Buona sera!
今日のジロは第10ステージ。167kmです。
休息日明けですが、いきなり超級山岳ステージです。
レースの方は休息日明けという事もあってフレッシュな選手がスタート直後からアタック。
逃げ集団が形成されたようです。
逃げ切りたい選手のほか、中間スプリントを狙うキャノンデールのヴィヴィアーニなども混ざってそれなりに大きな逃げ集団になりました。
後方ではアスタナやスカイがメイン集団をコントロールしていきます。
1つ目の1級山岳に入り始めると、まずスプリントを狙う選手が少し飛び出します。
後の追撃を許さない程度の差をつけると先頭のグループの中ではヴィヴィアーニが一つ抜けて実力&スプリント力がありました。
多少の小競り合いはあったものの比較的平和にヴィヴィアーニがトップ中間スプリントを通過。
その後、ヴィヴィアーニは頑張る必要は無いので下がっていきました。
中間スプリントを超えるといよいよ頂上を目指します。
飛び出したのはジャクソン・ロドリゲスとセルジュ・パウエルス。
2人で走りますが、最後はロドリゲスが飛び出しトップ通過。
その後下りに突入します
タイム差はまだ十分にあります。ステージ優勝の可能性が無いわけではありません。
しかし、ここでロドリゲスが落車。
すぐに復帰しますがどうやら変速に異常が、FDが上手く動かず下りでアウターにチェーンが掛からないようでした。
すぐにチームカーを呼んでバイクを交換するもサイズが合っていないようで、走りながらサポートカーの傍に行き、サドルの高さを調整してもらっていました。
時々見るシーンですが、今日はかなりガッツリ動かしていました。
完全にサイズ違いのバイクを渡されたようです。
結局、サドルの高さを調整しても合わなかったようでその後、もう一度バイク交換をしていました。
エースクラスになると、サポートカーにはスペアバイクも全く同じセッティングのものが用意されたりしてるらしいですが、アシストはなかなかそうはいかないようです。
それにしても、ある程度はサイズを合うようなものを用意したりするのが普通のようですが、今回は近くに居たサポートカーにたまたまサイズの合うバイクが積まれていなかったようです。
運が悪いとしか良いようがありませんが、仕方が無いですね。
その後、パウエルスと合流して粘りますが次の山岳の始めに吸収されます。
ここから先は一気に上って頂上ゴール。
かなり険しい山岳です。各チームのアシストがしっかり引きながらペースが上がります。
特にスカイのアシスト陣が相変わらず良い引きを見せます。
集団は崩壊し、実力のある選手しか残れませんでした。
かなり良いペースで走り、他のチームが動けませんでした。
そんな中、スカイのウランがアタックを仕掛けました。
ウランも総合では上位ですが、脅威になるような位置ではありませんし、マークしたいのはウィギンスですからここは逃がしました。
そのままウランはペースを上げて一人旅を始めます。
そんな中、後方ではスカイのアシストが減っていき次はアスタナが出てきます。
ニバリの親友のアニョーリが懸命にアシストを続けます。
そしてアニョーリが千切れるといよいよ総合上位の選手たちの戦いになりました。
そんな中、なんと遅れたのはウィギンス。
先頭ではウランが爆進中で、スカイも組織的に動いてたのにここで遅れるのは・・・
調子が上がらないというか、調整が間に合わないというか、単純に今年は彼の年ではないのかも知れません。
ウィギンスが遅れていきますが、ニバリやエヴァンスは待つ理由はありません。
ここでニバリがペースを上げていきます。エヴァンスもしっかり反応してついていきます。
ウランに対しての差は思うように詰まらず、優勝の可能性が高くなってきます。
しかし、そんな中ニバリやエヴァンスのいる集団からはベタンクールがアタック。
ベタンクールは新人賞ジャージを狙ってるのでそれのためのアタックです。
今年、結構活躍してる選手で今後が期待できそうです。
新人賞という事なので他の選手にとっては問題はありませんでした。そのままアタックは容認されます。
先頭が活性化するなかウィギンスはずるずると遅れていきます。ウィギンスとほぼ同時にヘーシングも遅れていきましたが、こちらもどんどん下がっていきます。
ちなみにヘシェダルはもっと早くに遅れていきました・・・彼は今年はもう無理ですね。
最終局面で、ウランの勝利は確定しました。
砂塵らしきものが舞う山頂にやってきたウランは控えめにガッツポーズをしながらゴール。
今日知ったのですが、彼はコロンビア出身で14歳のときに麻薬組織の抗争に父親が巻き込まれて死亡。
その後は家族を養うために宝くじを売って生活していたという苦労人だそうです。
かなりハードな人生ですね・・・
去年のオリンピックロードでは銀メダル、今年のジロではステージ1勝、そして表彰台の可能性もあります。
こういう苦労人はもっと報われて欲しいです。
才能もあるようですし、スカイは本当に恐ろしいほどの人材が揃ってますね。
それがゆえに難しく、脆さがありそうですが・・・
ウランがゴールすると、次はベタンクールがやってきます。
1位と2位はなくなりましたが、まだ3位は残っています。
そして3位にはボーナスタイムがあります。
そうなるとエヴァンスとニバリは火花を散らしました。
ニバリが先に動きましたが、この大事な局面で少しメカトラ(チェーンが落ちた?)があったらしく少し出遅れますが、大事にはならなかったようですぐに追いつきます。
最後はしっかりペースを上げて、追い上げるエヴァンスを抑えて3位に。
エヴァンスに対して少しだけリードを奪いました。
実はニバリはこれよりも前に、1度チェーンが落ちるトラブルがあり、降りて直さなければなりませんでした。
それから直しても、もう一度トラブルが発生。
しかも大事な局面で・・・ツール2010年のアンディの事件を思い出しますね。
本当に機材の信頼性って大事だなと思いました。
(ちなみに今回のニバリの機材はカンパEPSです。しかも恐らくチェーンウオッチャーを装着していたはずですが・・・)
ちゃんと調整すれば大丈夫だから・・・というのはあまり信頼しない方がいいと思います。
ちゃんと調整すれば大丈夫というのは当たり前で、多少問題があっても少し性能が落ちたとしてもしっかり動作するキャパシティのあるものでないとプロのような過酷な条件では思いがけないトラブルに遭うかもしれません。
そんな信頼性を重視したシマノが躍進してきたのが一つの回答だと思います。
こういったトラブルで勝負に決着がついてしまうのはあまり気分が良いものではありません。
それは選手にとってもそうでしょう。
俺があいつに勝ったのはトラブルがあったから・・・
俺があいつに負けたのはトラブルに遭ったから・・・
勝者も敗者も誰も嬉しくありません。特に勝者は喜びに水を差されるかもしれません。
勝敗の結果より、重要局面でのトラブルでアンディのことを思い出してしまいちょっと脱線してしまいました。
こういうことが今後無いとは言い切れないでしょうが、せめて重要なシーンで起きないことを祈ります。
では、今日はここまで。
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