま下がっていきグルペットに

シャヴァネルの逃げは、強力でタイムが縮む速度が上がりません。
14.3km地点ではメイン集団から下がってきたイリサールのアシストを受けてバークランツが飛び出していきます。
なお、本来ならレディオシャックのエースのアンディはここで遅れていきます。
また、今日は活躍したい(フランスの革命記念日なので)ヴォクレールも遅れていきます。

13.6km地点では続いて、ニエベがアタック。
13km地点でバークランツと合流すると26秒先のシャヴァネルを追います。
また、12.7km地点ではついにクインターナがアタック。
かなり軽快に飛び出していきました。

12.6km地点ではシャヴァネルにニエベが追いつきパスしていきます。
シャヴァネルはそこで力尽きてしまい12km地点で吸収されてしまいました。
シャヴァネルもフランス人なので今日は何とか逃げて勝ちたかったのですが・・・

相変わらず、スカイが集団を引き続ける中、11km地点で今度はエヴァンスが遅れていってしまいます。何とかアシストを使って追いますが、差は縮まらずズルズルと下がって​いってしまいました。
先頭ではクインターナがニエベと合流すると2人で上っていきます。
集団はペースを緩めることなく進み48秒まで差を縮めました。
バークランツも結局9.6km地点で吸収されてしまいました。
どんどん人数が減っていき、集団を引くのもスカイ最強のアシストのリッチー・ポートになった事で更にペースが上がりタランスキー、クヴィアトコフスキー、バルベルデが遅れ​ていきます。

そのままポートが引き続けるとメイン集団はいつの間にか、ポート、フルーム、コンタドール、クロイツゲルの4人になってしまいました。
クロイツゲルはコンタドールをアシストしようと粘りますが、ポートのスピードについていけず3人になってしまいました。
そうなるとタイム差は一気に縮んでいき7.5km地点では15秒差となってしまいました。
先頭ではニエベが遅れ始めてしまい、クインターナが単独でゴールを目指していきます。

そして7.2km地点。
まだ、ゴールは遠いのですがフルームがアタックを仕掛けました。
コンタドールは反応はしたはずなのですが、あっという間に引き離してしまいました。

6.7km地点でクインターナに追いつきます。
コンタドールは後14秒程度のところに居て、クインターナは好調なのでここは2人で協力していくのかと思いました。
「今日のステージ優勝はあげるから、ここからちょっとアシストしてくれないか?」
なんて言葉をかける手もあったはずです。先日タイムを失ったとはいえ、まだアドバンテージがあり、下手を打って力尽きてしまうより、そっちの方がリスクは少ないはずです。​
しかし、フルームは違いました。
合流したと思ったら、そのままアタックしていきます。

クインターナも、ステージ優勝の可能性があるのでここはしっかりチェック。
結局5.8km地点で合流して2人で行きます。
2人は表面上は先頭を交代しながら行きますが、協力する気は無さそうです。

残り3.7km地点。コンタドールたちとの差は30秒程度でした。
ここでフルームは再びアタック、当然クインターナはチェックに入り、まだ食い下がります。
クインターナはコロンビア出身で、ツールの前には2ヶ月地元の標高2600mのところでトレーニングを重ねたそうです。
新人の彼が、ここまでフルームについていけるとは将来が期待できますね。

2人は結局未だ離れることなく、ゴールを目指します。
今日は観客の数が非常に多く、1.5km地点には悪魔おじさんを確認いたしました。
今日はスペシャ衣装で、いつもの赤い服ではなく、黄色のマイヨ・ジョーヌ仕様でした。

残り1.3km。
ここでフルームがなんと4度目のアタック!
彼は安全策やリスクの事を考えないのでしょうか?物凄い闘争心です。
このアタックについにクインターナもついていけませんでした。
こうなるともうフルームを止めれるものは誰もいません。

最後の最後まできっちり踏み、回し、ゴールラインを通過すると右手を高々と挙げてウィニングポーズ!
非常に好調だったクインターナですら、30秒も引き離す大勝利でした。
コンタドールに対しても結局は1分40秒の大差をつけて勝ちました。
コンタドールはせっかく先日、1分9秒のタイムを奪うことに成功したのに今日はそれ以上に失ってしまいました。
まだ今日は最終週前の山岳なのに2位のモレマですら4分14秒、3位のコンタドールは4分25秒も離されてしまいました。

そして、今日ステージ優勝したフルームは、山岳ポイントを50pt獲得して、持ち点が既に33ptあったので合計で83ptで山岳賞もトップに。
それまでトップだったローランは遅れてしまい51ptのまま。
逆にクインターナは2位とニエベが3位となりポイントを稼いでしまったため4位まで交代しました。
山岳賞の順位は
1位 フルーム 83pt
2位 クインターナ 66pt
3位 ニエベ 53pt
4位 ローラン 51pt

今年の山岳賞はマイヨ・ジョーヌ&マイヨ・ア・ポアか、マイヨ・ブラン&マイヨ・ア・ポアになるかも知れません。
山岳だけを狙って山岳賞を取るのではなく、他を狙って走り、純粋に強いので山岳賞を取るなんて・・・フルームとクインターナの走りは恐ろしい限りです。

明日は休息日。
ここまで絶好調なフルームですが、最終週で疲れから体調を崩して失速なんて事にならなければ良いですが・・・
それは他にも言えることですね。
まだ分かりません。
では、今日はここまで。

2013年7月10日水曜日

ツール・ド・フランス 2013 第9、10ステージまとめ

更新を忘れてました。ごめんなさい。
まとめて上げます。


第9ステージ、168.5kmの多数の山岳が設定されている山岳ステージです。


昨日はフルームの圧勝でした。
しかし、明日は休息日となるので他のチームの選手たちも何らかの動きを打ってくるはずです。

先に謝っておきます…
今日のまとめは上手くできてる気がしません。
というのも、今日は朝からレースの応援に行き、午後はBOMAの試乗会で色々なフレームやホイールを乗って疲れていたのか、途中で寝落ちしてましたorz
なので途中の140km~100kmくらいまで展開が飛んでしまいます。
ごめんなさい・・・
そこの部分は、明日以降にシクロワイアードやJspoが動画を上げてくれるはずなのでそちらで確認してください。
更には展開が複雑かつ高速で目まぐるしく変わり、とてもじゃないですけど全てを追えませんでした。
それくらい混迷を極めたレースでした。

レースは序盤からアタックが多発。
明日が休息日という事で賭けに出る選手も多かったようです。
そのため、アタックをするたびにかなりの人数が飛び出してしまい、なかなか容認してもらえません。
そのたびにスカイが集団先頭を引いて潰していきます。
ようやく逃げらしく決まったのは残り156km地点でした。
珍しく、同チームの2名、ガーミンのデイヴィット・ミラーとジャック・バウアーが逃げます。
一時30秒差まで広げますが、それ以上は伸びず徐々にタイム差を縮められていきます。

そして2名が吸収されると再びアタックが発生。
今度は山岳賞を狙うローランや、総合狙いのヘシェダル、新人賞狙いのヴァンガーデレンなどの選手が飛び出します。
ローランが山頂を狙って走りますが、及ばず吸収されます。
結局山頂は手前で飛び出したジャネソンが1位通過、次いでマーティン、ダニエルソンが続きます。
しかし残り140km地点で再び吸収されます。
なお、今日はアタックが多発し、ペースが上がるため、この頃から既にスプリンターたちが遅れてグルペットを形成し始めます。
こんなに速いタイミングでのグルペット形成はタイムアウトが心配されましたが、勝負には関係ないので先に報告しておくと、何とか大丈夫だったようです。

そして、ガーミンを中心に多発するアタックをスカイが何回も追い、更にはケノーが落車するなどの影響でこの頃にはアシストがポートしか残らないというまさかのスカイ崩壊が​始まりました。

ここからちょっと展開が跳びます。
残り104kmではローランらが逃げ、
その後にポートもついには遅れてしまい全てのアシストを失ったフルームが居ました。
そしてその後にコンタドールなどの集団があります。
結局残り96km地点でコンタドールはフルームらと合流します。
ここで先頭との差は56秒でした。

残り84.4km地点では先頭にバークランツも合流。タイム差は50秒。
ローラン、バークランツ、デヘント、ヘシェダル、デクレルク、バルデの6人になります。
そのころポートは既に2分近く遅れてしまい。
総合を落とすだけでなく、復帰してフルームのアシストをするのも難しくなってきました。

残り80km地点ではタイム差が32秒まで縮みます。
ここでデヘントがキツそうにしますが、何とか喰らいつきます。
そして3つ目の山岳では1位通過しようとして飛び出し、油断していたローランを抜き去り1位通過していきます。ローランは遅れて2位。

山岳を下り終えた頃、また集団からアタックが発生。
今度はサイモンCが飛び出して生きます・
そして残り64km地点ではまた少し、面白い展開がありました。
完全に遅れたかと思ったポートが息を吹き返し、単独でどんどん追い上げてきます。
その結果、メイン集団では総合を狙うバルベルデを擁するモビスターが先頭に出て集団を引き始めます。
ここで、モビスターが先頭で引くことでフルームは5番手くらいに付き、一定ペースで引くモビスターのアシストを受けるような形になります。
モビスターとしてはポートに合流されたくない&そうすることでポートはタイムを失いバルベルデの順位上昇という意図があったのですが、その結果がフルームのアシストになっ​てしまいました。
ポートがここで踏むのをやめると、この体制は崩壊するのですが、ポートは止めず追います。
ポートは間接的なアシスト、自分が追う事でモビスターにプレッシャーをかけて一定ペースでペースを上げさせフルームのアシストをさせるというとても複雑な展開になります。​
多分、狙ってやったわけじゃないですけど、中々見れない展開です。

先頭ではサイモンCが追いつき、ヘシェダル、デヘントは遅れて吸収されていきます。
結果、先頭サイモンCで、それを追う集団がローラン、バルデ、デクレルクの3人、バークランツは少し遅れていき、その後ろにフルームやバルベルデらのメイン集団、そして後​からポートが追うという形になります。
4つ目の山岳では、そのままサイモンCが一位通過し、ローランが継ぎます。
下りに入り、残り51.5km地点でサイモンCとローランらが合流して再び4人で逃げていきます。この時点でタイム差は56秒
しかし40km地点ではいよいよ12秒まで縮むと、バルデが最後の足掻きに飛び出します。
ローランらはそのまま吸収されていきます。
バルデも粘りますが、37.8km地点で吸収されていきます。
そしていよいよ最後の山岳へ。
ここは1級で、9.9km平均7.5%の登坂です。
ここでアシストを失い、丸裸になったフルームを落とすことができなければ、今後かなり苦しくなります。

最後の山岳、やはり動くのはモビスターでした。
残り35kmで好調なクインターナがアタックを仕掛けます、フルームはすかさず反応して、睨みを効かせます。
そして、その隙を突いて総合的には関係のない逃がしてもらえるような選手が飛び出します。
ダニエル、フグルサング、ニエベが飛び出しますが成功したのはダニエルとフグルサングのみでした。
このダニエルとフグルサングのアタックは非常に良いタイミングでしっかり決まります。
すぐにタイム差が30秒程度稼ぎました。

そして後の集団では再びクインターナがアタックをしかけ、フルームやコンタドールもすぐさまチェックに入ります。
フルームは下を向いたままで、ワットメータを見てるのか調子が悪いのか今一分かりません。
アタックをしてもすぐさま反応をするので、ライバルたちは徐々に動きが鈍り、更には少しフルームは前に出ると思いっきり眼を飛ばします。
結局その睨みの前にクインターナ以外の選手でアタックを仕掛ける者は出ず、更には何故かクロイツゲルが前に出て手段を引き始めます。
コンタドールのために集団を落ち着かせるのが目的だったのだと思いますが、その動きはフルームをアシストする形になります。
更にはクインターナの攻撃が失敗に終わったことで新人賞の期待もかかるのに体力を消耗させてしまいました。
モビスターはうまくやったようで、全く上手くできませんでした。
結局そのまま山頂を越えます。

その後も小さなアタックは発生しますが、先頭に追いつくことはなく失敗に終わります。
また集団も思いっきり先頭で引くようなチームが出ないので逃げとのタイム差も縮んでいきません。
残り12.9kmで31秒。
普通ならここから一気に詰まっていくはずです。
実際メンバーもそこそこ残り力のあるバルベルデが居るならモビスターは狙っても良いところですが、先の上りで消耗してしまったのか引きません。
その結果ついには2km切ってもタイム差は32秒。

勝負はダニエル、フグルサングの一騎打ちとなりました。
フグルサングは積極的に走りますが、ダニエルの方がとにかく上手く立ち回り、終始フグルサングに引かせていきます。
最後のスプリントでも、トラックレースのようにお互いを睨みあってのスプリントでしたが、ここはフグルサングに引かせて脚を温存したダニエルの方が明らかに力がありました​。
ガーミンは序盤から全員が積極的に動き、スカイを崩壊させ、更にはステージ優勝も取るという素晴らしい日でした。
チームとしてもこの日はとにかく積極的に動くことに決めていたようです。

結局、今日はフルームがアシストを全て失い危機的な状況になるものの、他のチームが上手く立ち回れずモビスターとサクソはお互いを攻撃しあって潰しあったりしたためタイム​を失うことはありませんでした。
しかしやり方次第ではスカイを崩壊させることもできるということがこれでわかったので、今後のステージで何か動きがあるかもしれません。
それでも、TTでフルームはライバルに更にタイム差を奪っていくはずなので、それだけで倒せるのか?

今日は第10ステージで、197kmの平坦ステージです。



昨日は休息日だったので、選手たちはフレッシュな状態ですが数少ない平坦ステージなのでスプリンター系チームが後半から追い上げて逃がしてはくれません。
また、総合系やTTを狙う選手の場合は明日に備え消耗はしたくありません。


レースは序盤から逃げが決まります。
スプリンター系チームは逃げが決まることは問題ありません。
問題なのは逃げ切られることですから。
今日はその心配が少なく、逃げが決まってくれた方が集団は落ち着いてくれるのでスプリンター系チームも総合系チームもあっさり容認。
シモン、ウェストラ、マテマルドネス、オロス、クザンの5人が逃げます。
残り141km地点ではタイム差が4分32秒まで広がりました。

しかし今日は風が強く、下手な動きをして集団が加速してしまえば明日のTTもあるのにかなり消耗してしまうし、お互いに深刻な遅れをとってしまう可能性もあるので、このタ​イム差をキープしながら集団は逃げを泳がせます。

そんな落ち着いたレースが進むため、集団はかなりリラックスした状態で走ります。
残り73km地点ではマイヨ・ア・ポアを着ているヨーロッパカーのエース、ピエール・ロランがチームカーまで下がり、ボトル運びをしているシーンがありました。
集団のペースが遅く、チームカーも近かったようで後に下がってもすぐに戻ってこれるの状況でした。
そんな状況なので普段は自分をアシストしてくれているチームメイトに恩返しをして、ちょっとでも楽をしてもらうためでしょうか?
ぼこぼこに膨らんだ山岳賞ジャージは見たことがなかったのでちょっと驚きました。
そして、新城選手と、ロランが並ぶと日本のナショナルチャンピオンジャージとマイヨ・ア・ポアがなんだかペアルックというかお揃いという感じでちょっと面白かったですw

今日は70km地点に中間ポイントが設定されていました。
1~5位は逃げが消化しますが、それ以下にもポイントが付くのでメイン集団では動きが活発になります。
キャノンデールが良く動いていましたが制したのはグライペルでした。
順位はグライペル、サガン、カヴという順でした。
サガンは相変わらず、ポイントを取りこぼさず、なかなかポイント差を大きく詰めさせてくれません。

残り62.5km地点では中間スプリントを目指して集団が加速したためタイム差が2分15秒まで縮みました。
このままでは逃げを早期に捕まえてしまい、新たなアタックも発生してしまう恐れもあるためロットが先頭に出てきては集団にペースを抑えて行こうと合図をします。
ロードレースの面白いところはこういった必ず怠けるところが出てくることですよね。
これも戦略の一つなのですが
みんなでサボれば怖くない!
なんて、他のプロスポーツではあまり考えられないようなことが普通に行われるあたり凄く人間臭くて大好きです。
そして、そうやって気を抜くところはしっかり休んで、やる時はしっかりやるというメリハリをつけた方がいい結果が出せるという点は、日本人的にはいろいろ学ばなければいけ​ませんね。
ついついいつも頑張ろうとしてしまいますから。

残り55.5km地点では今日唯一の4級山岳がありますが、山頂手前でウェストラが飛び出してポイントを取ります。
たった1ポイントで、山岳賞に影響は殆どありませんが、逃げ集団としては下手に争ったりせずに協調して進んでいきたいのでこのようにウェストラが空気を読まずにアタックす​るのはあまり歓迎されたことではありません。
52km地点で再び合流しますが、他の選手からすこし文句を言われてたようです。

残り38km地点。タイム差は2分2秒。
ここら辺から色々なチームが前に出てきて集団のペースを上げて、逃げ集団とのタイム差を詰めていきます。
29.6km地点ではタイム差が1分7秒まで縮みまります。
かなり向かい風が強く、逃げ集団にはかなりキツイ展開になります。
しかし、どうもゴール前では進行方向が変わるので追い風になる可能性があります。
そうなると、逃げ集団のほうに若干有利に働くので、多少早めに捕まえておきたいところです。

そうなってくると、逃げ集団がつかまるのも秒読みです。
27.9kmで54秒差、ここでオロスが先頭からアタックしていきます。
しかし、向かい風が強く、他が動かなかったため成功せず再び吸収されます。

残り23km地点で45秒差。
ここらあたりになると位置取りが激しくなってきます。
オメガやサクソが積極的に、上がってきます。
20km地点ではベルキンなども上がってきます。
18.8kmで先頭を逃げていたウェストラが力尽き、下がっていって吸収されます。
逃げ集団は残り4人でタイム差は32秒さらに厳しくなります。

15km地点になるとアルゴスも前に上がってきます。更にペースが上がりタイム差は18秒になりました。

8km地点になるとほとんどタイム差がなくなります。
しかし、逃げは諦めず、シモンが最後の足掻きを見せます。
ここから、集団は先頭が見えるのですがなかなか詰まりません。
5.8km地点ではマテマルドネスも飛び出し、5.2km地点では再びシモンが飛び出して粘りまる。
しかし、そこまででついに集団に吸収されて今居ます。
そして、いよいよ集団スプリントに向け、スプリンター系チームがどんどん出てきます。
ここでオリカも上がってきました。
4km地点ではアルゴスとオメガが良いトレインを組みます。
キャノンデールはいつもはトレインを上手く組んでくるのですが、今回は上手く動けません。
3.2km地点ではロットも出てきます。
今日はゴール近くにのぼりもなかったので全てのスプリンターが残っています。
集団はかなりの速度で進みます。
この頃の巡航速度は何と65km/h!
そんな速度で、ひじが触れ合うような距離で走るなんて…

残り1.7km各チームのトレインがひしめく中、キャノンデールは全くチームとして動けませんでしたが、サガンは上手く、先頭に残りオメガファルマのトレインを上手く利用​してカヴの後に張り付きます。

残り1.3km、ここで上手く出てきたのはアルゴスでした。
エースのキッテルを連れて発射準備完了です。
ここで後には新城の姿もありました。
厳しい位置だったので、勝利の期待は薄でしたが、そもそもそこに残れてることが私が自転車に乗り始めた頃や別府選手が今中選手に次いでようやくツールに出た頃から考えると​まるで想像できなかったので無茶苦茶凄いことなんですよね…

最後、先に仕掛けたのは好調なグライペルでした。
少し手前からロングスパートを仕掛けますが、その後からアルゴストレインがキッテルを発射。
更に後からはカヴが追撃します。
しかし、ここでトラブルが起きます。
キッテルを発射した、アルゴスのアシストの選手が下がってきたのですが、その選手にカヴがひじ?肩?を引っ掛けて接触してしまい相手が落車してしまうという事件がありまし​た。
幸い、相手は上手く転んだため骨を折ったり大怪我というわけではなかったようです(それでも65km/hでの落車ですが)
もしかしたらポイント剥奪などの処分があるかもしれません。
カヴもわざとやったわけでは無いようで、引っ掛けた後は後を振り向いてスプリントをやめてましたし、その後に謝罪もしたようです。(言い訳も結構してたみたいですが)

そしてそんな事が後方で起きてる中でグライペルがゴールへ向かって突き進みますが、少しかけるのは速すぎた上に、しっかり発射されたキッテルの勢いはそれを上回っていまし​た。
最後、しっかり加速しきったキッテルがグライペルをまくり上げ、ゴール。
アルゴスは不運なことがありましたが、これで何とか報われたかな?
グライペルは他のスプリンターに比べ1歩前へ、2勝目をあげました。
土井選手がツイッターで今日の状況はキッテル向きで、今日はアルゴスの日になると予想してましたが的中でした。
元チームメイトなので我々より遥かによく分かってるのでしょう。
ちなみに、今日の私の優勝予想はグライペルでした・・・グライペルも惜しかった!

明日はモンサンミッシェルでの個人TTですが、その後も少し平坦ステージが続きます。
明日はフルームが他を圧倒してしまうのか?
優勝筆頭候補のマルティンはどこまで回復してるのか?
エヴァンス、コンタドールはどうなるのか?
バルベルデは大丈夫?
案外ポートが大活躍?

大好きなカンチェラーラが居ないTTは退屈かと思っていましたが予想以上に面白いことになりそうです。
では、今日はここまで。

P.S
今日、仕事から帰ってきて時間がなかったのでクーラーのない部屋の中で扇風機に当たりながらローラーを回してましたが少し熱中症になりました。
扇風機に当たっていればかいた汗で冷却されるので大丈夫かと油断していましたが、流石にこの季節はダメですね。
皆さんもお気をつけください。

2013年7月7日日曜日

ツール・ド・フランス 2013 第8ステージまとめ

Bon soir! TORIALです。

今日は第8ステージ。195kmの山岳ステージで、いよいよピレネー突入です。



今日は超級山岳を超えたら1級山岳があり、山頂ゴールになってます。
そのため、総合だけでなく山岳賞狙いの選手の動きも気になります。

いつもの様に序盤から逃げが決まりました。
フーガランド、モラード、リブロン、マリノの4人が逃げます。
タイム差は残り85km地点で6分以上まで広がりますが、今日はご覧の様に超級、1級と山岳があるので登りに入って、総合勢などが動き出すとすぐにタイム差は消されてしま​います。

中間まではとりあえず逃げつづけ、フーガランド、モラード、マリノ、リブロンの順で通過。
メイン集団では、またキャノンデールがトレインを組み積極的に引きます。
上手く運んでサガンを発射かと思いきや、サガンの後ろについていたグライペルが先に仕掛けて、上手くやり5位で通過。
しかしサガンもグライペルの後ろに付き6位通過、ついでカウ゛でした。
グライペルは僅かにサガンとのポイントを詰めましたが、まだpt差あります。
サガンは無理に1位を取らなくても、2~3位で手堅くポイントを取りこぼさなければジャージを失う危険性は少ないので今後はどうするんでしょう?
他のチームは何とかサガンに攻撃したいはずですが、下手をすれば昨日のようなキャノンデールの攻撃を再びされてしまうので難しいところです。

残り57km地点から、スカイ、サクソ、ベルキン、モビスターがトレインを組みペースを上げ始めます。
そうなるとどんどんタイム差は縮まり、残り48km地点で2分差まで縮みます。
そのため、逃げ集団でもフーガランドがアタックしますが決まりません。
フーガランドはダメでしたが、上り口の残り44km地点でリブロンが仕掛けて、一人飛び出していきました。
なお、メイン集団ではいつもの様にグライペルやカウ゛などのスプリンターが遅れていきグルペットを形成したようです。

飛び出したリブロンは粘りますがタイム差は約1分まで縮んできました。
そうなると、集団からは飛び出す選手が出て起案す。
40km地点では、ヘーシングが飛び出し、39km地点ではヴォクレールが飛び出しました。
38km地点でリブロンの集団との差は1分28秒、遅れること48秒でヘーシング、1分でヴォクレールとなります。
そして、去年は病に伏せてツールには出場?できなかった悪魔おじさんですが、今日は37km地点で確認しました。
元気になってよかった!!(また、どこだったか忘れましたが、子供の悪魔、小悪魔?子悪魔?も居ましたw)

また、この頃からスカイが集団をコントロールし、キリエンカが表情一つ変えず、一人で、ただひたすら淡々と、そして恐ろしい速度で引き続けます。
去年はモビスターに居た選手ですが、一人淡々と、一切ペースを崩さずに走り続け、一人チームスカイなどと言われてましたが、今年は本当にスカイに移籍しました。
チームの戦術と、選手の特徴が完璧にマッチしてるので恐ろしい活躍を見せてくれます。

その結果、ヘシェダルやタラマエなども遅れていきます。
しかし、そんなペースの中飛び出した選手がいました。
モビスターのクインターナです。
あっという間にヴォクレールに追いつくと抜き去り、更にはヘーシングもかわして行きます。
なお、このクインターナの走りを見たヴォクレール社長はやる気スイッチがOFFになってしまったようでどんどん下がり、ついには集団からすら千切れていきました…残念。

スカイのキリエンカの鬼引きで集団はどんどん小さくなります。
33.9km地点ではヘーシングが吸収されていきます。
また、先頭ではクインターナがリブロンに追いつきました。
リブロンは何とかクインターナについていこうとするものの結局、付いていけず下がっていきます。
この時点でのタイム差は43秒です。

そして、32.9km地点で今度はローランが飛び出していきます。少し遅れてアントンも飛び出していきました。
ローランはこの山岳でポイントを稼げば再び山岳賞ジャージの可能性もあるのでそのための動きでしょうが、総合はどうするんでしょう?
山岳狙いのヴォクレールがダメだから、ローランが山岳に変更?
ヴォクレールはステージ狙いにでもするのでしょうか?

31.8km地点でローランがリブロンを抜きました。
そして31km地点でクインターナ先頭、次いでローランが40秒遅れ、その後にアントンという形になります。
しかしアントンはこの後吸収されていってしまいました。
なおこの頃、キリエンカは仕事を終えて下がっていったのですが、新人賞に期待がかかるヴァンがーデレンが集団から遅れていきました。

結局、超級山岳はクインターナ、ローランの順で通過。
山頂手前で、エウスカルテルのニエベが飛び出し、何とか3位通過していきます。
エウスカルテルは山で活躍したいチームなので本当はアントンで1位通過したかったでしょうが、できなかったので何とか3位は守りたいという意思だったんだと思います。

ここからは約20kmの長いダウンヒルです。
ここで、相変わらずSKYが良いペースで下っていきます。
なおこの、下りで総合に期待がかかるティボ・ピノーが遅れていきます。
どうやらハンガーノックになってしまったのかまるでペースが上がりません。
しかもこの後、メカトラもあり大きくここで後退してしまいます。

残り8.8km地点でタイム差は22秒
ここでローランが、クインターナに追いつき合流します。
そして最後の1級の上りに入っていきます。
このまま2人で行くかと思いきや、ローランがついていけません。
それを確認するとクインターナはちょっとダンシングして加速したらシッティングでスイスイ。
あっさり置き去りにしていきました。

残り7.2kmで結局ローランは結局吸収されます。
この頃からスカイは最後の、そして最強のアシストのリッチー・ポートが引き始めます。
このペースもとてつもなく早く。
アンディやエヴァンスなどがまず遅れていきます。
6.3km地点ではアントンやルイコスタも遅れ、メイン集団だったものはフルームやコンタドール、バルベルデなどのほんの数人になってしまいました。
5.9km地点ではテンダムや激坂の名手ホアキンも遅れていってしまいます。

懸命に逃げたクインターナですが残り5kmでついにポートたちに吸収されていきます。
そしてこの頃から、コンタドールが遅れ始めました。
そして、それを見て動いたのは何とフルーム。
一気に飛び出していきます。このアタックにはだれも付いていけません。
そのままどんどん差を広げていきます。
そして、それまでアシストしていたポートも周りの動きが鈍いことを感じると、何と4.5km地点で自分もペースを上げていきます。
本来なら、これはあまり良くない(チーム無いの下克上の危険もある)
しかし、フルームのペースはポートより遥かに速いので、チーム的に他の選手を圧倒し、心を折るためにもその許可が出たのでしょうか?
こればっかりは推測なのですが、事実としてポートが他を置き去りにしてペースを上げていきました。

そのままフルームは完全に独走状態。
しかも、かなり追い込んだ走りを見せます。
頭から水をかけ、歯を食いしばり、ひたすら回していきます。
恐らく心拍強度は90%を超える無酸素領域に入っている強度だと思います。
ゴールを目指し、まるで獲物を追う狼のように獰猛に加速して行きます。

残り1km、フラムルージュを過ぎるこの時点でも十分なタイム差があるにも関わらず、フルームはダンシングして更に加速していきます。
あっという間に残り500mを過ぎると、最後まで決して踏むのをやめず、ガッツポーズをする素振りすら見せず走り続けます。
そのまま独走、完全勝利でゴール。
そしてゴールラインを超えてようやくガッツポーズを見せました。
1秒たりとも無駄にせず、徹底的に相手からリードを奪う超攻撃的な走りでした。
なお、フルームの最後の山岳での、この走りですが過去のデータと比較するとランスの時代より約2%速く、ここ4~5年では4.5%も速く上ったそうです。
何という身体能力、そして精神力と闘争心でしょう。

この圧倒的な走りの前に、結局2位になったポートですら51秒遅れ、ポートを必死に追ったバルベルデでも1分8秒遅れ、コンタドールは1分45秒、エヴァンスは4分36秒​も遅れてしまいました。
もう、ライバルは意気消沈ではないでしょうか。
ちょっと圧倒的過ぎました。

その結果、フルームは当然マイヨ・ジョーヌを獲得したのですが、最後の1級を1位で通過し、その前の超級を実は6位で通過していたので、持ち点1ptと合わせたポイントは​
1 + 10 + 20 = 31pt
となり、一方で超級を2位通過したローランは持ち点の11ptに加えて20pt獲得し
こちらも31ptとなりポイントが並びました。
規定により、ステージ優勝してるフルームの方に優先権があるため、何と山岳賞もフルームです。(ただしフルームはマイヨ・ジョーヌを着るので繰り下げで、明日はマイヨ・グ​ランペールはローランが着ます)

今日で、フルームの総合優勝がかなり濃くなってきたと思います。
本当に圧倒的な走りでした。
しかし、この走りを見て思ったのは、無理だとは思いますがフルームがマイヨ・ジョーヌのみならず、同時にマイヨ・グランペールも獲得してくれないかという風に思いました。​
私はクライマーなので山を征するものが全てを征すというのを、見てみたいんですよ。
もし、それが見れるならクライマーの一つの目標になると思いますから。

明日以降のステージも楽しみですが勢い止まらないと、何か明日も更にリードを広げてしまうような・・・

では、今日はここまで。
Bonne nuit!

P.S
ちなみに、今年もフルーム節は健在なようでゴール後のインタビューでライバルは誰かと聞かれたときに「リッチー・ポートだよ!」と答えたそうですw
いやー、ウィギンスとは違って(※批判してるわけじゃありません)TV的には非常に面白く、ネタになるキャラですねw

2013年7月6日土曜日

ツール・ド・フランス 2013 第7ステージまとめ

Bon soir! TORIALです。
練習した日は観戦も展開が少ないと眠いよー!
頑張って書きます。

今日は題7ステージで、205.5kmの中級山岳ステージです。



スプリンターにとっては辛いステージです。
3つ目の三級山岳を越えることができれば、最後はスプリントもできますが、それまでに遅れてしまうと勝負すらさせてもらえません。
パンチャー系の選手にはチャンスがあるステージです。

レースは序盤、2人の選手が逃げます。
AG2Rのカドリとレディオシャックのフォイクトが逃げます。
フォイクとは今年41歳の大ベテランで最年長プロ選手!
今なお現役どころか、逃げを打つほど元気と素晴らしい選手ですね。
ついでに非常に恐ろしい情報ですが、今日のフォイクとのギア選択はフロントが54-39Tでリアは21-11Tだそうです・・・
これで中級山岳上っちゃうんですね。
負荷を高めよう!って思って最近私はフロントを50-36Tのリア23-12Tにしたのですが、こんな負荷じゃダメなんです?
まぁ私らとは比べ物にならないほど強い選手なので比較することがあまり意味が無いかも知れませんが…ちょっと悔しい。

懸命に逃げて1つ目の山岳では4分さまで広げます。
2つの山岳もそのまま逃げて越えていきます。
順位はどちらもカドリ、フォイクトの順でした。
そしてこの結果、カドリは山岳ポイントを12ptまで伸ばして、11ptのローランを抜きました。
ローランは2つ目の山岳でポイントを取りに行きますが及ばず、今日でジャージを手放すことになります。

しかし、一つ目の山岳を越えてから後の集団で動きがありました。
キャノンデールがぐんぐん速度を上げていきます。
その結果、逃げの二人は吸収。
まだ残り100km以上残っているのですが、チーム総出で集団の前方に出てペースを上げて引いていくという大胆な攻勢に出ました。
これによりピュアスプリンターたちはどんどん遅れていきます。
最初に遅れたのはカヴ、次いでグライペルとキッテルも遅れていきました。
残り106km地点で集団からグライペルたちが1分14秒送れ、カヴェンディッシュは3分18秒も遅れてしまいます。
キャノンデールの作戦通りに他のスプリンターが遅れていきます。
こうなると中間スプリントを獲るだけでも、他のスプリンターはポイントが取れないのでサガンはライバルたちに大きなポイント差をつけることができます。
そのまま残り70km地点の中間スプリントまでやってくるとしっかりサガンを発射。
当然のように1位で通過してポイントを稼ぎます。

しかしライバルたちも黙っているわけにはいかないので、カヴはグライペルたちと残り88.1km地点で合流して、先頭集団を追います。
しかし中々差が縮まりません。

残り68km地点で少しペースが緩むと、第2のアタックが発生。
バークランツ、ゴチエ、 オロスが逃げ出します。
バークランツ先頭で、先ずは3つ目の山岳を通過。
その後50km地点ではタイム差が1分まで開きます。

しかし、その後再びキャノンデールが集団を引き始めるとまた、タイム差が縮んでいきます。
そして、その頃後の追走集団ではグライペル擁するロットが必死に追っていましたが再びキャノンデールが引き始めたのを聞いてか、このまま追っても消耗するばかりだと考えた​らしく追うのをやめてしまいます。
代わりに追走集団を引くチームも現れず、ここは追走ではなく完全にグルペットと化しました。
もう今日は勝負しないので、後はサイクリングを楽しみながら怪我をしないように、タイムアウトにならないようにゴールへ向かっていきます。

残り25km地点でメイン集団は逃げとのタイム差を4秒まで縮めます。
キャノンデールの攻撃で、ピュアスプリンターは遅れましたが、それ以外の選手デゲンコルブ、ボアッソンハーゲン、シャバネル、ジルベールなどは生き残りました。
いつもとは少し違う面子ですが、この中ならサガンのスプリントは一番の輝きを魅せます。

残り8.3km地点でタイム差は18秒。
逃げの吸収も時間の問題です。
しかし、この残り距離になっても集団を支配し、先頭で引き続けるのはキャノンデール!
ここまでですでに90km以上引き続けてますが、まだトレインを組んでペースを上げていきます。
残り2.9kmで吸収されるといよいよスプリントのための位置取りが激しくなります。
ここに来てキャノンデールのトレインも少し伸びがなくなってくると、すかさずアルゴスシマノが出てきました。
アルゴスは当然デゲンコルブでの勝負です。
伸び悩むキャノンデールトレインを抜き去ると先頭に出て、発射準備をします。
しかし、そこからもキャノンデールは諦めませんでした。
100kmも集団を頑張って引っ張って、攻撃も成功させて勝てなかったら悔しいなんて言葉では表現できないでしょう。
いよいよ残りアシストは一人になったとき、上手くアルゴストレインの後につきます。
左からはランプレが上がってきて、右からも他の選手が上がってきて進路を塞がれますが、最後まで慌てず、そして上手く強引に左に寄せながら集団前方までねじ込み上がると、​そこでサガンはデゲンコルブの後ろに

発射されたデゲンコルブにワンテンポ遅れる形でスプリント開始でしたが、
そこは怪童サガン。
他を圧倒する加速でデゲンコルブを抜き去ると、最速でゴールに飛び込みました。
勝てと言えば勝つエース。それがサガン。
そして、そんなエースだからこそ、アシストは信頼し、身を粉にしながらアシストして想いを託します。
今日はサガンというよりキャノンデールの大勝利でした。
勝てるかどうか分からないエースのために100kmも集団を引き続けるなんて事は体力だけでなく、普通は気持ちが持たないでしょう。
でも、サガンならやってくれる。そう信じたからこんな大胆な攻撃をして、成功させることができたような気がします。
ゴール後に抱き合うサガンとアシスト達を見て、このチームはエースとアシストの信頼関係が他より段違いで強いような気がしました。
こういうチームは見てて気持ちがいいですね。

その結果、サガンは今日大量のポイントを稼ぎ224ptになりました。
2位のグライペルから94ptもの差をつけることになり、なんだか序盤で既に今年のマイヨ・ヴェールが決まってしまったような雰囲気が漂い始めました。
まぁ去年みたいにライバルがポイント剥奪されて、ジャージ決まるよりマシですけど…

明日はいよいよピレネーに突入します。
そして、ゴールは1級山岳の山頂ゴール。
総合ももちろん気になりますが、個人的には山岳賞が気になります。
ヨーロッパカーのローランは総合狙いのはずが、なぜか山岳賞を獲得して、逆に山岳を狙うかと思われたヴォクレールは動かず、いつもの定位置の集団後をうろうろしたり時には​遅れたり・・・何かキレがありません。
大丈夫でしょうか?(汗)
まぁヴォクレールのことなんで何考えてるか分かりませんし、現地の見方ではこれ自体がフェイクで三味線を弾いてるだけという風に見られているようです。
そうなると、明日は何かやってくれるかもしれません。

明日も楽しみです。では、今日はここまで。
Bonne nuit!

2013年7月5日金曜日

ツール・ド・フランス 2013 第6ステージまとめ

Bon soir! TORIALです。

今日は第6ステージ。176.kmの平坦ステージです。



序盤の上りさえ何とかなればピュアスプリンターにとっては数少ない、まともに勝負できるステージです。
ただし、強風が予想されるステージなので油断はできません。

レースは序盤にアタックが決まりました…
が、これが何とも不憫でした。
アタックしたのはコフィディスのルイス・マテマルドネスでしたが、何と誰もついて来てくれません(笑)
それもそのはず、今日は平坦ステージなので集団のほうに分があり、更には強風が予想されるので逃げるのはあまり得策ではありません。
しかし飛び出して、決まってしまったものは仕方がありません。
とりあえず逃げて、スポンサーアピールでもしとくしかありません。

残り137km地点ではタイム差が1分36秒程度まで広げますが、中間スプリントを目指して集団がじわり速度を上げるとズルズルと下がっていき残り132km地点で結局吸​収されました。

中間スプリントでは、今回は逃げが無く、集団でやってきたので1位になればそれなりにポイントを稼げます。
マイヨ・ヴェールを狙うスプリンターたちはしっかり狙いをつけてアシストを受けながら争い
グライペル、カヴ、クリストフ、サガンの順で通過しました。
キッテルは今回絡んでこなかったので、完全にジャージよりステージ狙いのようです。
まぁ上りがスプリンターの中でも極端に苦手なのでジャージは難しいことは最初から分かってたので冷静な判断ですね。

そして中間スプリントを通過したあたりからどんどん風が強くなります。
先頭はスカイが牽引していきます。
これが特別ペースが速かったわけではありませんが、緩める気配も無かったため集団は少し長くなり、調子の悪い選手が遅れ始めてしまいます。

これの餌食なったのはFDJのブアニでした。
昨年はフランスチャンピオンになったまでの実力者ですが、落車の影響や胃腸の調子が悪かったらしくここでズルズルと遅れていってしまいます。
時速30km/hの強い横風が吹き、千切れた選手はどんどん遅れてしまいます。

結局粘りましたが、叶わずにブアニは残り90km地点で自転車を降りました。
非常に落胆し、悲痛な表情でした。

そのようなキツイ風が吹く中で集団もぴりぴりします。
一度分断されてしまえば、先頭復帰は難しく大きなタイム差を生んでしまう可能性があります。
だからといってむやみやたらにやれば、それだけ消耗してしまいます。
消耗してこの風の中を走ろうとして逆に自分がやられてしまう危険もあります。

そんな中、補給地点に差し掛かりましたが集団はペースが上がります。
普通はここでペースを上げるのは紳士協定というか暗黙の了解みたいなものであまり歓迎させることではないのですが、近年そういったものより戦略が重視されつつあるのでここ​での攻撃もある場合があります。
しかし、ここでペースを上げてしまうと選手は補給ができないので非常に大変な思いをします。
ここで補給できなかったチームは、後でわざわざアシストがチームカーのところまで行ってサコッシュやボトルを貰って運んでいかなければなりません。
そういった意味での攻撃になるので、アシストを消耗させるには有効かもしれませんが・・・
餌食になったアシストは同情を禁じえません。

そんなペースが上がる中、今度はアスタナのケシアコフが遅れてしまいリタイアとなってしまいます。
2人目のリタイアです。

ここから更に風が厳しくなるので、下手な動きはできません。
しかしペースを極端に緩めることもありません。
また、総合を狙う選手を抱えるチームでは、危険回避のために集団の前方の位置を争うような場面もありました。
大きな動きはありません(というか風が強すぎてできない)でしたが緊張した雰囲気で進んでいきます。

そしてゴールに近づいてくる中、今度はスプリンター系のチームも前に出てこようとします。
そんな中、残り32km地点で落車が発生。
何とこのステージでの優勝候補のカヴが巻き込まれてしまいます。
今日は風が強いので少し遅れると戻るのに体力を使ってしまいます。
アシストを使い、自動車の隊列をつかいながら22km地点で何とか戻ることはできましたがアシストもカヴも少し消耗してしまいました。
また11km地点でも落車が発生。
ここでは総合で表彰台を狙うアスタナのブライコビッチが落車してしまいます。
どうやら顎を打ちつけたらしく、脳震盪を起こしているようで中々立ち上がれません。
まだ残り3km地点ではないので救済措置は無く、結局何とか再スタートはできたもののここで大きなタイムロスをしてしまいます。

残り6.8km地点になるとスプリンター系チームの引きで集団はどんどん加速して行きます。去年の新人賞のタラマエもここで遅れていきます。

残り4.7km地点、いよいよ過熱してくる中でアルゴスシマノのトレインが集団の先頭に現れます。
ここまで、中間スプリントなどにも目もくれず、集団の中で息を潜めていたので体力を温存していたアルゴスシマノは完璧なトレインで牽引します。
そんな中、後では人数は少ないものキャノンデールもトレインを組んできます。
またカヴもアシストが殆ど残っていませんでしたが何とか先頭に残ります。
今日はアルゴスの日か?と、思ったらそのトレインを上手く利用したチームがありました。
ロット・ベリソルです。
アルゴスシマノのトレインの後にトレイン作り、ゴールがいよいよ間近になってきたところで前に出てきます。
その完璧なトレインのリードアウトを受けて、調子の良いグライペルが発射。
キッテルが迫りますが、追いつけません。
遅れたカヴやサガンも粘りますが、カヴは早々に見切りをつけてしまい後退します。

結局、優勝はグライペル。
次いで、サガン、キッテル、カヴの順でした。
初日は落車の影響でスプリントに絡めずに落胆していたグライペルですが、カヴに次いで勝利を挙げます。
ここで大きくポイントを稼ぐものの、サガンもしっかり残っていたのでマイヨヴェールはサガンがキープです。
サガンはまだ1勝もしてないのですが、ジャージを着ています…それもちょっと微妙なような?

また、最後集団のペースが上がっために中切れが起きていたようで、総合の順位に少し変動がありました。
今日までマイヨジョーヌを着ていたのはサイモン・ゲランスでしたが、同じグリーンエッジのダリル・インペイに引き渡されました。
同じチームなので、そんなに気になることでもないかと思ったら、そんな事ありません!
何と、このダリル・インペイ選手は南アフリカ出身なのですが、南アフリカ出身としては初のマイヨ・ジョーヌ着用という歴史的な瞬間でした。(ちなみに南アフリカ出身の選手​のツール初勝利はロビー・ハンターだそうです)
非常にラッキーですね。
グリーンエッジはこのツールで非常に目立ってます。
初日にはバスがゴールに引っかかり、第3ステージではチーム創設以来初のツールの勝利&マイヨジョーヌ獲得、第4ステージでも続いて勝利した上に史上最速の平均時速を記録​、そして第6ステージでは南アフリカ初のマイヨジョーヌ。
これはまだ何か面白いニュースを生んでくれそうです。
期待しましょう。

では、今日はここまで!Bonne nuit!

2013年7月4日木曜日

ツール・ド・フランス 2013 第5ステージまとめ エアロヘルメットのお話

Bon soir! TORIALです...

テンション低いのは察してください…
頑張ってまとめます。

今日は第5ステージ 228.5kmです。
今日も比すらアップダウンが続く…平坦ステージだそうです。
平坦ってなんだっけ?



今日は序盤からアタックが決まりました。
逃げたのは我等が新城幸也選手と、同じくヨーロッパカーのケビン、ヴァカンソレイユのデヘント、エウスカルテルのシカード、アスタナのルツェンコ、ソジャサンのデュラプラ​スの6人でした。
ヨーロッパカーが2人も逃げてる!
ということで新城の初優勝への期待でツイッターもJsportsの実況も大変盛り上がりました。

逃げは完全に容認され一時は12分近くまでタイム差が開きました。
そうなると、ヴァーチャルですが新城がマイヨジョーヌということで、まだ勝利も決まってないのに期待は膨らみます。

逃げ集団も上手くまとまりながら進行します。
山岳ポイントとスプリントポイントを争って小競り合いは発生しましたが、協調が崩れるということは無く、大きくタイムを失うことはありません。
最初の3級山岳はデヘント、デュラプラスの順で通過
次の4級もデヘントが1位通過
中間スプリントではデヘント、ルツェンコ、デュラプラスの順で通過します。

残り125km地点では10分程度の差がありましたが、中間スプリントに向けて集団が加速したため残り100kmで9分程度まで少し詰めました。
残りの中間スプリントのポイントを争ってのメイン集団でのスプリントでは
グライペルが制し、クリストフ、サガン、カヴの順で通過していきました。

残り100kmで9分程度あったタイム差ですがこの頃からじわりと集団が詰めてきます。
残り80kmで7分53秒まで詰めてきました。
しかし10km1分の法則からするとまだ逃げ切りの可能性もあるタイム差です。

3つ目の4級山岳ではまたデヘントが獲るかと思いきや、するすると新城が上がっていき一位で通過していきました。
この時点で残り74.8km、タイム差は7分35秒と微妙なラインです。
ここまで既にスタートしてから154kmも走ってきました。
そろそろ逃げ集団の中でも消耗してしまい、ペースの落ちる選手たちが出てしまいます。
53.2km地点でタイム差が6分37秒と法則から言うと少し余裕のあるタイム差ですが、遅れる選手たちが出始めます。
ふるいにかけるため、新城がペースを上げるとデヘント、ルツェンコ以外の選手が少し遅れます。
後にはケビンを含む3人が残りましたが、他の2人に力が残ってないことが分かるとケビンは2人を捨て去り、単独で追うと先頭に合流します。
結果、先頭は新城、ケビン、デヘント、ルツェンコの4人となりました。

レースは更に進むと39.2kmで5分3秒のタイム差がありました。
しかしここから最後の4級と、山岳ポイントは設定されていませんが、4級レベルのジネスト峠(登坂距離8km、平均3.1%)の2つの峠があります。
4級山岳は再びデヘントが制します。
そして下ると残り21kmでタイム差は2分20秒と厳しくなってきます。
下りではシャヴァネルが先頭に出て引き始めたので一気にタイム差を詰められました。

残り20.5kmで最後のジネスト峠に突入します。
ここは8kmの登坂になりますので、集団とのタイム差が更に縮まります。
タイム差が30秒を切る頃、このままではいよいよダメだと新城は最後の足掻きを始めます。
アタックを仕掛け、もがきますがタイム差はどんどん縮んでいきます。
何とか山頂は越えたものの、この時点でタイム差は17秒しかありません。
残りは12kmと逃げ切りの可能性はほぼ潰えました。
それでも最後の下りでルツェンコが飛び出していきます。
ケビンは反応しますが、デヘントは反応せず、その後にいた新城もデヘントの後ろに付いたままでした。

多分ですが、新城としてはデヘントはこの中でも実力のある選手で、今日のステージ勝利を狙っている雰囲気もあったのでこの後、デヘントは踏みなおし再び追いつくと考えて、​体力を消耗しないためにも後についたんだと思います。
しかし、デヘントはここで諦めてしまったようで踏む気配がありませんでした。
と、言うのも実況で別府始さん言っていましたがこの時点でデヘントに敢闘賞が決定していたそうです。
既に逃げ切りの可能性はほとんど無く、彼は敢闘賞を獲得できたので無理してここから行く必要もなくなってしまったので踏むのを止めたんだと推測されていました。
そうなると、新城選手の読みは外れてしまったんでしょう。
そのまま集団に飲まれていってしまいました(泣)

そうなると、残るはケビンとルツェンコですが、集団では再びシャヴァネルや、スプリンター系のチームが出てきてペースを上げていきます。
結局4km地点で二人も吸収。
最後はスプリント勝負。
今回は最後まで殆どのスプリンターが生き残り、純粋なスプリント勝負となります。
勝ったのはカヴェンディッシュ!
オメガファルマのトレインに引かれながら、最後はステーグマンスに発射されたカヴの勢いは最後まで落ちませんでした。
スプリントでは先に飛び出した選手は勢いが止まり、最後は後から選手が迫ってきて、ゴールまでに追いつかれるか、刺されるどうか!?
みたいな勝負になることが多いのですが、カヴは1車身くらいのリードを奪いながら全く他を寄せ付けないまま圧勝でした。
ボアッソンハーゲン、グライペルがその後から迫りましたが、全く差は縮みません。
少し後から遅れる形で飛び出したサガンは非常に勢いがありグライペルは抜いたもののカヴは遠く、グライペルよりかは速かったものの、カヴとの差はあまり縮んでいませんでし​た。
どんだけ速いんだ…
結局、順位はカヴ、ボアッソン、サガン、グライペルの順でした。
サガンは負けたものの、ここまで稼いだポイントと、今日取りこぼすことが無かったのでジャージはキープしました。
他のジャージも動くことなく終わりました。

新城の勝利の可能性が合っただけに非常に残念でした。
しかし、まだツールは第5ステージが終わっただけ。
まだまだツールは続きます。第14ステージも新城向きのコースになってるので、じっくり待ちましょう。

そして、なかなかできない機材の話を続けます。
今日はヘルメット。
チームスカイがヘルメットの穴を塞いだり、丸っこいエアロヘルメットを投入してからというものヘルメットの開発競争が非常に活発になってます。
一昔前では全く考えられなかったことですが、TT以外の普通のロードレースでも丸っこいエアロヘルメットや穴のふさがれたヘルメットが使われています。
その中でも、今回気になったのはオメガファルマのヘルメットです。

TTのエアロヘルメットと、普通のヘルメットの中間のような存在。
まるでカエルになりかけで、しっぽが縮んできたおたまじゃくしの様なちょっと微妙な感じのヘルメットです。
左のキッテルはノーマルのヘルメットの穴を塞いだだけのようなモデルです。
チームによってヘルメットの差はかなり激しいようです。
しかしこの写真では分かりませんが、カヴのほうのヘルメットには上手くエアインテークが設置されてます。


この写真を見ると分かるように前面に結構穴が空いてます。
なので意外と快適かもしれません。ヘルメット上部のほうは穴を開けておい風が入ってきても頭頂部をちょっと掠めただけで通り過ぎてしまうので、空気を乱す割にはあまり冷却​効果が無いそうです。
逆におでこの上のほうから空気を上手く通りいれて、頭頂部分を塞いでおくと、トンネルのようになり中を空気が抜けていき冷却効果が高いそうです。
しかし、そのおでこの部分を我慢して塞ぐと非常に空気抵抗を削減できるそうです・・・
ここら辺のバランスは難しいですね。
ちなみに、エアロヘルメットの本家本元?のスカイのフルームのヘルメットはこんな感じ


やはりおでこ上の部分に結構大きなインテークがあいてます。
どのタイプが一番、空気抵抗は少ないんでしょうか?
ちなみに、私はエアロヘルメットは持ってませんが、先日このヘルメットを被って練習コースでTTをしたり、ダウンヒルしてみたところ確かに普通のヘルメットより頭を押され​る感覚は低減しました。

なので、高速で駆け抜けるプロなら十分な効果があるんでしょう。

またTTでも色々なエアロヘルメットがありますが、気になったのはヨーロッパカーのTTヘルメットです。


私が見逃しているかも知れませんが、唯一このヘルメットだけがディンプル加工されてました。
ディンプル加工とはゴルフボールにされているあの凸凹の加工です。
ツルツルにするより、ああやって表面に無数の穴を設けることで逆に空気抵抗が減るという話です。
これはヘルメット以外だと元祖?軽量カーボンホイールメーカーのZIPPのリムにも同様の加工がされています。
ZIPPがやっていることだから多分効果はあるはずなんですが・・・
こういった事が大好きそうなスカイのヘルメットには採用されてません。
やっぱり効果ないのか?どうなんだ?

何にせよ、自転車が走行するときに発生する損失の8~9割が空気抵抗なので、それを低減させるのは非常に効果的です。
しかし、それを追求すると色々問題が出てくることが多々あります(特に快適性が犠牲になることが多い)
ついでに速ければ速いほど効果が高いものなので、裏を返せば遅い人にはあまり効果が無いという厳しい現実も
エアロ化を進める場合は自身の脚力や体力、それから不快や苦しみをどこまで我慢できるか良く相談してからにしましょう。
でもエアロってカッコイイですよね・・・

では、今日はここまで!Bonne nuit!

2013年7月3日水曜日

ツール・ド・フランス 2013 第3&4ステージまとめ

Bon soir! TORIALです。
第3ステージでこんな感じです!



1kmも平坦が無いといわれるほどアップダウンの続くステージです。
しかも距離は145kmと短いので、逃げ切りの可能性もあるステージです。

序盤からアタックが決まり、ゴチエ、ウェストラ、ミナール、ヴュイエルモーズ、サイモン・クラーク(以下サイモンC)
の5人が逃げ集団を形成しました。
タイム差を3~4分程度獲得して逃げていきます。
中間スプリントはミナールが先頭で通過。
6位以下のポイントを争って集団でもスプリントはキッテルが一日でも長くジャージを着るために争い先頭で通過しました。

そして、この逃げの中ではゴチエがヨーロッパカーの所属です。
ローランが山岳賞ジャージをもっているので、他の選手が山岳ポイントを稼ぐのを妨害するのが一番の目的です。
そのため、山頂が近づく度に積極的に走りますが・・・なかなかポイントを獲得できません。
サイモンCが毎回良い走りをみせてポイントを重ねます。
その結果、3つの山岳をすべて一位通過したので、5pt獲得しました。
その結果、ローランと並ぶこととなり、最後の2級でポイントを重ねればジャージを奪うことができます。
そうなればローランも黙っているわけにはいきませんし、他のチームもこれ以上野放しにすると逃げきられてる可能性があるのでペースを上げて差をどんどんつめていきます。

最後の2級山岳に突入すると、タイムさは1分を割ります。
残り21km地点でジャージを狙うサイモンCとミナールがアタックしました。
ゴチエも妨害のためにも必死で追いますがサイモンCには及びません。
ずるずる下がり
結局サイモンCが独走し始めてしまいます。
そうなると本格的にジャージが危険なので残り14.8kmでローランがアシストを1人連れて集団から飛び出します。
アシストを発射台にしてのアタックで一瞬でサイモンCに追いつきます。
そのまま、ローランは単独で山頂を目指します。逆にサイモンCは抜かれたことで、ズルズルとペースを落としていてしまいます。
そして残り14kmでメイン集団からイゴール・アントンが飛び出し、13.7km地点で今度はノルダークが飛び出します。
そして最後の2級はローラン、アントン、ノルダークの順で通過していきます。
ローランはさらに5pt獲得し、山岳賞は守りました。
山頂を越え、僅かな逃げきりの可能性にかけて3人はダウンヒルしていきます。
しかしタイム差は15秒程度しかありません。
そんな中、残り10.9kmで今度はシャヴァネルがいきます。
合流すると10秒程度のタイム差を維持しながら逃げつづけます。

しかし結局は2.3km地点あたりで集団に飲み込まれ、最後のスプリント勝負となります。
最後の2級山岳でキッテルなどの多くのスプリンターが遅れていたので、有力なスプリンターはサガンが残っている程度でした。
そのため、サガンがこのステージは獲るか?と思われましたが、ここでオリカ・グリーンエッジが良い走りを見せて最後にサイモン・ゲランス(以下サイモンG)が発射されます​。
そしてサガン最後は一騎打ちとなり、僅差でゲランスの勝利となりました。
本当に僅かな差で、サガンは最後バイクを投げ出したのですが僅かに斜行してしまったからか?
それとも投げ出すのが早すぎたのか分かりませんがホイール1/5分及びませんでした。
サガンは2位になったものの、ポイントを重ねたことでマイヨ・ヴェールを獲得しました。

これでコルシカでの3連戦は終了です。



次は第4ステージでチームタイムトライアルです!(ちなみに非常にどうでもいいですが私の名前は「とりある」と読みます。たまに「とらいある」と読まれますが、元々鳥取​とタイムトライアルをかけて作ったのでどっちでもいいんですけどw)


今日のTTのコースはこんな感じです。
テクニカルなカーブはありませんが、海岸線沿いを走るので風の影響が懸念されます。
チームTTは個人の力ではなく、チームの力・・・だけというわけでもありません。
どれだけ実力のある選手が揃ってるチームでも、チームワークが下手では綺麗なトレインは作れず、大きな風の影響を受けて結果が出せないということもあります。
なので、チームTTは個人的には力勝負というより、どちらかというと技勝負。
ついでに加えるなら和の勝負でしょうか?
それくらい協調して走ることが重要です。

良いタイムを題したのは去年の世界選手権TTチャンピオンのマルティンを擁するオメガファルマでした。
負傷しているマルティンですが、流石はTTチャンピオンです。
おぞましい引きを見せます。
25分57秒で何と平均時速は57.8km!!
この速度が一体どれほどのものか?速いことは分かるけど、この速度で走るためにはどうすれば良いのよ!
という方に簡単に説明させていただくと、23Cのロードなら56×12Tをケイデンス98~100rpmでずっと回していく必要があります。
ちょっと意味が分かりません。彼らは本当に人間なんでしょうか・・・

そんなとてつもないタイムを早々に叩き出したのでなかなかタイムは更新されません。
優勝候補であったSKYですら、2秒及びませんでした。
今日のJsportsのゲストに来てたルーク篁さんが推してたモビスターも19秒秒遅れ。
今日のステージはオメガファルマで決まりかと思いました。(なのでプレゼント応募の答えにはオメガファルマで投稿しましたw)

が、その後それを上回る走りを見せたチームが居ました。
初日にゴールゲートにバスが引っかかってしまい大変騒がせたオリカ・グリーンエッジです。
(ちなみにあの事故はバスの運転手に責任は無いようです。
どうやらグリーンエッジのバスが遅れてくると連絡があったのにゴールゲートの高さを下げてしまって、そのまま誘導した運営側にミスがあるのと、
バスが遅れた原因が、どうやらスポンサーのオリカの社長さんがゴールを見たいからという事でそれの迎え?に行ってたからか遅れたようです。
バスの運転手は本当に不運ですね…)

中間計測では僅かに及ばないタイムだったものの後半で伸ばし、何とオメガファルマを0.75秒上回る、25分56秒でゴール!
昨日に引き続き2連勝です。
書き忘れましたが、昨日のグリーンエッジはチーム結成以来初のツールでの勝利だそうです。
続けての勝利とは波に乗ってますね。
しかも昨日、勝ったサイモン・ゲランスは何と、このステージも制したことによりマイヨ・ジョーヌを獲得するという非常に嬉しい出来事が!
一日だけ着るにしても、一生に1度ある確率がほとんど無いことなので非常に嬉しそうでした。

なお、今日の結果から総合で有力どころのタイムを見ますと
1位 ゲランス
7位 フルーム +3
12位 コンタドール +9
16位 ヘシェダル +17
21位 バルベルデ +20
28位 エヴァンス +26
38位 アンディ +29

といった感じになってます。
やはり、表彰台の可能性が高い選手たちは大崩はしてませんね。
アンディもちゃんと調子を取り戻せたらこれくらいのタイム差は山岳で十分取り戻せるはずです。
明日もアップダウンの続くステージです。
純スプリンターにはキツイ、逆にパンチャー系の選手にはチャンスがあるステージです。
ということは新城は?
ちょっと期待してます。
明日も楽しみですね。

では、今日はここまで!Bonne nuit!

2013年7月2日火曜日

ツール・ド・フランス 2013 第1&2ステージまとめ

今年もツールの季節がやってきました!!
一昨日から開幕したツール・ド・フランス。
ジロ同様にこちらで基本的に毎日レースのまとめをやって行こうと思います。
更新はしばらくそっちのまとめの話になりますが、できるだけレースのみならず機材などの話もしていこうと思います。

先ずは第1ステージ

初日から大波乱でした。
今日はそっちの話題が多いので機材の話は明日にでも。
一気に出しちゃうと、ネタ切れになっちゃいますし小出しにしてきます。

第1ステージは序盤に4級山岳があるものの、大したことはありません。
平坦ステージです。
そのためスプリンターのステージになる予定でした。

スタート前のパレードでまさかのスカイのフルームが落車という(幸いかすり傷程度の小さな落車だったようです)
なんだか不安な開幕でした。
スタート直後、5人の選手がアタック。
今日は平坦ステージなので逃げ切りは非常に難しいのですが、彼らの狙いは逃げ切りではありません。
最初の4級山岳です。
最初の山岳で、ここ一つしかないのでここを1位通過すれば、とりあえず明日は山岳賞ジャージを着る事ができます。
そのため、選手たちはかなり必死!
山頂前は、全員見張りあって蛇行しながらチャンスを窺うまるでゴールスプリント。
エウスカルテルのフアンホセ・ロバトが上手いタイミングで最後はまくり上げて山頂をトップ通過。
これでゴールすれば明日は山岳賞ジャージ!
ここの所、あまり良いところが見せれてなかったエウスカルテルには小さなことながら嬉しいジャージです。
そしてそれが済むと、先頭は諦めて集団に吸収されていくかと思いきや・・・

そうでもありませんでした。
5人の中に居たベテラン、ヴァカンソレイユのフアンアントニオ・フレチャが奇策で集団を惑わします!
栗村監督が命名していましたがフレチャ・スペシャルという技?で先頭集団はメイン集団の手のひらで踊らされるどころか、逆にメイン集団をコントロールしてしまうような奇策​でした。
さて、その奇策、フレチャスペシャルとは何なのか?
説明しよう!!
フレチャスペシャルとは先頭を逃げるフレチャが繰り出す技だ! 意図的にペースを落とし、後ろの集団との差を過度につめると集団はまだ捕まえたくない心理から一気にペースが落ちる。 それをうまく利用して、逆にタイム差を広げるのだ!



という、中々トリッキーな作戦です。(昭和仮○ライダー風の説明にしてみましたw)
この奇策のおかげで先頭集団はかき乱されます。
捕まえたくない距離で一気に集団が、先頭に追いつきそうになり、集団がペースを落としたら先頭は逆にペースを上げる。
これを上手くやってタイム差を一時は20秒まで縮めた後に、逆に約4分差まで広げました。
凄い策ですね。思いつくのも凄いですが、これをやるには度胸も要ります。
もし、集団につかまったらここまでの努力が無駄になるのですから…
ただ、このままでは先頭は逃げ切りは無理なので、失うものが無いからこんな大胆な奇策が打てるんでしょう。凄いフレチャ!!

で、そんな奇策で先頭は粘るもののやはり逃げ切りは難しかったようで残り36kmで吸収。
ここからレディオシャックの大ベテランのフォイクとが一気にペースが上がりました。
どうも横風を利用しての集団分断作戦だったようですが、そこまで風は強くなかったようで大きく集団が千切れることはありませんでした。
ここから総合狙いのチームが位置取りのため、前に上がりペースを上げます。
20kmを切るとスプリンターを擁するチームが今度は上がって位置取りを始めました。

しかし、そんな中、今日一番のハプニングが!
何と、ゴール地点にあるヴィッテルのバナーのアーチにオリカ・グリーンエッジのバスが引っかかって衝突してしまうアクシデントが発生。
バスはスタックしてしまい立ち往生してしまいました。
現地では爆発音のようなかなり激しい音があり、テロかと思われるほど一時、騒然としたようです。



こちらから画像を引用させていただきました https://twitter.com/NealKarlinsky/status...54/photo/1
しかも、選手はもう11km程度のところに来てしまっています。
つまり後10分くらいで選手は来てしまう!これは大変だ!
と、とにかくてんやわんや。
一回は、運営がバスが動かないので、ゴール地点を3km手前に変更するとの発表を出しました。
しかし、その3km前の地点は何とロータリーの手前で超危険です。
ここに60km/hを余裕に超える選手たちが突っ込んだら・・・とてもじゃないけど恐ろしすぎます。
心配していたら、今度は何とバスが動き出しました。
そのため、一度はゴール地点変更を発表したはずが、逆に元に戻すとの発表をしました(笑)
もうグダグダ過ぎますw
そんな大混乱の中、集団の中でも情報が錯綜してたようでした。
ゴール手前で、コンマ1秒を争い位置取りをしてる選手たちは情報の整理なんてできないですから当たり前ですが、ゴール地点の変更を聞いた選手、効いていなかった選手、元に​戻ったことを知っていた選手が混在していたようです。
そんな、混乱する集団の中で大規模な落車が発生。
有力スプリンターだけでなく、総合争いやステージ優勝の可能性のある有力選手が軒並み巻き込まれます。
中でも一番不運だったのはオメガファルマの世界選手権TTチャンピオンのトニー・マルティン。
残念ながら、鎖骨骨折で初日リタイアとなってしまいました。
この時期の鎖骨骨折という事は世界選手権は・・・一刻も早い回復をお祈りします。

落車には他にもサガン、カヴやジルベール、コンタドールも巻き込まれた様子。
直接こけなかったものの、他の選手と接触したのかグライペルもメカトラブルで止まってしまいました。
https://twitter.com/relations72/status/3...6805909504
(ちなみに、このときにグライペルは自転車を投げたりせず、片手で支えて立ちながら、静かにチームカーが来るのを待っていました。こういう姿は我々のようなアマチュアには​好印象ですね)

そうなると、最後のスプリントは生き残ったもの同士のサバイバルスプリント!
各チームのアシストたちが必死にゴールを目指します。
普段は、エースのために犠牲になってるアシスト達・・・しかし今日はそうではありません。
犠牲になるだけが仕事ではなく、もしエースがダメなら自分が何とか勝利をもぎ取る。
それもチームに所属するプロレーサーの役目です。
ゴール手前は大混乱。そんな中、カヴのアシストのテルプストラが早がけで仕掛けます。
しかしやはり、早すぎたのか後からきたルーランスに追いつかれてしまいます。
となるとルーランスか!?と思った瞬間。
アルゴスシマノのエーススプリンター、ルセル・キッテルが飛び出します。
昨年は不甲斐無い結果に終わってしまったキッテルですが、世界最高レベルのスプリンターの一人です。
アシストクラスの選手では到底太刀打ちできません。
しっかりとしたタイミングで飛び出したキッテルはしっかりと伸びて見事優勝。
波乱のレースを制しました!

なお、今回は大きなトラブルがあったため、ゴールでの順位は付くもののタイム差は無しのノーゲームになったようです。
そのため、怪我はどうしようもありませんがタイム差は無しのようです。
これだけは良かった・・・

その結果、何とキッテルはマイヨ・ジョーヌ、マイヨ・ヴェール、更にはマイヨ・ブランの三賞を独占するという結果に!
マイヨ・ジョーヌは初日優勝したから当然として、マイヨ・ヴェールに関してはもしサガンやグライペル、カヴが残っていたらこの3人は中間でポイントを稼いだので無理だった​と思いますが、三人は落車の影響でゴールでのポイントが稼げなかったので運よく獲得。
更には今年のマイヨブランは1988年1月1日以降の誕生の人が対象です。
キッテルは1988年5月11日生まれだそうなのでセーフ!
これもラッキーですね。
ステージ優勝+三賞で、一日に4回も表彰台に上がるなんて経験は九死に一生でしょう。
運も実力のうち・・・とまでは言いませんが、勝利を手にしたいなら幸運はともかく、不運だけは避けねばなりません。
今回キッテルは、上手く不運を避けることができて、それで残りは冷静に自分の力で、スプリントで他をねじ伏せ勝利したので、彼の勝利は素晴らしいものです。
とやかく言うのは見当違いってものです。
おめでとうキッテル!!(きっと去年までチームメイトだった土井選手は大喜びしてるはず)

怪我をした選手が心配ですが、ツールは続きます。


 第2ステージでこんな感じです!



第2ステージですが、既に3級と2級の連続するハードなステージです。
各選手の昨日の大落車の影響が心配されます。
なお、昨日はマルティンが鎖骨骨折とお伝えしましたがどうやら、何とか大丈夫だったようでリタイアせずに復帰してました。
それでもかなり腕には激しい裂傷があるようです。
昨日はその状態でゴールできたのでしょうか?
もしかしたらゴール前の落車で、ステージ自体もタイム差無しの特別措置がとられたので、あそこで転んだ選手は自力でゴールできなくてもゴール扱いになった?
よく分かりませんが、何とか走れるようで一安心です。

今日は前半から4人の逃げが決まりました。
AG2Rのカドリ、ベルキンのボーム、ヨーロッパカーのヴェイユ、エウスカルテルのルーベンベレスでした。
途中、ソジャサンのシモンが単独で追いますが追いつけませんでした。
最初のスプリントと山岳はこの4人が消化して行きます。
中間スプリントでは4位以下のポイントを争ってメイン集団でスプリントがありました。
昨日と同じような感じで、順位はグライペル、サガン、カヴの順番で僅かにポイントを稼ぎます。
2つ目の三級山岳では残り74km地点からヴェイユとカドリが飛び出します。
そして、その後、メイン集団からはヴォクレールが飛び出します。
その後先頭は、カドリ単独に少し遅れてヴェイユ、ヴォクレールが追います。
結局カドリ、ヴェイユの順で通過。ヴォクレールは飛び出しましたがポイントは稼げませんでした。
そのまま吸収されていきました。

その後、カドリはチェーン落ちのトラブルなどがありましたが必死に逃げ続けます。
そして2級山岳の手前、61・9km地点から今度はローランが飛び出していきます。
今日はヨーロッパカーは全員でいけるところで行けという指示だったようで積極的に動きます。
その後、ソジャサンのフェイユも追います。
その結果2級はローランが制して、カドリ、フェイユの順に通過しました。

ここからは長いダウンヒルで、少し平坦区間を走ったら最後、3級山岳がありゴールです。
ローランたちは何とか逃げようと飛ばしていきます。
この山岳で上りの苦手なキッテルやカヴなどはしっかりと遅れました。メイン集団から6分くらい既に遅れます。
逆に、サガンやシャヴァネル、ジルベールなどの上れてスプリントもできる選手は何とかくらい付いていったようです。

下りきったら位置取りも始まり一気にペースが上がります。
最後の三級では今度はヨーロッパカーのゴティエと昨日、世界を騒がせたフレチャが飛び出します。
しかしフレチャは付いていけずズルズルと下がり吸収。
ゴティエが踏ん張りますが・・・何とここでフルームが自らアタック!
去年の鉄壁の守りのSKYはどうしたのか?あれはSKYというよりウィギンスの考えだったんですかね。
それとは対照的な走りをするフルームというのも中々面白いですね。
結局、3級はゴティエ、フルームの順で通過。
フルームはその後、一人で行くかと思いきやペースを緩め集団に戻ります。
様子見だったのでしょうか?

そしてゴティエが再び吸収されると、残り7km地点で最後の逃げを狙うアタックがありました。
飛び出したのは、シャヴァネル、フグルサング、フレチャ、ヴァークランス、インサウスティ、モーレの6人でした。
これが非常に良いタイミングで、良い人数が揃い、そして意外と意思も乱れなかったのでメイン集団が中々詰めれません。
結局2kmを切ってもまだ捕まえられません。
そして残り1.8kmでヴァークランスが単独で行きます。
これのタイミングも非常によく、他が反応できませんでした。
集団がすぐそこまで来てますが粘りに粘り、結局それが決め手となって優勝!
精彩を欠くエース、アンディの活躍があまり期待できないのでどうなるか不安なレディオシャックに嬉しい勝利をもたらしました。

そして、そのすぐ後ではのぼりに耐えたスプリンター系の選手たちが2位以下のポイントを狙ってスプリントです。
クヴィアトコフスキーが良いスプリントを見せますが、サガンも生き残っていたので僅かに及ばず、サガン、クヴィアトコフスキー、チモライの順にゴールでした。

が、そんな中我々日本人には嬉しいことがありました。
何と、最後の集団のスプリントに新城も参加していたのです!

引用元:https://twitter.com/snobbish_tky/status/...56/photo/1
一番左端の白いナショナルチャンピオンジャージが新城選手です。
結果は12位でしたがツールのスプリントに残って争ってるだけでも凄いことです。
そして、それができるということはスプリント能力もそこそこはあるということ。
上手く逃げれば、その逃げ集団の中のスプリントを制する可能性が十分にあります。
いやー本当に今年のツールは楽しみですね。
もし新城が優勝なんかしたら私、次の日仕事休んで祝杯挙げちゃいますよw
ヨーロッパカーもエースのローランを守る仕事はしっかりさせますが、チャンスがあれば動かせてもらえるようなので期待できそうです。

では、今日はここまで!Bonne nuit!

2013年6月25日火曜日

久しぶりの更新 最近の練習

どうもお久しぶりです。
最近は更新が滞っていて申し訳ないです・・・
練習こそはしてるものの、超ロングをやったりしているわけではなく
ひたすら峠アタックをしています。
それと雨の日は三本ローラー。
とにかく、練習時間距離は短くなろうと、集中して強度を上げることを心がけています。

しかし、どうやらそれが祟ったのか昨日あたりから膝と股関節に痛みが・・・
膝の痛みは、膝周りの筋肉が筋肉痛になっていたのでそれの痛みを勘違いしてるんだろうと推測。
実際、今日には殆ど消えてました。
しかし股関節はまだ少し違和感があります。
というのも股関節はずっと違和感があるのですが・・・
一昨年に事故で怪我をしてから骨盤が曲がってしまったのか、ずっと股関節に違和感があります。
右脚の股関節だけ動かしてるとたまにゴリッゴリッっと音がします。
今痛くなっているのも右脚の股関節です。
ストレッチなどはしているのですが、治る気配はありません。
一度、整体などを受けてみようか?と考えるものの、調べてみると整体自体は医療行為ではなく、国家資格があるわけでもないようで、質にバラつきが多いようです。
場合によっては整体に行って身体を痛めてしまうケースも・・・
もう既に背骨を折った身ですから、これ以上身体に何かがあっては困ります。
なので評判を調べたいものの信頼できそうなソースというのが乏しい・・・
何かいい方法は無いものか?
とりあえず、しらばらく休みながらストレッチなどをし続けて見ます。

では、今日はここまで。

2013年6月24日月曜日

新城幸也選手!ツール・ド・・フランス 2013出場決定!!

しばらく放置してて申し訳ない・・・が、今日はごめんなさいそっちの話はまた今度!


新城選手がツールのメンバーに選出されたようです!!

新城の名前がツールのスタートリストに並ぶ!!
今年のツール・ド・フランスは記念すべき第100回で、所属するチームはフランスのチームなので1人でも多くのフランス人を出したいという風にチームもスポンサーも考えてたはず!
それなのに選ばれるというのはどれほどの評価を受けているのか、それはもうね!
今年はツール・デュ・リムザンで総合優勝も果たしてる。
逃げるチャンスまで与えてもらえるか分からないが頑張れ新城!!

http://www.procyclingstats.com/mob/race.php?id=113678&c=5
 

2013年6月16日日曜日

CB名無し2013年上半期ベスト・レビューワー賞 スーパーレビュワー賞を頂きました

本日、 CBNのBRAが発表になりました!

CB名無し2013年上半期ベスト・レビューワー発表!

そして、今回は主要三賞は逃しましたがスーパーレビュアー賞を頂きました。
対象になったレビューはこちら

 Time Xpresso12 Titan/Carbon by TORIAL

 しかし、今期のBRAは激戦でした。
総合優勝をされた LZPT2IBさん はもちろん 、キャノンボーラーのbaruさん 、akkaさん
  Lifecycleさんの小径車の分野の貴重なレビューなど凄い方がどんどん参加されました。
私も、もっと良い、そして役に立つような、そして面白いレビューが書ける様に精進します。

なにはともあれ、総合優勝されたLZPT2BIさんおめでとうございます!

2013年6月8日土曜日

フルカーボンサドルを1年使って・・・


 


まだ完全に1年ではありませんが、カーボンサドルを使い始めてほぼ1年が経ちました。


それまでサドルにはかなり悩んでいましたが、このサドルが奇跡的に私のお尻にマッチしたのでヒルクライムやレースだけでなく、普段の練習から300km超のロングライドまで全てこれでこなしてきました。


表面がツルツルなのでこのように廃チューブを貼って、一部だけグリップするようにしてます。





 これでこのサドルに不満はほぼありません。
というか満足してます。
形が合っていて、ゲル入りのレーパンのおかげもあり坐骨の痛みはありません。
会陰部の痛みも、角度調整をしっかりすることで殆どなくなりました。
以前では溝か穴あきでないと、会陰部の痛みは解決しにくいと思っていたのですが・・・
ちゃんと合えばそんな事ないんですね。
普段ではこのサドル以外を使う気が起きません。

しかし、やはりクッションも無く、ベースもレールも硬いカチカチのサドルなのでロングライドで何回か使った結果問題があることに気がつきました。
形が合ってるのでお尻の痛みは大丈夫なのですが、硬さから来る衝撃がモロに身体に伝えられるので200km以上連続で走ると股関節や腰にダメージがあることに気がつきました。
特に股関節へのダメージはかなりきます。
先日の300kmでは最後は痛みでペダルが回せないくらいになってしまいました。
形が合っていれば、クッションなどは関係ないと思っていたのですが、それはお尻の痛みだけを考えたという限定的な場合のみのようです。
クッションにせよベースのしなりにせよある程度はやはり衝撃を吸収してくれないと、超長距離はきついようです・・・
まぁ普通の人はこのサドルでロングライドなんか絶対にしないでしょうけど()

なので実は新しいサドルを買いました。
色々情報を集めた結果、このフルカーボンサドルはどうやらセラサンマルコのアスピデを模したもののようです。
なのでアスピデを仕入れました。

埋め込み画像への固定リンク

 ただ、合わせる良いシートポストが無いのでまだつけれていません。
セットバックが20~30mmくらいで、軽くて、無段階(もしくはかなり細かく)に角度調整ができるカーボンシートポストを探しています。
ただ、予算の都合から中々良い物がありません。
3TのDoricoが欲しいのですが、ホイールのための貯金が厳しいのでどうしたものか・・・
このサドルを試すのはしばらく先になってしまいそうです。

とりあえず、フルカーボンサドルは超ロングライドでなければ問題ないと思います。
もちろん、自分に合ってること前提ですが、カチカチだからといって全くロングができないかというとそうでもありません。
耐久性も落車してぶつけたりしたら流石に壊れると思いますが、1年間ずっと使用して問題はありませんでした。
私の手に入れたものは5000円ですから、今年もう1年持てば十分すぎます。
しかし、ダメになる気配はないのでまだまだ使えそうです。
壊れたときのためにストックでもう一個くらいは買っときたいですね。

では、今日はここまで。

2013年6月7日金曜日

大山OP トレーニング

遅ればせながら、大山OPの報告です。
大山に6月1日と2日に行って来ました。
大学の後輩たちと6kmのヒルクライムをやりました。
去年はまさかの優勝だったのですが・・・
今年は3位でした。

去年よりも良いタイムで走れたのですが、完敗でした。
1人は負けるだろうな~って思ってたやつが居たのですが、伏兵がいました。
どちらも去年に比べると物凄く速くなってて驚きました。
完全に別人です。
現時点で、私が一番調子が良かった頃のパフォーマンスと同等の走りをしています。
そうなれば、夏にはもっと早くなってる可能性が高いです。
このままではTTでもボロ負けしちゃうでしょう・・・

ということで、今まで以上にしっかりトレーニングしなければいけません。
もう、ただ乗るだけ、ただ追い込むだけでは勝てそうにありません。
なのでしっかり出力も見てワットトレーニングをしていこうと思います。
ただ、私はSRMもパワータップも持っていません。
できることはトレーニング台の出力換算表を使ってトレーニングしたり、日々の練習で峠をアタックした結果から出力を計算したりすることしかできません。
ですが、これでも十分やれると思います。
特に固定ローラーの上でやれば、身体を痛めつけることに関しては最高です。
とてもきついですけど・・・

また、パワートレーニングのためにもスプロケットを25-13Tから23-12Tに変更しました。
これで、峠もしっかり回せるようにやってるのですが身体への負荷が一気に増えます。
本当はインナーも34Tから36Tに上げたいのですが、それはまだやらない方が良さそうです。
時間をかけて慣らしながらでないと故障してしまいそうです。

そしてそんなキツイトレーニングを始めたもんだから早速疲れが溜まってます。
今日は仕事が休みだったので走りこもうと思ったのですが、最初の峠を走ってる時点で明らかに疲労が溜まってて、パフォーマンスが落ちてることに気がつきました。
このまま続ければ、それはオーバーワークになってしまい、身体を壊してしまいます。
身体を壊してはトレーニングはもちろん、仕事にも影響しますからここは無理をせず身体を休める方向へシフト。
ということで今日は峠を1つアタックした後はゆっくりとサイクリングを楽しみ、帰ってきてからは水風呂でゆったり過ごしました。

60kmをAve21.1km/hという、ゆったりとした練習になりました。
明日も脚の調子次第ではもう少し休んだ方が良さそうです。
それでも3本には1時間くらいは乗るとは思いますが、無理はしないようにします。
一番近い次のレースは飯南ヒルクライムです。
飯南自体は狙ってるものではありませんが、しっかりパフォーマンスを上げて行こうと思います。
では、今日はここまで。

2013年6月4日火曜日

レビュー残りとジロ・デ・イタリア 2013 第21ステージ まとめ

更新が開いてしまいましたすみません・・・
レビュー書いたり、録り溜めてたジロ見てまとめたり、大山でレースしてきたり・・・
大山のほうはまた明日でも書きます。

まずはレビュー。
最後怒涛の投稿ラッシュでした。

ナフコ パーツクリーナー

[流用] GENTOS SG-325

saitoimport.com 3Dパッドレーサーパンツ 


ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス 80g

ELITE VIP bottlecage clips

三ヶ島(MKS) Aero Bell(エアロベル)

今期は手術で乗れない期間がある上に、雪や怪我の影響で更に乗れなくなり、あまりレビューがかけませんでした。
来期は沢山書きたいと思っても金銭的な部分やレースに向けてトレーニングを増やすので書けるかどうか・・・
数は書けなくとも、1つ1つのクオリティをあげれるように頑張ります。

そして、最後書き残してたジロ12ステージまとめ!
今更ですが書きます。

 21ステージはド平坦な197km。
このような平坦ステージでは普通の場合でも大きなタイム差がつきません。
ということは最終日である程度大きなタイム差がついている場合は、逆転は不可能といっても過言ではないくらい確率が低くなります。
そのため、全員基本的に勝負は無しでパレード的な走行になります。

今日はそのようなことになるので非常に穏やかでした。
平均時速も36km/h程度とゆったりと進んでいきます。
ニバリも今日はパンツまでローザカラーに。チームメイトも全員、バーテープをローザカラーにしてきてました。
途中、アンドローニジョカットリのチームカーの中には何故かピザの箱が大量に積まれていました。
そしてそのピザを他のチームカーのところまで行って1つずつ配っていってましたw
アンドローニジョカットリはプロコンチなので他より格下のチームです。
まるで
「今日はうちの選手が頑張るから、最終日なんだし見逃してよ!これあげるから!」
といって賄賂代わりにピザを配ってるようでしたw
まぁ実際はお互いにここまで頑張ってきたのを労らってという事だとは思います。
選手たちがリラックスしてるように、スタッフも楽しくやってるようでチームカーの中で和気藹々とピザを分け合ってました。

と楽しくやってるところもあるのですが、完全に楽しいめないチームがあります。
それがオメガファルマでした。
カヴェンディッシュが一応スプリント賞ジャージを着てるのですが、実際はポイントは1位ではなく、1位はニバリでローザを既に着てるので繰り下がってきているだけです。
そのため、今日ポイントを逆転しないとジャージは手に入りません。
しかも、カヴは去年最終日に1pt差であと一歩のところでジャージを逃してしまいました。
そのため、カヴはなんとしても勝たなければなりません。
みんなは楽しそうにしてるのにこのチームだけは・・・
可哀想です。
今日は2つ中間スプリントポイントが設定されてました。
この2つを1位通過してニバリが動かなければ一応、ポイントは逆転できます。
しかし、もしニバリが最終スプリントや中間でポイントを稼いできた場合は難しくなります。
なので何とか1位でいきたい。
第1中間は問題なく1位で獲ります。
しかしちょっと面白かった第2スプリント前。
ここは周回コースの途中に設定されてました。
第2ポイントをなんとしても獲りたいカヴとオメガの選手は集団の前に出てきて引いていきます。
そんな中、集団から選手が飛び出しました。
しかも中間ポイントが設定されてる地点の手前です。
カヴは一瞬と惑いますが、慌てて追います。
何とか捕まえ、しっかりもがいて1位通過しますが・・・
実はまだ中間スプリントが設定されてる周回ではありませんでしたw
なので選手がアタックしたとき、カヴは一瞬ためらったんですね。
「あれ?中間ってこの周だっけ!?」
ってなったんだと思います。
しかし、それで迷っててポイントを逃すのは一番良くないのでチームメイトが
「知らねぇ!わからねぇけどとりあえず行ってこい!ポイント失うのは駄目だろ!」
と背中を押してカヴを追わせていきました。
で、結果は無駄足になります。
また、飛び出した選手もちょっとは逃がしてもらえるかと思いきや相手の勘違いで直ぐに捕まってしまいました。
そんなこともあるんですね。
しかしその程度でカヴは諦めるわけにいかないのでちゃんと次は中間を獲ります。
この時点でポイントは逆転しました。

ですが、このままで安心していてもし、ニバリがカヴより上の順位でゴールしてポイントを稼いだ場合はまた逆転してしまうかもしれません。
なのでえ最後まで気は抜きません。

ここまでオメガはいろいろ仕事がありましたが、カヴを勝たせるまでが仕事なのでしっかり引っ張っていきます。
しかし、他のチームも当然ステージ勝利は欲しいので最後だけ出てきます。
キャノンデールやグリーンエッジ、アルゴスシマノなどのスプリンター系のチームが出てきます。
最後はコースが狭く、更に石畳と直角カーブ非常にテクニカルなので位置取りも激しくなります。
最初はオメガが支配してましたが、途中からキャノンデールのトレインがかぶせてきます。
オメガも何とか粘りますが、ここまで仕事をしてきたのでアシストは散り散りになってしまいました。
それでもカヴは諦めません。
辛抱強く位置をキープしながらアシストは1人になってしまいましたが、逆に被せてきたキャノンデールのトレインを利用します。
そしてゴール前、キャノンデールがヴィヴィアーニを発射しますがその後ろで少しずれたラインにオメガのアシストが位置して牽引し、最後カヴを発射します。
あっという間に先頭に出たと思ったら、もう他を寄せ付けません。
最後の最後まで、力尽きることなくもがき、ゴール!
ステージ勝利と、念願のジャージを手に入れました!
Congratulazioni, Mark.Cavendish!

去年のようなことにならなくて良かった。
ローザを持ってるニバリだったから逃してもらえましたが、もしエヴァンスが好調で、力及ばずローザは取れなかったけど、ポイント2位だったら・・・
運も良かったですね。

ニバリやベタンクール、ピラッジィなどもしっかりゴール。
長かったジロ・デ・イタリアもこれにて終了!
マリアローザはニバリ。
マリアロッソパッショーネはカヴ。
マリアアッズーラはピラッジィ。
マリアビアンカはベタンクール。
という結果になりました。
マリアローザはエヴァンス以外の有力選手はどんどん崩れていき、ステージが進むにつれニバリの優勝が近づいていきました。
そして最後の20ステージでのあの走り。
他を圧倒して、自身がチャンピオンであることをしっかり示しました。
ツールは今回出ないとの話ですが・・・なんだか惜しいですね。
でも、これだけの走りを見せてくれるということはこのジロの優勝だけでは終わりそうにないですね。
接戦というわけではありませんでしたが、非常に面白い戦いでした。

パッショーネはまたカヴは最終日にジャージを失うという悪夢の再来も危ぶまれましたが、現在最強と名高いスプリンターはそんなもの吹き飛ばしてくれました。
また運も良かったですね。本当に。
山岳ステージで、峠がカットになったり超級山岳の19ステージは中止になりました。
もしあれがあって、タイムアウトになってポイント剥奪などがあったら・・・
悪夢の再来があったかもしれません。
しかし、今回のカヴは結構上りも頑張ってました。
勝つだけでなく、ポイントをしっかり守るということを意識してのことだと思いますがそのおかげでますます他の選手は勝てなくなりそうです。
生涯でいったい何勝してしまんでしょうね。

アッズーラのピラッジィも非常に良い走りでした。
ジャージが確定しても、ニバリのようにしっかりとアピールする走りも魅せてくれましたし、ヴァルディアーニというプロコンチ所属の選手の活躍ということで非常に応援したく​なりました。
思い出せば去年のヴォクレールと同じですね。ヨーロッパカーもプロコンチなのにジャージ獲得しましたし。
ピラッジィ本人も、ヴァルディアーニのチームも今後が楽しみです。

そして他と違って、逆に接戦になったのはマリア・ビアンカ。
人によってはこっちの方が総合より面白かったのではないでしょうか?
最後までマイカとベタンクールが争いました。
お互いを見張って、ときには攻撃をしかけとにかく激しく争ってくれました。
しかし、雪降る20ステージでニバリにくらいついていけたベタンクールがマイカを引き離して勝ちました。
あのステージではこのベタンクール以外にデュアルテとウランというコロンビア人がとにかく活躍してくれました。
将来的にコロンビア人が総合を脅かしていく未来がくるのでしょうか?
今後に期待です。

ということで、長かったジロも終わり!!
私も疲れた!(笑)
練習して、レース見て、まとめて、レビューも準備して・・・というのはちょっと無謀でしたw
次のツールは・・・そのときの乗りでやります。
もうぐだぐだ書くのもアレなので終わり!

では、今日はここまで!

2013年5月31日金曜日

2013年5月30日木曜日

レースまとめまもうちょっと待って下さい レビュー投稿

すみません、レースまとめのほうはもうちょっと待って下さい。
上半期のBRAの締め切りが近いので、レビュー投稿に集中します。

とりあえず2つ投稿しました。


[Cycling Courses] メガポテト峠 

自作 ハンドルマウントテーブル 

明日以降も連続投稿します。
では、今日はここまで。

2013年5月26日日曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第20ステージ まとめ

昨日はは第19ステージ、距離は139kmですが獲得標高はなんと4267m!
ガヴィア、ステルビオ峠を越えるクイーンステージです!
そのはずだったのですが・・・・
なんとジロ・デ・イタリア第19ステージは悪天候のため中止となりました。
悪天候だということは分かってたので峠をキャンセルする予定だったのですが、それでも駄目なくらいの悪天候。
どうやら山頂以外でも雪が降ったりしてるようです。
ちなみに峠の上はマイナス10度だそうです・・・そりゃ無理だ。
そのため、1つステージが消えて、今日の20ステージへ


今日は実質的には最終ステージといっても良い、第20ステージ。
最終日はパレード走行がメインになるので、勝負は殆ど今日で決着がつきます。
本当は5つ峠を越える最難関ステージのはずでしたが、悪天候のため一部コースが変更され、前半3つの峠が迂回され、最後の2つの山岳だけ上るようになりました。
そのため少しだけ距離も延長され210kmに・・・
それでも現地は相変わらず悪天候で、山頂付近は雪が積もり吹雪になる劇的なレースになりました。

レースのほうに参りましょう
序盤、30km地点で4人の選手の逃げが決まりました。
ハンセン、ポポヴィッチ、ブルット、エレメンティが逃げます。
メイン集団のほうはアスタナがメインでコントロールしますが、未だ目立った活躍のできてないエウスカルテルも少し加わって進んできます。
しかし、この後の山が悪天候で、雪があることが分かっているので目立った動きはありません。
後の過酷な状況に備えて補給をしっかり行ったり、防寒着を用意したりとアシストは忙しそうでした。

今回は途中に2ヶ所スプリントポイントが設定されてます。
逃げとのタイム差がかなりついていたので、4位までは潰されます。
しかし5位に2pt、6位に1ptが設定されてます。
カヴはエヴァンスとのポイント差が少ないのでここで少しでも稼いでおきたいところ。
そのためスプリントポイント前では前まで上がってきて睨みを利かせますが・・・
何故か第1スプリントポイントでヴィーニファンティーニの選手が前に出てきてスプリントを開始します。
慌ててカヴは踏んで5位になり2pt稼ぎましたが、かなり危うい差でした。
ヴィーニファンティーニの選手が出てくる理由はありませんのでカヴは無茶苦茶文句を言ってました。何で出てきたんでしょう?
あまり意味の無いポイントを取って、怒りモードのカヴから怒られるだけのお仕事・・・は、やりたくないですよ?
そのため第2のスプリントポイントではそれまで以上に睨みを利かせます。
幸いにも、今度は空気を読まないで出てくる選手は居なかったのでなんとか平和に終わります。ここでも2pt確保。
ここでカヴとしては仕事はほぼ終了。後はタイムアウトにならないようにゴールするだけです。

そして後ろがスプリントポイントで少しゴタゴタしてる間に先頭では少し動きがありました。
第2スプリント前でポポヴィッチが少し前に飛び出し1位通過していきます。
その後も逃げようとしますが、結局再び合流。
ここからハンセンとブルットがペースを上げていき、仕掛けたポポヴィッチは遅れていきます。また同時にエレメンティも脱落。
先頭で逃げが少なくなる中、後のメイン集団もカヴがポイントを取ったのであまり気にする必要はなくなったのでペースが上がり始めます。
そんな中、まさかのベタンクールがパンク。
メイン集団から1分程度遅れてしまいます。アシストを使って必死に追います。

残り18km、先頭とのタイム差が縮まるなか、メイン集団からウェーニングがアタック!
また、少し遅れて山岳賞ジャージのピラッジィとコロンビアのアタプナもアタック。
ピラッジィは既に山岳賞は確定してるほどポイントを持っていますが、最後までしっかり走ります。こういった、最後まで手を抜かず走る姿は素晴らしいですね。
戦略的には全く不必要で、無駄な消耗をするだけなのですがそうやって走ってくれると選手というのは大きな尊敬を集めると思います。
今はプロコンチ所属ですが、今後羽ばたいていきそうですね。
ピラッジィやアタプナがウェーニングとブルットを追う中、ベタンクールは何とかメイン集団に復帰しました。

先頭からはハンセンも遅れていき、ブルット単独に。
そのハンセンをウェーニングが抜いていきます。
先頭はブルット、1分6秒でウェーニングが続き、アタプナとピラッジィは1分29秒。
メインは1分38秒のタイム差で残り15kmとなりました。
メインではまだ動きはありませんが、ここでまたベタンクールがバイク交換。先ほどのパンクで何かあったのか?
程なく復帰しますが、また少し脚を使いました。

ウェーニングが好調な走りを見せてブルットに迫り、タイム差を20秒程度まで縮めますが山2級山頂までに捉えることはできず、ブルットが1位通過、2位がウェーニングとな​りました。
そしてメイン集団が来ますが、ピラッジィがまたアタック。
たとえ3位でもしっかりと自分が山岳賞ジャージを着ていることをアピールする走りを見せます。
そしてウェーニングとブルットピラッジィは合流していきます。

メイン集団は淡々と上りますが、次はカペッキがアタック。
追走に追いつき、残りは9kmでが28秒、メイン集団は43秒まで縮まります。
しかし、カペッキでペースが上がったのか追走からはピラッジィ、アタプナが遅れていきます。
追走はその後遅れ始めたブルットに追いつき、そのままカペッキは単独でアタック。
ウェーニングが追います。

カペッキが好調に走りブルットを抜いていきます。
そして後方ではピラッジィ達が吸収・・・されると思いきやまたアタプナがアタックし、何故かまたピラッジィも反応。
何がしたいのか今一分かりません。一度は遅れてたので多少のリードを奪いますが少ししたらやっぱり吸収されていきました。

残り3.3km、カペッキ先頭でウェーニングが追い、その後にメイン集団になります。
しかしカペッキもウェーニングもメイン集団がペースを迫ってきます。
そろそろ動きがあるか・・・そう思われたときでした。
最初、新人賞を争うベタンクールとマイカが少し争う素振りを見せましたが決まらないと、なんとマリア・ローザのニバリ自らアタック!
ニバリは十分なタイム差があり守れば良いだけのはずですが、自ら動きマリア・ローザを絶対的なものにしようとします。
アシストのカンゲルトを発射台にしての鋭いアタック。
他の選手は反応が遅れてしまいます。
何とかベタンクール、マイカ、ウランが反応しますが、エヴァンスやスカルポーニは遅れます。
ウェーニングはあっという間に抜き去ります。
ベタンクール、マイカ、ウランは必死にくらいつきますがニバリは止まりません。
カペッキも抜くと更にペースを上げます。
これには誰もついていけません。
吹雪の雪山を下ハンを握るパンターニスタイルのクライムで駆け上がっていきます。

少し遅れたエヴァンスに少し遅れてたマイカがついてきて少しずつウランとベタンクールに近づきます。
それをみてベタンクールがペースを上げ、ウランも同調します。
エヴァンスとマイカはここまで、じわじわ遅れ始めます。

ニバリは残り1km、タイム差は既に32秒もついていました。
ウラン達がペースを上げる中、後からコロンビアの選手が飛び出してきてなんと合流します。
合流したのはデュアルテ。この3人はチームは違いますが、全員コロンビア人。
総合3位ウランは総合2位エヴァンスに対する攻撃、ベタンクールは新人賞、デュアルテは・・・協力する代わりに2位?それとも同郷だからの手伝うだけ?
良く分かりませんが、三人は協調して上っていきます。
エヴァンスはどんどん遅れていきます。順位が逆転のみならず表彰台すら危うくなってしまうので最後まで踏みますが、上れません。

吹雪でろくに視界もない中、自らの勝利が確定してるのに、アタック。
王者の威厳を示すための走りとしてはアタックだけでも十分ですが、それだけにとどまらず、独走し圧倒的な力を見せてゴールにやってきます
アスタナのヴィンチェンツォ・ニーバリ。
誰もが王者と認める走りで、この劇的な悪天候のレースを征し、自らの勝利を自ら祝福!
圧勝でした!
Congratulazioni, Vincenzo Nibali!

そして遅れること17秒でデュアルテ、19秒ウラン、21秒ベタンクールでゴール。
そこから後は20秒以上の差をつけます。
その結果、ウランは2位に浮上、ベタンクールは新人賞確定!

エヴァンスは表彰台が危ぶまれましたが、スカルポーニも遅れたため3位に後退したものの何とか死守。

長かったジロ・デ・イタリアも終わりが見えてきました。
戻ってくるアシストの選手たちも安堵の表情を浮かべます。


しかし、そんな中で晴れ晴れしないのはスプリント賞ジャージを持っていたカヴエンディッシュ。
タイムアウトにならずにゴールしますが、今日ニバリが優勝してしまったことによりスプリントポイント3位だったニバリに何とポイントを逆転されてしまいました。
ポイント差は11pt。
明日も中間スプリントがあり、ゴールでもポイントがあるのでしっかり稼げば問題ないのですが、彼とオメガのアシストたちはどうやら延長戦が待ってるようです・・・
気の毒ですがこればっかりはどうしようもありませんね。
去年は最後にロドリゲスにジャージを獲られたので、今年は何としても獲って欲しいです。
明日のカヴはみんな近づけないようなオーラを放つのではないでしょうか?

明日の最終ステージが楽しみですね。
パレードだけでなく、ちゃんとレースが見れそうです。
なお、明日の最終ステージですが残念ながら私は見れません。
また、300kmのロングを走りに行くので早めに就寝します。
なのでまとめもできません。
まぁ明日はカヴのことだけなのでそれほど必要ないかもしれません。
一応、明後日あたりに全体のまとめとか雑感など書くと思います。
よろしくお願いします。
では、今日はここまで。

2013年5月24日金曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第18ステージ まとめ

今日は第18ステージ、20.6kmの山岳TT!
しかし明日から超級山岳ステージが控えてることもあって狙ってない選手たちはタイムアウトにならない範囲でゆっくり流して上っていきます。
しかし、流して、息も上がらない強度で走ってAve.23km/hとかになってるんですけど・・・
さすがトッププロは恐ろしい。

レースの方は前述の通り狙わない選手たちが最初は大勢なのでゆったりしていました。
しかし、チーム総合を狙うチームの選手たちは何名かがしっかり走ります。
今日は山岳TTという事もあって機材はあまりTTバイクを使っていませんでした。
殆どがノーマルバイクでした。
ただノーマルバイクでも、軽量フレームよりエアロロードを使っていてハンドルにクリップオンバーをつけてる選手が大半でした。
リム高は選手によってまちまちです。記録を狙うような選手でもロープロファイルを使っている選手が居たり様々です。
ディスクを履いてる人は居なかったはず・・・

そんな中、やらかしたのは山岳賞ジャージを着てるピラッジィでした。
何と、スタート時刻を間違えてしまったようで時間になってもスタート台に現れませんでしたw
結果、数分遅刻してスタートしていきました。
幸い、タイムアウトにならずにすんだようですが、間違えたことを知ったとき目の前が真っ白になりそうですね・・・

そんなトラブルもある中、まず良いタイムを出したのがカタルドでした。
その時点で暫定1位はカペッキでしたが、カタルドはそれを45秒上回る46分10秒でゴール!
喜ぶカタルド!しかしその喜びは一瞬で打ち砕かれました。
その直後にやってきたクレメントが5秒更新しました。
ここから、実力のある上位の選手たちがどんどんスタートしますからタイムも更新されていく可能性が高くなります。
今回大活躍のコロンビアからはデュアルテがゴール前で嘔吐しながらも走りきる気合の走りで暫定三位に飛び込みます。
その後ディルーカが来て、デュアルテを抜いて暫定3位になりますがその後が凄かった。
カルーゾが非常に良い走りをして、ついに46分の壁をぶち破り45分49秒でゴール。Aveは約27km/hでした。使ったバイクは完全にノーマルのバイクでクリップオンバーすらつけていませんでした。本当に凄いですねぇ・・・
この46分破りのタイムが壁になるか?と思われましたが、ここからの選手はまた1段違いました。
そんな中非常に良いタイムを出したのがS・サンチェスでした。
今日見た中では唯一?楕円チェーンリングを使ってました。
終始良いペースで走り、暫定1位、45分27秒でゴール。なんと27秒上回りました。
このタイムが非常に強力で、その後の選手たちも中々抜けません。

そしてついに総合優勝を争う選手たちがスタートしていきました。
総合とはまた別の新人賞ジャージを争うベタンクールとマイカの戦いも白熱します。
どちらも非常に良い走りをしましたがマイカが10秒ほどベタンクールを上回り、再びマリア・ビアンカを奪取しました。
しかし結局順位が入れ替わっただけでタイム差は5秒のまま。新人賞はどうなるかまだ分かりません。


現在総合4位のスカルポーニは中間で非常に良いタイムを出し暫定トップになりますが、最後少し失速してしまい45分50秒でゴール。
現在3位のウランと2位のエヴァンスは中間では振るいません。
ウランは中間で48秒遅れ、エヴァンスにいたっては1分も遅れてしまいました。
後半の選手がどんどん遅れるので風向きが変わったかと思いましたがそんな事はありませんでした。
エヴァンスの後に来たニバリが何と、中間で1位のタイムを記録したスカルポーニより既に30秒も速いタイムを記録します。

エヴァンスとウランは非常に厳しい戦いを強いられます。
しかしウランは後半何とか持ち直し45分55秒の暫定4位でゴール。
4位のスカルポーニとのタイム差は5秒に押さえて表彰台は守りました。
一方でエヴァンスは後半になってもどんどん遅れていきます。
本人も分かっているからか、焦っているのかダンシングを多用する場面が目立ちました。
一方で、安定して恐ろしい速度で走り続けるニバリ。
何とゴール1km手前あたりでのエヴァンスとニバリのタイム差は30秒程度となってしまい。エヴァンスはニバリより3分早くスタートしたはずなのに追いつかれてしまいそう​になります。
ニバリからは前方にもしかしたらエヴァンスの併走車や審判車が見えていたかもしれません。
最後は更にペースを上げ、本当に追いついてしまうような、獲って喰ってやろうかというような恐ろしい勢いで駆け上がっていきます。
エヴァンスは何とかニバリに追いつかれはしなかったものの大失速し、暫定24位という結果に終わってしまいます。
そして、その直後に勢いの止まらないニバリが戻ってきました。
この時点でトップはまだS・サンチェスの45分27秒。2位のカルーゾにすら22秒も上回る好タイムです。
しかし、ニバリは違いました。ゴールして当然1位でタイムは何と44分29秒と58秒も上回り、たった一人45分の壁をぶち破り、44分台前半というタイムを記録しました​。
結果として、総合争いはとんでもないほどの差がついてしまいました。
トップはニバリで、エヴァンスが2位ですが4分2秒遅れて、ウランは4分12秒遅れ。
僅かにつめたスカルポーニが5分14秒遅れ。
正直2位以下は優勝に関してはもう赤信号に近くなってます。この勢いのニバリを止めるのは通常では無理でしょう。
しかし、2位から4位はまだ混戦です。
特にエヴァンスとウランはたった10秒差です。そうなると表彰台と、表彰台の位置争いが今後過激になりそうです。
普通に考えてこのままニバリを倒すよりか、調子の悪いエヴァンスを倒す方が理に適ってますから。

明日はクイーンステージ、超級山岳です。
正直、今日はエヴァンスがニバリに対して肉薄し、明日の決戦が見たかったのですが・・・
違った展開になりました。
しかし、これはこれで面白いですね。
新人賞のほうは相変わらず接戦ですし。
では、今日はここまで。

2013年5月23日木曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第17ステージ まとめ

今日は第17ステージです!
214kmで平坦なスプリントステージですが、やっぱり最後のゴール手前に山岳が設定されてます(笑)
しかも、例によって例の如く4級設定なのにそれ以上の難易度がありそうな山というw
ジロはスプリンターに何をさせたいのか分かりませんね。
山岳の途中や越えて下った直後にスプリントポイントが設定されたりしてますから。
まぁそれは置いておきましょう。

レースは4人の選手が逃げ出し、それを集団が追うという構図になりました。
メンバーはルビアーノ、ベルコフ、ドックス、ダーブリッジの4人。
しかしながらどちらもそこまでやる気が無いのか、割と落ち着いて進みます。
最初は3分程度でしたが80km地点では5分程度に広がります。
しかし、集団的には十分捕まえられる距離なのでこのままずっと泳がせていました。
基本的には大きな展開はありませんでした。
途中にある2つのスプリントポイントは逃げているベルコフがどちらも1位で通過。
4位までは先頭に潰されますが5位以下に僅かなポイントがつきます。
このポイントを求めてカヴェンディッシュが集団では前に出てきてにらみを利かせてどちらも5位で通過。
稼いだポイントは両方あわせて僅か4ptですが、これをとっても2位のエヴァンスとはまだ10pt差です。
ジロは前述の通り変なところにスプリントポイントが設定されているので、エヴァンスが後半に総合を求めて良い走りをすると、ついでにポイントを獲得してしまい、ジャージを​奪われる可能性があります。
去年はそれをホアキン・ロドリゲスにやられてカヴはジャージを逃しました。
なので稼げるところは僅かでも稼いでおく方針なんでしょう。

スプリントポイントを過ぎると集団はペースをどんどん上げます。
35km地点でタイム差は1分50秒まで縮まりました。
しかしここから一気に道が狭くなります。
集団の後方では詰まってしまい停止してしまう選手も。
逃げていた選手の中でベルコフは見切りをつけたのかボトルを併走車から貰ってジャージに詰め込むと下がっていきました。
最後の山岳の手前の丘は何とかクリアしますが、ヴィーニファンティーニが強力な引きを見せてタイム差はどんどん縮まります。
そしてペースの上がった集団からプローニとディルーカが飛び出します。
プローニに少しアシストしてもらいその後、ディルーカが飛び出します。
先頭ではそれを察知してかルビアーノが飛び出します。
ドックスが遅れ、ダーブリッジも粘りますが遅れていきます。
ディルーカは遅れた2人をかわし、ルビアーノと合流します。
しかしここで、集団がすぐそこまで迫ってました。
そんな中、19.5km地点で今度はヴィスコンティが飛び出します。
この飛び出しはかなりの勢いがありました。
すぐにディルーカたちと合流しますが、そのまま山頂を目指してペースを上げます。
ルビアーノは粘りますが、ついていけないディルーカはずるずる下がり、集団につかまりました。
そのままいったヴィスコンティは山頂を取ると、ダウンヒルに入ります。
このダウンヒルがかなり道が狭く、ヘアピンなどもあり非常にテクニカルです。
30秒程度の差が生まれましたが、集団はこの危険な下りではペースが上がらずタイム差は縮まりません。
下りきると残り9km。
ここから集団は追い上げたいのですが、意思の統一ができません。
4級手前の丘では何とか粘っていたカヴですが、4級の上りでは遅れてしまいました。
しかもカヴだけでなく、有力なスプリンターが全員潰されました。
そうなると集団を強力に牽引するスプリンター系チームも居ませんし、残った選手に勝利のチャンスが生まれるもんだからここに来て、アタック合戦と牽制し合いが始まってしま​います。
そして、勝利を目指してやったはずなのに、それによって協調体制が作れないのでタイム差が縮まらなくなってしまいました。

集団はもう完全に崩壊してました。
ヴィスコンティが逃げてるのに何故か同じモビスターのチームメイトまでアタックを仕掛けてしまうくらい混乱した状況になってしまいました。
そんな状況で、差を縮められるわけありません。
最後までヴィスコンティは逃げ続け、十分なリードを保ちながらゴールにやってきます。
しっかりとジャージを締めて、十字を切って手で顔を覆い、そして喜びを爆発させながらゴール!
最後の絶妙なタイミングで飛び出したヴィスコンティが、ガリビエでの勝利に続き2勝目です。
そして、強調が取れなかった集団は結局まとまって帰ってきます。
2位以下の争いも多少起きましたが、総合勢は動かずにゴール。
唯一、ベタンクールがまさかのパンクで遅れるシーンがありましたが、それがゴール2km手前だったので何とか救済ルールに助けられてタイム差はつかずに済みました。
ロードレースはこういったトラブルがあるから怖いですね・・・

そして結局カヴは更に後の集団でゴール。
本人としてはやはり今日のステージでポイントを取りたかったようで悔しそうでした。
しかし、ツイッターでも言われてましたが平坦スプリントステージで、スプリンターが全員潰されるってなんなんでしょうねw

明日は山岳TTです。
ニバリがかなり好調なのでタイムを稼ぎそうですが、ここまで目立った動きをしてないエヴァンスが一矢報いるか?
それともコロンビア人のウランやベタンクールが上手くやるのか?
見逃せませんが、重要なのは後半なので明日は仕事が遅くなっても大丈夫ですね。
では、今日はここまで。

2013年5月22日水曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第16ステージ まとめ

今日は第16ステージです!
序盤は山岳があるものの、後半は平坦。
しかし相変わらず最後に3級があるというスプリンター泣かせのステージです。

レースは序盤アタック合戦があった後に、山岳賞ポイントの欲しいピラッジィなどのクライマーや逃げ切りを狙いたい選手などが逃げ集団を形成します。
しかし、今日はいつもと違いました。
何と逃げ集団は16人もの大所帯になってしまいました。
さらにディルーカやカールゾ、チャラプドなどの選手も追いついてきて20人以上になってしまいます。
しばらくは協力して適度に回りながら進んでいきます。
中間スプリントはディルーカがとりました。
その後山頂へ向けて進んでいきます。
一位通過したのはジャクソン・ロドリゲス。
山岳賞ジャージのピラッジィは2位でした。ロドリゲスは現在山岳賞ポイントは3位なので少しつめましたが、ピラッジィも2位で稼いだので大きくは詰まりませんでした。

その後、今度はセッラ、ナバルダスカス、ケルデルマンが飛び出しますが中々うまくいきません。
少しリードを奪いますが、決定打にはなりません。
その時点でタイム差は4分程度で、しばらく進行していきます。

距離が短くなってくると、22人も居た逃げ集団では意思の統一は不可能になり、アタック合戦が開始されます。
様々な選手が飛び出しますが、お互いを気にして牽制しあうだけで決まりません。
ようやくセッラ、ペート、ケルデルマンが少し飛び出していきます。
その後、さらにナバルダスカス、ピラッジィ、ボーレ、エラーダ、ベルーゴが追いつきます。
これが先頭集団となり逃げていきます。
後方の集団はメイン集団に吸収されていきました。

最後3級山岳まで来ると集団はすぐ後です。
そこから今度はデュアルテが飛び出し追いついてきます。
ピラッジィは追撃をかわすためにもここでもポイントを取りたいのですが、デュアルテがそのままいきます。
当然ついていくしかありませんが、この時点でかなり消耗してたようです。
必死にくらい付いていきます。
後ではスカルポーニが積極的にペースを上げていきます。
先頭から少し遅れたケルデルマンなどはすぐにつかまり、先頭も結局つかまってしまいます。
山頂の直前になるたデュアルテが再びアタック。
ピラッジィも当然いきます。デュアルテを交わすと最後の力を振り絞り山頂へ向けてスパートをかけます。
が、現実は相変わらず非情です。

後からなんと新人賞ジャージのベタンクールがアタック。
何とか山頂1位をとろうと踏ん張ったピラッジィはあっという間にかわされます。
山頂を通過するとすぐに高速ダウンヒルが開始されます。
それを狙って飛び出す作戦でした。
かなり良いタイミングでの攻撃で一人抜け出します。
遅れて山頂を通過した集団からはサンチェスがアタック。
あっという間にこれも抜け出します。
ベタンクールと合流してリードを奪おうとします。
しかし、ここでニバリなども動き、結局つかまってしまいます。
この時点で残り9km。
最後はスプリントか?とも思われましたがここでまたアタック。
カンゲルト、インサウスティ、ヘーシング、ニエミエッツの4人が逃げ出します。
最後は街の中を通りながらゴールへ向かいます。
結局この4人の逃げは成功し、最後はスプリントになると思われたのですが、ここでヘーシングにトラブル。
最後の区間はパヴェがあったのですが、それの影響かチェーンが落ちてしまい戦線脱落。
最後残った3人がお互いを見張りに見張って、お見合いを続けながらゴール前へ。
ニエミエッツが仕掛けますが、その後にぴったりとカンゲルトがつきます。
それを上手く利用して最後カンゲルトがいくかと思いきや、ニエミエッツが少し失速した瞬間に反対側からインサウスティが仕掛けました。
カンゲルトも慌てて反応し、つこうとしますが少しタイミングが遅かったのと、これまでアシストをしてきて脚を消耗してたためか最後捲り上げることができません。
インサウスティがしっかりガッツポーズを決めながらフィニッシュ。
それからほんの少し遅れてニバリたち総合勢が居る集団もゴール。
ヘーシングも若干遅れたもののすぐに復帰できたようでゴールしました。

集団スプリントになるかと思いきや直前で逃げ出した選手が居たので、比較的平和に、総合勢も特に波立たず終わったか・・・と思いきや一人失敗してしまった選手が居ました。​
ヴィーニファンティーニのサンタンブロージョです。
雪の第14ステージで優勝し、4位にジャンプアップしてきたサンタンブロージョでしたがここに来て失敗し、2分以上のタイムを失って6位に後退してしまいました。
せっかく表彰台を狙える位置に居たのに・・・
今日も4位でいけたならまだ可能性がありますが、今日これだけ遅れてしまうとウランやエヴァンス、ニバリが失敗したとしてもどこまで上がれるか・・・
1回のミスでここまでタイムを失ってしまうのだから怖いですね。
これはもちろんニバリやエヴァンスにも言えることで今後、同じようなことがあれば大きく順位を落としてしまうでしょう。
今日からジロも第3週目です。
選手たちも疲労がかなり溜まってるようです。
体調を崩したりしなければ良いのですが・・・

では、今日はここまで。

2013年5月21日火曜日

久々にレビューを書きました Time Xpresso12 Titan/Carbon

久々にレビューを書きました。

Time Xpresso12 Titan/Carbon

動画を入れてみたり、比較写真を色々つけてみたりしてみました。
写真や動画を入れることで全体的にコンパクトに・・・
としたかったのですが結構長くなりましたorz

上手く文章をまとめるスキルが欲しいです。
なんでもそうですが、レビューもやっぱり読む人のことを考えた方がいいものが出来ると思います。
だらだらと書きすぎると読むのがしんどいですし、情報密度が下がりますから。
後、10個くらいレビューが溜まってます。
どうしよう・・・何とか今月中に書きたいけど・・・
では、今日はここまで。

2013年5月20日月曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第15ステージ まとめ

Buona sera!

今日は第15ステージです!
昨日は悪天候のためコースが一部省略、変更になったりして今日上る予定のガリビエ峠がどうなるのか不安でしたが、なんとか上ることができたようです。
必死に除雪してたようです。道には雪はありませんでした。
しかし、横には大量の雪が・・・

   
それでも一部を省略せざる負えない状況で、ゴールを4kmほど手前に持ってきたようです。
しかし、それもすこし不思議な縁があったからそうなったような気がします。
こんなに雪が積もらなければゴール地点が変更されることはありませんでしたが、4km手前に変更になりました。
そして・・・その4km手前の地点には伝説のヒルクライマーであるマルコ・パンターニのモニュメントがあります。
彼は98年ジロの覇者で、更には同年にツールも制しました。ツールとジロの組み合わせのダブルツールを達成したのは彼が最後で、現在まで現れていません。
そんな偉大な選手でしたが、残念ながら既に亡くなってしまっています。
その彼を称えるモニュメントの前がゴール・・・少し運命というか何かがあったかもしれません。
科学的ではないかもしれませんが、そう考えた方がちょっとだけ素敵じゃないでしょうか・・・

すみません、脱線しました(笑)
レースの方に参りましょう。
レースは序盤スタートしてから少しアタックがあったようですが決まりませんでした。
その結果集団は落ち着くというかリラックスというか、完全に勝負する気が無い状態になりとにかくまったり進行でした。
トッププロの集団ですが、平均が31km/h程度とかなり遅い平均時速でした。(しかし、先日の350kmライドを私が全力で走ってもAve23.2km/h・・・(´・ω・`)ショボーン)
選手たちも、今日のゴール地点の過酷さを知っているので無理に前半からやり合えばゴールすら危うくなる場合もあると分かってたからかもしれません。
本当に和やかに進みました。

しかし、やる時はやるのがロードレースです。
一つ目の山岳であるモン・セニス峠の山頂手前から現在山岳賞のピラッジィやそれを追うチャラプド、ヴィスコンティなどの山岳や逃げ切りを狙ってる選手が出て行きます。
ここからようやくレースがスタートしました。
しばらくは、ボンジョルノとラボッティーニ、ヴィスコンティ、ピラッジィ、ウェーニング、チャラプド、ルビアーノという面子で進みます。
1つ目の山岳はピラッジィが取り、ポイントを追加します。
後のメイン集団は基本的に落ち着いていますが、ヘーシングやディルーカが動き追走になります。
しかし先頭とはタイム差が大きいので追いつけません。
先頭では2つ目の山岳ポイント地点前でヴィスコンティがアタック。他も反応しますがついていけず、そのまま単独で逃げに入ります。
そのまま2つ目の山岳ポイントは1位でヴィスコンティが通過、後の残った選手の中では山岳賞ジャージを着てるピラッジィが2位で通過しようと少し前に出ますが、ライン前で​脚を緩めていたらウェーニングにすっと刺されて2位を盗られましたw
あの雰囲気なら当然取らせてもらえるだろう・・・とピラッジィは考えてたのかもしれませんが、それでもあんまり油断して怠けてるとダメなんですね。
まぁ2位通過するとボーナスタイムやポイントだけでなく、賞金も出るので取れるものなら取っといた方がいいですからね。チームのためになります。
しかしやりすぎると険悪になってしまうのでご注意を・・・
と、若干後ではモメた感じになりながら山頂を通過していきます。

そして下りきったら、最後のガリビエに入っていきます。
相変わらず先頭はヴィスコンティが逃げ続けます。
そんな中追走集団からはラボッティーニが飛び出します。
ウェーニングとピラッジィも追うかと思いきや二人は協力しません。
ウェーニングはピラッジィ前で引くのを交代しようと言いますが、先ほどの件があるのでピラッジィは協力してくれませんw
こういうことがありますからやる時は計画的に・・・
協力してくれないのでウェーニングたちはだんだん下がっていき、単独でラボッティーニが追走するという形になりました。

その状態のままレースは進行していきます。
徐々にタイム差は縮まっていきますが、思ったほど縮まりません。
標高が上がるにつれ、道脇の雪が増えていくだけでなく、とうとう空から降り始めてきます。
ヴィスコンティやラボッティーニは総合では脅威ではありませんから逃がすならそれでもいいので集団は気にしません。
それより総合や新人賞の争いがありました。
集団で、新人賞のマイカと2位のベタンクールがお互いにアタックを仕掛けあいます。
それによって集団は活性化。
その二人以外にもサンチェスやカルーゾも仕掛けますが決まりません。
ケルデマンガのアタックが唯一決まります。
あっという間にウェーニングたちを抜き去るとラボッティーニにどんどん近づいていきます。
しかし後方の集団も活性化したことでペースが上がってます。
最後はニバリ達が動くと一気に差が詰まり、残り900でケルデマンもラボッティーニも吸収されます。
しかし、その時点でヴィスコンティはもうゴール直前。何とか逃げ切りました。
1位ヴィスコンティ!グランツール初優勝です!おめでとう!

しかし少し遅れて集団が来ます。
その中から何とラボッティーニが再び仕掛けますが、流石に脚が残っておらずすぐに潰されます。
その中から結局飛び出せたのは新人賞のマイカと新人賞2位のベタンクール、ランプレのニエミエツでした。
お互いに火花を散らします。最初はマイカが先行しますが、最後は力尽き少し失速してしまいます。その隙を逃さずベタンクールが出てステージ2位でボーナスタイムを獲得しま​した。
それと同時にベタンクールはマイカから新人賞を奪いました。

その後の集団で総合はどうなってたかといえば、動いたのは何とニバリ!
ニバリは既に1位でタイム差もエヴァンスをしっかりマークすればそれなりに安全なので守りの走りをしてれば良いのですが、自分から仕掛けます。
これは相当調子が良くないと出来ません。
他の選手はなんとか対応しますが、ニバリがリスクを負ってでも攻撃してくるほど調子が良いというの見せ付けられました。
タイム差をつけるまではいかずにエヴァンスたちとゴールとなりましたが他の選手にプレッシャーをかなり与えたはずです。
ニバリの総合優勝が着実に近づいてますね・・・

明日は休息日です。
それが開けてからも一旦は本格的な山岳ステージはお預けになります。
今日は雪の中でかなり寒かったのですが、現地でのスタッフやカメラマンなどで体調を崩す人が続出してるようです。(しかし辻啓カメラマンはやっぱり半パンw)
ニバリも今は調子がいいですが、もし体調を崩せば危うくなります。
選手は温かい格好をして、体調管理に気をつけて明日はしっかり休んで欲しいですね。
では、今日はここまで。

2013年5月19日日曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第14ステージ まとめ

少し更新が空いてしまいました。
すみません・・・
先日の300kmライドは何か色々間違って本来は330kmくらいのはずが352kmも走ってしまいましたw
でも楽しかったです。色々痛くなりましたけど。
このロングライドの話はまた後で。
とりあえず今日のレースの分のまとめを・・・(といってもCBNForumsのコピペですけど)

今日は第14ステージ!
山岳ステージですが・・・残念ながら一つ目の山はまだ雪があるようで走れずコースが変更になりました。
スプリンターの方は大喜びだったでしょうが、クライマーは心中を察します。

レースは序盤から・・・という感じで始めたいのですが今日はちょっと無理そうです。
Jsportsを見てた方なら分かると思いますが、今日は現地の天候が悪すぎて中継のヘリ等が飛べないためか映像が全く届かず、ハイライトやゴール前の映像を垂れ流しなが​ら永田さんと別府始さんがずっと喋ってる(時々辻啓カメラマン)という状態でしたw
なのでレースの映像を見れたのはゴール近くの固定カメラからの映像だけ。
いやー中々面白かったですよ、まるで現地に行ってゴール近くで観戦し、選手を今かと待ってるようでした(笑)
なのでゴール前だけですが簡単に・・・

レースはアスタナやスカイがコントロールしながら進んだようでした。
逃げ集団はパオリーニ、コロブレッリ、ピエトロポッリです。
残り5kmでもタイム差はまだ4分ありましたから逃げ切りもありか?と思いましたが後ではスカイが出てきてペースを上げ始めました。
タイム差は縮んでいきます。
更にはその中からアタックをかける選手も、追走にはペリオッティとローザ、エナオの三人になりました。
しかし全員、結局残り1.1kmくらいで捕まります。
そうなると最後はボーナスタイムを目指して総合上位陣の争いが発生します。
ゴール地点は濃霧に包まれてました。
ゴール前のカメラが霧から出てきた選手を捉えます・・・ヴィーニファンティーニのサンタンブロージョとアスタナのニバリでした。
他の選手を引き離し2人だけ上ってきます。
後からはベタンクールが追い、更に後のグループにエヴァンスやウランたちがいますが追いつけません!
最後のヘアピンを曲がるときにサンタンブロージョとニバリが少し会話します。
後方とは十分な差がありました。
ここはニバリとしては失速だけは絶対に避け、手堅くボーナスタイムは欲しい。
サンタンブロージョはボーナスタイムはどうでもいいけどとにかく勝利が欲しい、勝利があればニバリに圧倒的な差をつけなくても良い。
と、お互いの利害を考えて相談したのでしょう。
結局サンタンブロージョはペースを落としはしないものの保ち、ニバリの半アシストのような形でゴールまでやってきました。
争う素振りは見せずにサンタンブロージョが1位、タイム差は無しの2位でニバリ。
手堅くタイムを稼ぎました。
後から追ってきたベタンクールは3位。
彼は新人賞ジャージを狙っています。
新人賞1位のマイカに対してタイムを奪いました。ジャージこそ獲得できなかったもののかなりタイムをつめました。
その後では最後少しだけウランとサムエル・サンチェスが飛び出します。
ニバリたちから遅れることSサンチェスが26秒、ウランは30秒でゴールでした。
もう少し遅れてエヴァンスは33秒でゴール
致命的な遅れではありませんでしたが、ニバリは上手く攻撃を仕掛けました。
少しずつニバリの優勝が近づいてきますが・・・ここのところの悪天候で体調を崩せば一発アウトになる可能性もあります。
まだまだ分かりませんね。
タフなコンディション、シチュエーションでは経験豊富なエヴァンスに分があると思いますから。

明日はガリビエが登場するステージですが・・・どうやらガリビエもまだメートル単位で雪があるようなのでキャンセルになりそうですw
せっかく設定したガリビエがなくなってしまうのは少し残念です。
今年ヨーロッパを襲った寒波の影響はいつまで続くのでしょう・・・
では、今日はここまで。 

2013年5月15日水曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第10ステージ まとめ

Buona sera!

今日のジロは第10ステージ。167kmです。
休息日明けですが、いきなり超級山岳ステージです。

レースの方は休息日明けという事もあってフレッシュな選手がスタート直後からアタック。
逃げ集団が形成されたようです。
逃げ切りたい選手のほか、中間スプリントを狙うキャノンデールのヴィヴィアーニなども混ざってそれなりに大きな逃げ集団になりました。
後方ではアスタナやスカイがメイン集団をコントロールしていきます。
1つ目の1級山岳に入り始めると、まずスプリントを狙う選手が少し飛び出します。
後の追撃を許さない程度の差をつけると先頭のグループの中ではヴィヴィアーニが一つ抜けて実力&スプリント力がありました。
多少の小競り合いはあったものの比較的平和にヴィヴィアーニがトップ中間スプリントを通過。
その後、ヴィヴィアーニは頑張る必要は無いので下がっていきました。

中間スプリントを超えるといよいよ頂上を目指します。
飛び出したのはジャクソン・ロドリゲスとセルジュ・パウエルス。
2人で走りますが、最後はロドリゲスが飛び出しトップ通過。
その後下りに突入します
タイム差はまだ十分にあります。ステージ優勝の可能性が無いわけではありません。
しかし、ここでロドリゲスが落車。
すぐに復帰しますがどうやら変速に異常が、FDが上手く動かず下りでアウターにチェーンが掛からないようでした。
すぐにチームカーを呼んでバイクを交換するもサイズが合っていないようで、走りながらサポートカーの傍に行き、サドルの高さを調整してもらっていました。
時々見るシーンですが、今日はかなりガッツリ動かしていました。
完全にサイズ違いのバイクを渡されたようです。
結局、サドルの高さを調整しても合わなかったようでその後、もう一度バイク交換をしていました。
エースクラスになると、サポートカーにはスペアバイクも全く同じセッティングのものが用意されたりしてるらしいですが、アシストはなかなかそうはいかないようです。
それにしても、ある程度はサイズを合うようなものを用意したりするのが普通のようですが、今回は近くに居たサポートカーにたまたまサイズの合うバイクが積まれていなかった​ようです。
運が悪いとしか良いようがありませんが、仕方が無いですね。

その後、パウエルスと合流して粘りますが次の山岳の始めに吸収されます。
ここから先は一気に上って頂上ゴール。
かなり険しい山岳です。各チームのアシストがしっかり引きながらペースが上がります。
特にスカイのアシスト陣が相変わらず良い引きを見せます。
集団は崩壊し、実力のある選手しか残れませんでした。
かなり良いペースで走り、他のチームが動けませんでした。
そんな中、スカイのウランがアタックを仕掛けました。
ウランも総合では上位ですが、脅威になるような位置ではありませんし、マークしたいのはウィギンスですからここは逃がしました。
そのままウランはペースを上げて一人旅を始めます。
そんな中、後方ではスカイのアシストが減っていき次はアスタナが出てきます。
ニバリの親友のアニョーリが懸命にアシストを続けます。
そしてアニョーリが千切れるといよいよ総合上位の選手たちの戦いになりました。
そんな中、なんと遅れたのはウィギンス。
先頭ではウランが爆進中で、スカイも組織的に動いてたのにここで遅れるのは・・・
調子が上がらないというか、調整が間に合わないというか、単純に今年は彼の年ではないのかも知れません。
ウィギンスが遅れていきますが、ニバリやエヴァンスは待つ理由はありません。
ここでニバリがペースを上げていきます。エヴァンスもしっかり反応してついていきます。
ウランに対しての差は思うように詰まらず、優勝の可能性が高くなってきます。
しかし、そんな中ニバリやエヴァンスのいる集団からはベタンクールがアタック。
ベタンクールは新人賞ジャージを狙ってるのでそれのためのアタックです。
今年、結構活躍してる選手で今後が期待できそうです。
新人賞という事なので他の選手にとっては問題はありませんでした。そのままアタックは容認されます。
先頭が活性化するなかウィギンスはずるずると遅れていきます。ウィギンスとほぼ同時にヘーシングも遅れていきましたが、こちらもどんどん下がっていきます。
ちなみにヘシェダルはもっと早くに遅れていきました・・・彼は今年はもう無理ですね。

最終局面で、ウランの勝利は確定しました。
砂塵らしきものが舞う山頂にやってきたウランは控えめにガッツポーズをしながらゴール。
今日知ったのですが、彼はコロンビア出身で14歳のときに麻薬組織の抗争に父親が巻き込まれて死亡。
その後は家族を養うために宝くじを売って生活していたという苦労人だそうです。
かなりハードな人生ですね・・・
去年のオリンピックロードでは銀メダル、今年のジロではステージ1勝、そして表彰台の可能性もあります。
こういう苦労人はもっと報われて欲しいです。
才能もあるようですし、スカイは本当に恐ろしいほどの人材が揃ってますね。
それがゆえに難しく、脆さがありそうですが・・・

ウランがゴールすると、次はベタンクールがやってきます。
1位と2位はなくなりましたが、まだ3位は残っています。
そして3位にはボーナスタイムがあります。
そうなるとエヴァンスとニバリは火花を散らしました。
ニバリが先に動きましたが、この大事な局面で少しメカトラ(チェーンが落ちた?)があったらしく少し出遅れますが、大事にはならなかったようですぐに追いつきます。
最後はしっかりペースを上げて、追い上げるエヴァンスを抑えて3位に。
エヴァンスに対して少しだけリードを奪いました。
実はニバリはこれよりも前に、1度チェーンが落ちるトラブルがあり、降りて直さなければなりませんでした。
それから直しても、もう一度トラブルが発生。
しかも大事な局面で・・・ツール2010年のアンディの事件を思い出しますね。
本当に機材の信頼性って大事だなと思いました。
(ちなみに今回のニバリの機材はカンパEPSです。しかも恐らくチェーンウオッチャーを装着していたはずですが・・・)
ちゃんと調整すれば大丈夫だから・・・というのはあまり信頼しない方がいいと思います。
ちゃんと調整すれば大丈夫というのは当たり前で、多少問題があっても少し性能が落ちたとしてもしっかり動作するキャパシティのあるものでないとプロのような過酷な条件では​思いがけないトラブルに遭うかもしれません。
そんな信頼性を重視したシマノが躍進してきたのが一つの回答だと思います。
こういったトラブルで勝負に決着がついてしまうのはあまり気分が良いものではありません。
それは選手にとってもそうでしょう。

俺があいつに勝ったのはトラブルがあったから・・・
俺があいつに負けたのはトラブルに遭ったから・・・

勝者も敗者も誰も嬉しくありません。特に勝者は喜びに水を差されるかもしれません。
勝敗の結果より、重要局面でのトラブルでアンディのことを思い出してしまいちょっと脱線してしまいました。
こういうことが今後無いとは言い切れないでしょうが、せめて重要なシーンで起きないことを祈ります。
では、今日はここまで。

2013年5月13日月曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第9ステージ まとめ

今日の練習は35km、Ave25.5km/h。
明日はロング練習のつもり。
暑くなってきたので走りやすいかな?


今日のジロは第9ステージ。
ついに1級山岳が登場する本格的な山岳ステージです。
今日を終えれば1回目の休息日が待ってます。
休みの前のハードな金曜日・・・という感じでしょうかね?
私の休息日も目の前・・・かと思えば普段できない練習をしないといけないので実質的に休息が無い orz
まぁ体調崩さないように頑張ります。

今日は逃げ切りの可能性が高いステージだったので、逃げ集団は12名という大所帯でした。
最初の2級山岳の手前まではそのままでいきましたが、この人数では仕事をしない人が出て漁夫の利を狙う可能性があるので、山岳を取りたい選手はアタックを仕掛けます。
飛び出したのは2名、ヴァルディアーニのステファノ・ピラッジィとコロンビアのロビンソン・チャラプドでした。残りは追走集団となります。
この二人がいい走りを見せますが・・・それ以上に面白い走りでした。
2級山岳を制したのはピラッジィでしたが、頂上手前のS字カーブでピラッジィが最短経路で進むと、インをつこうとしたチャラプドは進路を塞がれる形になり不満を爆発させます。
その結果二人の間に険悪な空気が・・・
いや、険悪というよりもっと幼稚な感じでしたw
お互いに意地を張り合ってる中学生の喧嘩みたいな感じです。
そこから下って、その後の1級の上りではとにかくお互いにアタックを掛け合ってはけん制して、潰しあう殴り合い。
あまりにも幼稚でした。見てるほうは凄く面白かったですけどw
そんな事をしてるもんだから体力は消耗するし、追走していたカチューシャのマキシム・ベルコフに一旦追いつかれます。
その後、山頂手前でピラッジィが再びアタック、チャラプドも反応しますが追いつけません。
そのままピラッジィは快走、しかしチャラプドも遅れながらも少し後から追っていきじわじわと差を詰めていきます。
山頂直前でチャラプドはもう一度踏みなおし肉薄しますが、先行していたピラッジィには及ばず、2度目の山岳もピラッジィが制しました。
しかし、この二人は喧嘩しあってアタックの掛け合いをしていた結果体力を完全に消耗してしまったのでここで脱落していきますw
そこで次に飛び出したのはその後ろのベリコフでした。

ここから彼は凄かった。
今日も天候が悪く、雨で路面が濡れていましたが彼は物凄い速度で下っていきます。
一つ目の2級山岳で遅れた彼でしたが、その下りで一気に差をつめて先頭の2人に一旦追いつき、1級の下りで抜きました。
その結果、何と1級の雨の下りで2分ものタイムを稼ぎました。
信じられません。怖くないのでしょうか・・・
見てるこっちが怖い。
追走集団にも、メイン集団にもリードをどんどん奪います。
残り、3級と4級の山岳が待ち構えていますが十分逃げ切りの可能性があるレベルまで稼ぎました。
しっかりと差をつけながら3級山岳を上り始めます。
一方、追走集団でも動きがありました。
何名かの選手が脱落する中でアタックを仕掛けられました。
飛び出したのはヴィーニファンティーニのパンタノとアルゴスのルドヴィクソン。
ベリコフを追います。ベリコフは下りでこそ切れてますが、上りはそこまで早くはありませんのでまだチャンスはありました。
タイムを次第に詰めていきますが、頂上を越えればまた下りです。
ベリコフはまたここで飛ばしていきます。
後の2名も山岳を越えますが、下りでは差が詰まりません。
また更にその後、元の逃げ集団からは今度はベタンクールがアタック。
下りでタイムを稼ぎながら先行するベリコフと、その後のパンタノとルドヴィクソン、そしてそれを更に追うベタンクールという状態になりました。
もうこの時点で、メイン集団が先頭に追いつくことはできませんので無理な走りをする必要はありません。
リーダージャージを着てるアスタナのニバリのチームがコントロールしていきます。
しかし、ここで少しウィギンスが遅れ始めます。
昨日は不運に見舞われながらも、まずまずのタイムを出しましたがどうやら調子が上がらないようです。
いつもはメイン集団先頭でリスクを回避しながら走るはずですが、今日は集団の一番後ろ。
しかも千切れそうになっています。
アスタナはペースを上げるようなそぶりは見せませんが、落としもしません。
次第にウィギンスは遅れていきました。
あわててスカイのアシストが下がってきて前にあげようとしますが、一時は1分程度メイン集団から遅れました。
メイン集団ではようやく自体を把握したのかガーミンやBMCも前に出てきてペースを上げようとします。
先日は落車だったので下手にやればバッシングを受けるかもしれませんが、今回はウィギンスが遅れただけです。
弱肉強食なので弱ければ食われるだけ、このチャンスを活かそうと協力して集団を引きます。

結局、スカイは強力なアシストを5人も残していたのでその後何とか復帰しますが・・・
今度は昨日調子が悪かったヘシェダルが遅れていきます。
先ほどはウィギンスにダメージを与えるためにペースを上げていたガーミンですが、同時にエースのヘシェダルにもダメージを与えてしまったようです。
ついでにウィギンスは多少ダメージはあったでしょうが致命的なものではありません。
しかしヘシェダルは中々致命的だったようです(苦笑)
ずるずると遅れていってしまいます。

その頃先頭では、ベリコフを必死に追走が追っていましたがついに、追いつく可能性が消えました。
ベリコフは最後までハイスピードのダウンヒルをこの悪条件の中で安定して発揮して追撃を許しませんでした。
最後ゴール前は緩い上りでしたが、ここまできたらもう踏むしかありませんしタイム差的にも十分安心できるほどの差でした。
しっかりとガッツポーズをしてゴール。
この雨の中の危険な下りで勇敢な走りを見せて勝利を手にしました。
一方で、追走ではパンタノが上りでは良く走っていましたが、体重が軽いのか下りでは今一です。
ルドヴィクソンもまずまずの走りをしますが、それほど切れはありません。
そんな中、後からベタンクールが猛追を見せます。
ゴール手前数百メートルでついに2人を捕らえます。
パンタノは最後の力を振り絞りアタックを仕掛けます。
ルドヴィクソンに対しては差をつけます。
しかし、ベタンクールの勢いは止まらない。
ルドヴィクソンも最後の力を使って走りますがあっさりパスされます。
そして、更に前のパンタノにもぐんぐん追いついていきます。
パンタノもいい走りでしたが、それ以上の勢いがベタンクールにありました。
最後の最後で抜かれてしまい。2位はベタンクール。3位がパンタノでした。
ロードレースでの勝者は間違いなく1位の選手でしょうが、2位、3位でも無茶苦茶凄い
ことです。
近年では2位3位もそれなりに評価されてるようですが、特にこういった逃げ切りでゴールした場合の2位3位というのはスプリントでの2位3位とはまた違いますからもっと評価されてもいいと思います。

そしてその後メイン集団ですが、結局ウィギンスは何とか復帰してニバリやエヴァンスたちと揃ってゴール。
しかしヘシェダルは遅れてしまい。結局2分もタイムを失ってしまいました。
総合優勝からは脱落。表彰台も危ぶまれる状態になってしまいました。

最初に書いたとおり明日は休息日、ここで調子を取り戻す選手も出れば、逆に調子を崩す選手も居ます。
今の感じだと総合はニバリ、エヴァンスあたりが有力で次いでウィギンスという感じになったと思います。
休息日明けてウィギンスが調子を取り戻せばあるいは・・・という感じですが少し厳しいか?
今後も楽しみですね。

では、今日はここまで。

2013年5月12日日曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第8ステージ まとめ

今日のジロは第8ステージで53.5kmの個人TT。
長距離のTTになりますので得意不得意の選手でかなりのタイム差がつきます。
なので総合優勝を狙う選手たちにとって、このステージで遅れてしまうと致命的な差を生んでしまう可能性があります。
では、レースを見ていきましょう。

TTなので順位が下位の選手からスタートになります。
そして中盤にモビスターのアレックス・ダウセットが良いタイムを出して暫定トップになります。
そこから中堅どころがスタートしていきますが中々タイムは伸びず、記録は更新されません。
結局そのまま総合上位陣のスタート順が回ってきました。
総合上位陣でまずスタートしたのはウィギンス。
昨日は落車でタイムを落としましたが、今日は挽回のチャンスです。
今年はピナレロから新型のTTバイクを一人だけ供給されたようで、カラーも去年のオリンピックの金メダルをアピールするため、文字が金色です。(先日のマスターに紹介され​たものと同じです)
しかし、ウィギンスはどうも調子が良くありません。
去年のようなキレた走りができません。
調子が悪そうに走っていましたが、少し走ったところで併走のサポートカーにサインを出します。
止まったかと思うと何と新型のバイクを投げ捨ててしまいました。
そして何とサポートスタッフが持ってきたのは去年使ってた旧型のTTバイク。
そのままバイクを交換して走っていきました。
メカトラブルがあったようには思えません。パンクをしている気配もありませんでした。
恐らく、新型のバイクにまだ慣れていないのかしっくりこなかったので交換したものと思われます。
しかしTTでバイクを降りるのはかなりタイムロスしてしまいます。
それのリスクを負っても変えるという事は相当お気に召さなかったようです。
メカニックとピナレロの開発者は頭が痛いですね。

そこからウィギンスは踏みなおします。
中間計測では少し遅れたものの、徐々に挽回していきます。
そんな中、更に上位の選手がスタートし始めます。
勢い良く飛び出したのはBMCのカデル・エヴァンス。
スタート前から非常に集中してました。
積極的にダンシングしてペースを上げ、下りでは攻めたコーナリングを見せてくれます。
また、その後ではヘシェダル、ニバリも続きます。
そして最後はマリア・ローザのインサウスティがスタート。
有力どこ4人が走ります。
中間計測でエヴァンスは中々のタイムを出しました。
このまま行けば、優勝もありうるペースでした。
また、その後ではヘシェダル、ニバリが続きます。
しかし、ヘシェダルは伸び悩み良いタイムがでません。
そしてニバリはというと・・・中間計測で暫定トップに躍り出ました。
ニバリはそこまでTTは得意なタイプではありませんでした。
かなり改善してきたようです。
そしてゴールには調子が悪そうだったウィギンスが良いタイムで帰ってきます。
中間では沈んだものの、その後しっかり挽回し、暫定トップのダウセットから10秒遅れの2位でフィニッシュ。
途中のバイク交換がなければ・・・と考えてしまいますが、それを言っても仕方がないですね。中間では1分以上遅れていましたがそれを後半で挽回したということはかなりのペ​ースで走ったはずです。
昨日の遅れで少し危ぶまれていましたが、未だ優勝候補として健在でした。

そしてその後はエヴァンスがやってきますが、後半に少しペースを落としてしまったのか遅れてしまいます。それでも上手く纏め上げて、トップから39秒遅れ。
ウィギンスに対して29秒遅れとまずまず。
そしてヘシェダルはどんどんタイムを失います。
第3ステージでは積極的なアタックを見せたため調子がいいのかと思いましたが、意外と調子が上がってないようです。
結局2分以上遅れて17位でフィニッシュ。痛手を負いました。

一方で好調なニバリは今一どうだったのか正確な把握ができません。
タイム計測をずっと見てましたが明らかに第2中間のタイムがおかしくなっててかなり後れた表示になってました。恐らく計測ミスです。今年は正確だと思っていましたがやっぱ​りイタリアでしたw
実際は恐らく悪くない走りを続けていたはずです。
そのままゴールに戻ってきてトップから21秒遅れの4位でフィニッシュ。
ニバリがマリア・ローザを獲得しました。

結局、調子が悪く沈んだかと思われたウィギンスは、意外といい結果に終わり少しタイム差を縮めました。
ウィギンスとしては本来ならここで他を圧倒する走りを見せて、アドバンテージを得るはずでしたがそれはできませんでした。
逆に他の選手はニバリとエヴァンス以外が痛手を負い、特にヘシェダルは深刻なダメージを受けてしまいました。

今後の総合争いの有力候補はニバリとウィギンス、エヴァンスになりそうです。
ついではヘーシングやスカルポーニ、ヘシェダルといった感じでしょうか。
しかしヘシェダルは今日の遅れがかなり痛いので難しいか・・・
今年のジロはボーナスタイムがありますから、山岳ステージで上手く仕掛けて勝てば一気にかなり差をつめることができますが、それは同時にライバルにとっては一気にかなりの​差をつけることができると言い変えれます。
どうなるかまだまだ分かりません。
明日はついに1級山岳です。
楽しみですね。
では、今日はここまで。

P.S
ところで、今年のウィギンスは楕円ではなく真円のチェーンリングを使ってます。
何か理由があるのでしょうか?
ご存知な方がいらっしゃいましたら情報をお願いします。

2013年5月11日土曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第7ステージ まとめ

本日は職場での飲み会があったためラスト50kmくらいからしか見れませんでした。
なのでそこらあたりからまとめます。
しかし、ラスト50kmでも見れて良かった。
非常に良いレースでしたね。
早速本題に入りましょう。

今日は第7ステージで、177kmの山岳ステージ・・・
なのですが山岳というより、大量の丘があるステージという感じでした。
とにかく平坦が無く、ラスト5km程度までひたすらアップダウンが続くステージです。
スプリンターにとっては完全に拷問のステージです。
もしかしたら本格的な山岳よりキツイ?
パンチャー系の選手ならラストのスプリントに生き残れるか?と想像してました。

レースは逃げ集団数名が逃げ続けてそれをメイン集団が追う展開で進みました。
今日はかなりコースの状態が悪く、ひび割れが大量にあって荒れてる、コースが狭いというそれだけでも酷い状態なのに、雨が降って滑りやすくなるというトリプルコンボ。
いたるところで落車が発生しました。
それを選手も分かっていたのでスピードも抑え気味になります。
また、こういった滑る路面の場合は転んだ後に身体も滑るので実は、被害が逆に少なくなったりします。
そのため、大きな怪我をするような選手は発生せず。
殆どの選手がすぐに立ち上がり再スタートしていきます。
そんな危険な状況では集団はなかなかペースを上げられず、タイム差は縮まりません。
そして先頭逃げ集団では、脚の無くなった選手からどんどんちぎれていきました。
残ったのはロットベリソルのアダム・ハンセンとアンドローニジョカットリのエマヌエーレ・セッラ。
残った二人は勝利を目指して突き進みます。
しかし、途中でセッラが少し遅れ、その後のまた追いつくも落車。
ハンセンは2人で行った方がいいと判断し、復帰を待ってまた二人で行きますが、セッラの脚は回復せず結局遅れていきます。
ハンセンはそれを見限り、一人で行く決心をして踏みます。
その頃、メイン集団は何名かがアタックを仕掛け少し活性化します。
先頭から遅れた選手を吸収しながら進みますが、その頃にはハンセンとのタイム差がかなりあり、この悪条件の中捕まえるのはリスキーなので追うのは諦めたようでした。
しかし、ここでうまくやれば総合上位陣は他のライバルに対して攻撃できます。
一番上手く攻撃したのはアスタナのニバリでした。
先に、アシストの選手にアタックさせて先行させた後に、自分もアタックをしかけます。
ウィギンスは少し調子が悪いのか遅れ気味になってたので非常に良いタイミングでした。
下りで一気に差をつけます。
ニバリは下りが得意な選手。このアタックは完璧かと思われました・・・

しかし現実は甘くないようです。
タイミングは完璧でしたが、ニバリはこの悪条件の餌食になりスリップして落車してしまいます。
幸いにも、大きな怪我は無く上手く身体を滑らせたためすぐに復帰します。(というか流れるような落車とそれからの立ち上がりがあまりにも美しく、スムーズでちょっと面白か​ったですw)
少し、先行していたためタイムを失うような結果にはなりませんでしたがせっかくのアタックが台無しになってしまいました。
ところが餌食になったのはそれだけではありませんでした。
今度は少し遅れ気味になってたウィギンスが落車。
こちらも大事には至りませんでしたが、遅れ気味だったので完全にメイン集団から遅れてしまいます。
こういった場合はすぐにアシストが下がってくるのがスカイのはずですが、巷でウランへのエース交代の可能性が囁かれるように中々アシストが下がってきませんでした。
その後ウランとモントーヤが下がってきましたが、結局ニバリたちに対してはかなり遅れてしまいました。
そんな落車トラブルが続出する中。
集団は強調してペースを上げないのでハンセンに対してタイム差は全く縮まりません。
しかもセッレはまた落車して、集団に飲み込まれました。
そうなるともう独走でした。
後方に圧倒的な差をつけて、ゴールにやってきたハンセン選手。
元HTCで、グライペルの献身的なアシストをやってきた彼はもう31歳でした。
アシストに全力を尽くしてきた彼はまだビッグレースでの勝利は一つもありませんでした。
そんな彼がついに勝利を手にする瞬間でした。
喜びを爆発させるというより、湧き上がる思いをかみ締めていました。
頬を濡らすのは自身の涙なのか、それともこの自分に勝利をもたらしてくれた雨なのかは分からないでしょうが、手で顔を覆い目を押さえた後には晴れやかな笑顔がありました。​
そのまま小さくガッツポーズをしてゴール。
ベテランの大勝利でした。
こういう諦めずに努力して走り続けた人が報われる瞬間は本当に良いですね。
感動しました。

しかし、レースはハンセン選手以外は終わっていません。
後の集団では大変なことになってました。
落車したニバリでしたがタイムを落とすことは無く先頭集団の中にいます。
遅れたウィギンスは必死に前を追いますが中々追いつけません。
ウィギンスのアシストのために下がったウランも同様です。
ニバリ自体のアタックでペースが少し上がったため、リーダージャージのパオリーニはそこから遅れていました。
ウィギンスは追いつくもそれはパオリーニのいるグループ。
先頭集団は更に先でした。

先頭集団はそのままウィギンスたちタイム差をつけながらゴール前にやってきます。
一位はハンセンが取りましたが2位以下にまだボーナスタイムがつきます。
この先頭集団にはニバリ以外にもヘシェダルやインサウスティ、エヴァンス、カルーゾなどの総合上位陣が残っていました。
最後はボーナスタイムのためにスプリント勝負。
しかしここは先日の題4ステージで優勝したバッタリンがまた良いスプリントを見せて2位を奪取。
ボーナスタイムは取れなかったものの他の選手も次いで入りました。

その結果、総合順位は大きく変わりました。
スカイのウィギンスとウランは大きく後退して姿を消し、インサウスティがトップに躍り出ます。
しかし、ニバリやヘシェダルが数秒後に続き、カルーゾやエヴァンスなども続きます。
明日のTTでは調子が悪くなければウィギンスはかなりのタイムを出してくるはずなのである程度は挽回できるはずですが・・・
本来ならば挽回よりもここで、他の選手に対して大きなリードを取りたかったはず・・・
ウランを下げずに、エースを交代させていればもう少し変わったかも知れませんが、難しい判断だったでしょう。

明日のTTがどうなるのか見ものです。
では、今日はここまで。

2013年5月10日金曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第5.6ステージ まとめ

ちょっと体調を崩したりしてて更新ができませんでした。
昨日はまとめを書いたもののすぐに寝てしまい、こちらには書けませんでした。
なので、今日は5と6ステージをまとめて書きます。(といってもCBNForumsのコピペですけど・・・)

なお、第4ステージについてはシクロワイアードさんの素晴らしい記事で勘弁してください。
http://www.cyclowired.jp/?q=node/107523


まず、第5ステージ。
平坦ステージなのでスプリンター向けかと思いきや、ゴール前に3級山岳が一つあり、更にはゴール前にも上りがあります。
しかも、その上りがその前の3級山岳よりキツイというスプリンターいじめのステージでした。

レースは逃げが決まって、集団が落ち着いてからはあまり大きな動きは無く進みました。
今日のレースも昨日に引き続き天候が不安定で、ゴール地点はゲリラ豪雨で一時、コースが川のように水没し、洪水のようになっていました。
現地に行ってるカメラマンの辻啓氏の話だと、平坦なところで水がたまってるわけじゃないのに物凄い勢いで雨が降ってくるため水深2cmくらい水没してると言ってました。
見てて、ここに本当にゴールするのか?選手は危険ではないのか?
と不安でしたが、幸いにもゴールまでに雨は止んでくれたようです。

そんな不安定な天候で進み、一応頑張るものの、カヴェンディッシュなどの上りが本当に苦手なスプリンターは山岳の餌食になり、友の会が結成されてました。

そしてゴール手前からは位置取り合戦が始まります。
上りを耐えたスプリンターやオールラウンダー系の選手が積極的に動きます。
とくに、積極的に動いていたのはBMCのエヴァンス。
チームメイトにアシストされながら前に出て、狙っていました。
しかし、力及ばず、チームごと集団に飲まれていきます。
そんな中、ヴァルディアーニとアルゴスの選手が積極的に前に出てきます。
少し前の豪雨で道は濡れてますから中々肝の冷えるような激しい展開が続きます。
そして最終コーナーで起きてしまいました。
先頭集団での落車です。
アルゴスシマノの選手がスリップしてしまい落車。
それに反応してブレーキをかけた少し後方でも落車が発生してしまいました。
殆どの選手がその影響を受ける中、、一番先頭を走っていたのはヴァルディアーニのマルコ・キャノーラが飛び出す形になります。
もうゴールまで数百メートル・・・
はっきり言ってネームの無い選手です。もちろんエースではありません。
アシストです。なのでここまで脚は使ってしまってますが・・・
これは完全に千載一遇のチャンスです。

文字通り、死ぬ気で踏んだでしょう。
それが単なる運だったとしても目の前にジロでの優勝があるのですから、やらないわけにいきません。
しかし、彼にはほんの少し運が足らなかったようです。
アルゴスのアシストが落車したのですが、その後を走っていたデゲンコルブはぎりぎり難を逃れていました。
デゲンコルブはアルゴスのエースで、去年のブエルタではスプリントで勝利を量産した実力者です。
実力も才能も確実に負けてますし、キャノーラはここまでのアシストで消耗してたでしょう。
キャノーラには勝つためには運に頼るしかありませんでした・・・しかしデゲンコルブは生き残ってしまいました。
必死に逃げますが、デゲンコルブは鬼の猛追を見せます。
じわりと、しかし確実に距離を縮められます。
結果、ほんの少し及ばずデゲンコルブに捕まえられ、抜かれます。
何とか後に喰らいつこうとしますが、キャノーラは完全に限界でした。
もし、デゲンコルブが落車に巻き込まれていたら・・・
もし、生き残った選手が居たとしてもデゲンコルブではなく無名クラスの選手だったら・・・

もしかしたらキャノーラの心は折れなかったかもしれません。
でも、あの状況で、デゲンコルブという実力者に抜かれてしまって、本人としては諦めなかったかもしれません。
それでも無意識のうちに、勝利が潰えたことを悟ってしまい、心は折れてしまったのではないでしょうか。
結局、そのままずるずると下がっていき、さらに後のグループに吸収されていきます。
キャノーラをかわしたデゲンコルブに止まる理由はありません。
そのまま最後までもがき、しっかり差をつけてゴール。
運と実力で勝利をものにしました。

そんな波乱のゴール前でした。
デゲンコルブの勝利より、タイムを更に失ったウィギンスやゴール地点の豪雨や、落車より
個人的にマルコ・キャノーラ選手が心配です。
彼はかなり落ち込んでると思います。
もし、私だったらこの負け方をして勝利を逃がしたなら心が折れてしまい立ち直れないかもかもしれません・・・
チームメイトは彼を慰め、励ましてあげて欲しいです。
まだ彼は24歳です。
諦めるには早過ぎますから・・・今後もしっかり走り続けて欲しいです。


次は今日の第6ステージ。169kmの平坦ステージです。
昨日のような、ゴール前に山岳が待ち構えてるようなスプリンターいじめの平坦ステージではなく、今日は完璧な平坦です。
中盤に少し上りがありますが、その後平坦が続くので多少遅れようと問題ありませんし集団もそこから活発化することは無いので大集団スプリントになると予測されました。

基本的には、2名の逃げが決まってから集団は落ち着いてました。
2名も逃げ切る見込みは殆ど無い選手なので心配はありません。
最後は4角形の16kmの周回コースを3週するレイアウトでした。
結局、逃げてた2名は36km地点で吸収されました。
しかしこの後に波乱が、周回コースに入り少しコースが狭くなったところで落車が発生。
狭い箇所で起きたため、道が塞がれてしまい後の選手は完全に足止めをくらいました。
当然、サポートカーも入ってこれませんのでリスタートが遅れます。
それによって後のほうの選手はメイン集団から1分以上の遅れてしまいました。
そしてその中に不運にもウィギンスの姿が
ウィギンスは基本的にその位置に居ることはまず無い(いつも比較的前のほうでリスク回避してます)のですが、今回はパンクの影響があり一時的に下がってた時に落車が発生し​て足止めをくらいました。
ウィギンスのような選手が遅れた場合、普通は紳士協定が働いたりするのですが・・・
今回はあまり働かなかったようです。
攻撃するような走りはすることはありませんでしたが、スピードを明らかに緩めるようなことはしませんでした。
こういった判断をするのはその時のリーダージャージを着てる選手なのですが、パオリーニはそのように判断しなかったようです。
いつも強すぎるスカイで、基本的に他のチームと協力するというより自己完結型のチームですから、今回他のチームは攻撃しない代わりに手を貸さなかったようです。
チームTTで優勝するような強力な布陣なので、想定通りその後しっかり集団には復帰しました。
そうなると集団での動きは活発になります。
ステージを狙うチームが出てきて、トレインを組もうと位置取り合戦が開始されます。
しかし、今日はゴール地点が塩田の傍で開けていて風の影響が強く、あまりに前に出すぎると消耗が早いのでアシストが他のチームに仕事を押し付けたがるような感じでいつもよ​りは速度が上がりません。
最初はオメガファルマが出てきて、次にキャノンデールやアルゴスが出てきて集団を引っ張ります。
しばらくはグリーエッジが姿を見せませんでしたが、最後にはしっかり上がってきます。
今日は昨日のようにゴール前にカーブは無いので集団は広がり、大集団での混沌としたスプリントが開始されました。
どこのトレインも完璧というわけではなく、かなりごちゃごちゃした展開でした。
しかし、そんな中しっかりと最後まで動いてたのはオメガ!
HTCのような完璧なトレインは無理でも、しっかり最後の最後まで2名のアシストを残していました。
カヴはその後にしっかりつきながら加速して行きます。
ステーグマンスのリードアウトを受けて発射!
向かい風の中のスプリントだったので少しタイミングが早いか?
と思いました。
実際、その後からはヴィヴィアーニ、ゴス、ブアニが追い上げできます。
特にヴィヴィアーニの勢いは凄く、最高速度では確実にカヴより上でした。
しかしそれでも他の選手はタイミングが少し間に合わず、カヴは最後までしっかりもがき切ってガッツポーズ!
見事ステージ2勝目を上げました。

本当にカヴは強いですね。
CBNマスターのブログでも書かれていましたが、すばらしい魅力も持ってます。
マスターのブログはこちら↓



カヴェンディッシュの異常な魅力を徹底解剖する

もちろん今、彼が強いのは間違いありませんが彼も人間です。
まだ27なので、しばらくは大丈夫ですが彼もまた年老いていきます。
当然体力は少しづつ落ちていきますから、今のようなパワフルな走りはできなくなるかも知れません。
それでも、彼が強いのは力だけではなく、トラック競技で鍛えられた経験やテクニックなどもありますから、晩年にはいぶし銀のようなスプリントを見せて、ジャージは獲れなく​とも勝つときにはしっかり勝つ選手として活躍し続けて欲しいです。
その頃にはお子さんも8歳くらいになるのかな?若い頃、暴れまわってたカヴェンディッシュも丸くなって完璧な英国紳士となり、子供の教育のためにもジェントルメンな振る舞​いを心がけるカヴの姿が・・・

想像できませんねw
まぁ時が経って、子供ができたりしたら人は変わることも多いのでもしかしたらびっくりするくらい温和になってるかもしれません。
今後も期待しましょう。
では、今日はここまで。

2013年5月7日火曜日

ジロ・デ・イタリア 2013 第3ステージ

Buona sera!
皆さんこんばんはTORIALです。
明日は6時半起きなのですが頑張ります!

今日のジロは第3ステージで、早速山岳ステージです。
今日も気温が結構高かったようで、放送開始直後にはいきなりFDJの選手の生着替えストリップショーが全世界に向けて配信されましたw
よく、ジャージを開けたりというのは見るのですが、今日はかなり暑かったらしく一度ジャージを脱ぐと、その下のアンダーウェアを脱いで、それからジャージを着なおしてました。
ということで一時的には上半身は裸(かろうじてHRモニターのセンサーがあるだけ)になってました。
しかし、それができるってやっぱりプロは凄いですね。
私は危険なので自転車の上での着替えはしません。(怪我をしてからバランスを取るのも難しくなりましたし)
アレは一刻を争うプロの世界だから仕方がなく、リスクを負ってやってることなのでわれわれは真似しないようにしましょう。
あれで転んで骨折ったりしたら全て台無しですから。

さて、本題のレースのほうに参りましょう。
レースは逃げ集団とメイン集団のいつもの構図で進んでいきました。
今日のレースは後半に山岳が2つあり、最後は長い坂を下ってのゴールなので山岳をしのげればスプリンターにもチャンスがあるというステージでした。
そのため、メイン集団ではスプリンターを擁するチームが何とかしようと引きます。
先頭を捕まえて、集団をコントロールして走ろうと考えたのか・・・
しかし結局カヴやブアニなどはいつも通り遅れましたw

そんな中先頭集団では山岳ポイントの争いが発生しました。
ワウテルス、ボアーロ、タボッレが順に2級山岳を通過。
その時点でワウテルスの山岳賞が確定。
しかしその後、タボッレがアタック。
単独で逃げ始めます。
逃がしてしまった先頭集団は追走しないといけないのですが協調が取れずお互いにアタックを仕掛けてはペースを落としていきます。
結果として次の3級山岳で追走集団は捕まり、タボッレが単独で逃げる形になります。
しかしタボッレはヴィーニファンティーニ所属の選手でプロコンチクラスの選手という事で単独で逃げ切るには力が足りないといえます。
しかし諦めず走り続けます。
後方の集団では総合争いをする有力選手が先頭に集まってきてますが、逃げてる選手が大したことがないのでここはリスクを負わずに行くのが得策。
そうなればタボッレにもまだチャンスはあります。

しかし、現実は非情でした。
なんと先頭集団でガーミンがペースを上げ始め攻撃をしかけました。
たちまち集団は小さくなり多くの選手が遅れました。
結局有力選手とそれのアシストの数名だけの20~30人程度の集団になりました。
しかしガーミンの攻撃は止まりません。
まさかのヘシェダルのアタックです。
あっという間に逃げていたタボッレを抜き去りました。
頑張って逃げてたタボッレはこのたった1回のアタックでむなしくも潰れました。
抜かれる瞬間「え?え!?」って感じでヘシェダルを二度見してました。
心のどこかではつかまるのは分かったと思いますがあまりにも早く捕まった上に、まさかのヘシェダルが追いついてきたからでしょうか?
あまりにもあっけなく終わったので少し可哀想でした。
ディフェンディングチャンピオンのアタックですから、他の選手も当然動きます。
ニバリやウィギンスはしっかりマーク、エヴァンスも少し遅れましたがしっかり追いついてきます。
そのまま先頭集団は活性化したまま山岳を越え、下ります。
最初、下りでは一度落ち着きを取り戻したのか慎重に下りました。
しかし今度はアスタナが攻撃開始。
アニョーリが飛び出します。
それにまたヘシェダルが反応するもんだからさあ大変。
この下りは長く、道は狭く、更にはヘアピンの多い危険な下りなのでリスクは侵したくないのですがそうも言ってられない。
全員また踏みなおします。
何とかアニョーリとヘシェダルを捕まえましたが、その絶妙なタイミングでパオリーニが今度は飛び出す。
このパオリーニは総合を争うような選手ではないので他の有力選手は追う気配を見せません。
最高のタイミングでした。リードをしっかり広げます。
そして、そんな高速ダウンヒルをするもんだからあちこちで落車が発生します。
中でも、深刻だったのはブランコの選手が落車したあおりを受けて何とランプレのスカルポーニが落車。彼は総合を争うイタリア人です。
怪我は大したことなかったのですが、不運なことにバイクが破損。
チェーンが完全に落ちて走れなくなりバイク交換が必要になりました。
しかし道の狭い下りなので中々、サポートカーは来てくれません。
結局、サポートカーは間に合わず、下ってきたアシストのバイクを貰い受けて再スタートしたようです。
これはあまりにも不運な痛手です。

そんな波乱のある中、完璧なタイミングで飛び出したパオリーニは最後まで逃げ切り。
謎のスポンサーアピールをしながらゴール。
そして、それから遅れること16秒程度で有力選手の揃う先頭集団が来ます。
ここも目が離せませんでした。
今年のジロはボーナスタイムが復活してるので、2位3位になればタイムを稼げます。
最後はスプリント勝負になりました。
結果、2位はエヴァンス、3位ヘシェダルでした。
積極的に動いたヘシェダルですが、アタックで疲弊したのか最後、歯を食いしばって踏んでましたが冷静に踏んでるエヴァンスに追いつけませんでした。
とは言うもののエヴァンスとヘシェダルはウィギンスやニバリに対してタイムを稼ぎました。
昨日のチームTTで遅れただけあってこれは二人にはおいしい展開になりました。

まだ第3ステージなので、有力総合勢は積極的に動いてこないと思われたレースですが、ヘシェダルの予想外のアタックにかき乱され波乱の展開となりました。
特にスカルポーニは非常に痛いタイムロスです。
結局1分程度遅れました。
ボーナスタイムを稼げば少しは縮まるかもしれませんが、それを他が許すかどうかは分かりません。
ボーナスタイムが復活したことで、今後のレースの展開が激しくなっていくかもしれません。
明日も山岳ステージで、明日は最後の山岳を上ってからゴールが近いので、山岳で上手くアタックを仕掛ければタイムを稼げます。
また波乱の展開になるかも?
では、今日はここまで。