2013年7月15日月曜日

ツール・ド・フランス 2013 第14、15ステージまとめ

すみません。
11~13ステージあたりは用事や体調不良でレースが見れなかったりしてまとめができませんでした。
14ステージから再開です。

 は第14ステージで191kmのアップダウンの続く平坦ステージです。



レースは序盤からアタックがかかり、なんと18人もの大きな逃げ集団ができます。
最初はメイン集団でも追う動きがありましたが、逃げた人数が多く、なかなか上手く詰められなかったため容認という形になりました。
今日は逃げが決まるであろうと予測されていたステージで、スカイにとっては逃げ集団の中に脅威になるような選手も居なかったので容認された後は落ち着きます。
落ち着くといってもスカイは昨日の嫌な思いがあるので先頭でずっと集団をコントロールしていました。

逃げ集団は18人もの大所帯。
有名、有力どころで言うとフォイクトやミラー、ブルグハート、ヴァンガーデレン、タランスキーが居ます。
私の予想ではこのステージで新城選手が逃げてくれると思っていたのですが、先日の落車で手に深い傷を負ってしまったので今日は逃げに乗れなかったようです。
非常に残念です。
この先のステージはいよいよ後半戦の山岳に突入し、逃げ集団に乗って逃げ切って勝利が決まる可能性はかなり低いので今年も勝利はお預けかな・・・
でも、まだ何が起きるか分からないので楽しみにしておきましょう。

逃げ集団は大きく協調が崩れるようなことはなく、淡々と進んでいきます。
中間スプリントでもすこし前に出る選手が居たくらいでもめる様なことはありませんでした。
なお、今日の中間スプリントは逃げ集団が大人数だったため全てのポイントを奪ってしまい、メイン集団は中間スプリントでポイントを得ることはできませんでした。
なのに、それをわかっていなかったのか、メイン集団ではカヴェンディッシュが一人だけ集団から飛び出しました。
後を振り返って、サガンやグライペルが出てこないので頭に?マークが浮かんでるようでしたw
彼は、こうやってたまにポイントが得られないのに飛び出したり、周回レースで、周回を間違えてスプリントしたりと結構天然なところがあるそうです。
しかし、いきなり飛び出したわけじゃないんだから誰か教えてあげなよw
テレビには映ったからスポンサー的には良かったかもしれないけど。

そして中間スプリントを過ぎたあたりになるとメイン集団で少し動きがありました。
約3分半差を行く、逃げ集団に追いつこうとアタックをかけ飛び出していく選手がいました。
先ずはフーガーランドとクネゴが飛び出していきました。
少し遅れてオロスも飛び出していきます。
しかし、逃げ集団とのタイム差は中々縮まらず、この追走は失敗に終わりました。

残り42km地点での逃げ集団とメイン集団のタイム差は5分2秒となりました。
この後リヨンの市街地に入っていき道も狭くなることからメイン集団は差が詰めにくくなります。
それを考えると今日の逃げが決まったのはほぼ確実になりました。
だからこそ、新城が居て欲しかった・・・

残り24.8km地点。
この頃になるとそろそろ逃げ集団でもけん制が始まります。
タイム差は6分以上あるので、まずメイン集団には追いつかれないので非常に活発になります。
先ずはミラーが集団引いていき、チームメイトのタランスキーがアタックするなどの動きでアタック合戦がはじまりました。
この結果、ベテランのミラーやフォイクトは逃げ集団に居たチームメイトに役目を託して、自らはアシストに回ると千切れていきました・・・
個人的にはフォイクトは最後、アタックして、勝利はできなくても、敢闘賞に選ばれるようなことを期待していたのですが・・・
そこは自分ではなく、27歳のバークランツに託して行く当たり良いベテランだなぁと思いました。
ちなみにバークランツは今年、第2ステージで優勝し、暫定マイヨジョーヌになりましたが、その昔フォイクトも同じようにマイヨジョーヌを着たことがありました。
そのため、フォイクトはホテルで、バークランツが獲得してきたマイヨジョーヌを見て非常にしみじみしていたようです。ただ、バークランツはあまりにフォイ クトがマイヨジョ​ーヌを羨ましそうにしてるもんだから奪われるんじゃないかと心配したそうですw(ちなみに暫定といえど、一度獲得するとあのジャージは 貰えると聞いたことがあります。フォ​イクトの時は違ったんでしょうか?)

アタック合戦が続き、アタックしては吸収されを繰り返していましたが、うまくやったのはソジャサンのジュリアン・シモンでした。
15.2km地点で、その前にアタックしたヴァンガーデレンとゴチエが吸収されようとしたときカウンターアタック。
しかもそこは市街地の下りで視界も悪かったのでそれを逆手に取り上手く成功させました。
タイム差は15秒程度獲得すると単独ゴールを目指して踏んでいきます。
残り距離は短いので、後の逃げ集団もシモンを捕まえたいのですがここでも誰が引くのか、行くのかでけん制になって上手くまとまりません。
TJやカドリが飛び出して一時は迫りますが届かず、吸収。
アタックを繰り返した選手は徐々に千切れていきますが、逃げ集団は協調することはなくひたすらアタックを繰り返します。

そんなのだからタイム差は上手く縮まないかと思いきや、シモンも単独で行くには少し厳しかったようで徐々に詰められていきます。
本当に後一歩のところまで逃げます。
残り1.6kmになると後の集団からブルグハートとアルバジーニが飛び出し一気に詰めてきてついにはつかまってしまいました。
しかしシモンは、諦めずアルバジーニの後に付きます。
彼の脚質はスプリンター系なので、脚が無いはずですが、最後に上手く、まくれるかもしれない可能性を捨てなかったようです。
そして最後は後の集団も合流してしまい、逃げ集団でのスプリント勝負になりました。
上手く飛び出したのはアルバジーニで、その後でシモンももがきますがやはり脚が残ってなかったようで加速できません。
アルバジーにかと思ったその時、画面左側から青白のジャージが飛び出してきて、最後上手く刺して、最速でゴールラインを通過しました。
勝ったのはオメガファルマのトレンティでした。
彼はオメガのサードスプリンターだそうです。
最強のスプリンターであるカヴェンディッシュがいるオメガでのスプリンターとなると、サードでも他とはレベルが違うスプリント力でした。
アルバジーニのはるか後から仕掛けたのに伸びに伸びて、加速していき勝ちました。
いや凄い!
彼は普段はカヴの影に隠れてしまう存在ですが、今日は自ら走り、自らの力で大きな勝利を得ました。
まだ25歳なので、今後飛躍していくかもしれません。

最後まで頑張ったシモンですが、11位という結果になってしまいました。
しかし、その絶妙なタイミングでのアタックと、最後まで決して諦めなかった走りが評価されたようで敢闘賞獲得!
最後の死に物狂いで踏む姿を見ていて本気で応援していたので、せめてこうやって報われてくれて非常に嬉しいです。

メイン集団のほうは最後まで大きな動きもトラブルもなくゴールしました。
次はいよいよモンヴァントゥが待っています。
そこで何かが起きる前の静けさのような気がしました。
モンヴァントゥを最後上るだけでなく、242kmの最長ステージで、更にはフランスの革命記念日!
盛り上がりそうです。
特に、ここまで全く良い動きを見せていないヴォクレールが非常に気になります。
ローランが山岳賞狙いになってるので、チームとしてどうするか悩みどころですが、フランス人は黙ってるわけにいかないでしょう。

そして今日は第15ステージ、242.5kmの山岳ステージです。



山岳ステージとは言うものの、殆どが平坦で最後に死の山モンヴァントゥーがあるだけです。
まぁその”だけ”がとてつもなくハードなのですが・・・
最後が、最後だけに総合での動きがあると思われるステージです。

レースは序盤に逃げが決まり10人ほどの選手が逃げました。
その中にはサガンやシャヴァネルの姿もありました。
シャヴァネルは逃げ切りが目的ですがサガンは、モンヴァントゥー前の中間スプリントねらいです。
残り78km地点でタイム差は3分39秒。
メイン集団は最後に備えて、逃げを泳がせます。
モビスターがこの頃は積極的に集団を引いていました。
バルベルデは先日、トラブルにより総合争いから脱落してしまいましたが、クインターナがまだ総合で残ってる上に、新人賞もあるのでそのための動きです。

残り33km地点の中間スプリントでは逃げ集団で多少争いがあるかと思いきや、サガンがあっさりと1位通過しました。
サガンはシャヴァネルなどを警戒していたのですが、全く動きませんでした。
今日は完璧に逃げしか興味がなかったようです。
後のメイン集団ではグライペルとカヴが集団前方に出てきて、特に争うわけもなく通過していきました。
まぁサガンとの差を考えると、逆転は難しいですし、この後の上りのために脚を使いたくないんでしょう。

残り28km地点ではタイム差は2分36秒と少し縮んできました。
この頃からメイン集団はスカイが引き始め、ペースを上げていきます。
逃げ集団では、スカイが追ってきてタイム差が縮んできたことを受けてアタックが発生。
シャヴァネルが一人飛び出します。
追ったのはロア、リブロン、イリサールの3人です。

19km地点ではスカイの強力な引きにタイム差が1分42秒まで縮みました。
そしてこの頃から、有力選手たちも付いていけなくなり、集団から千切れていきます。
良くなかったのは山岳賞ジャージを着ているローランが遅れていったことでした。
今日はかなり暑かったようで、暑さに負けてしまったのでしょうか?
今日は超級山岳の山頂ゴールで1位の選手は一気に50ptも山岳ポイントを獲得できます。このときのローランの保持ポイントは51ptなのでここで遅れると山岳賞は・・・​

そんなペースが上がる中、逃げ集団から諦めた選手がぼちぼち集団に吸収されていきます。
17.4km地点では、サガンが吸収されていきました。
しかし、ただで吸収されないのがサガン。
吸収される前には得意の片手手放しウィリーをキメて余裕の表情。
しっかりカメラに映り、アピールしながら吸収されていきました。お前実は本気出せばシャヴァネルについていけただろ・・・
ゴールでやるならまだしもまだ途中だからミスって落車なんかしたら大変だと思うのですが・・・
まぁこの男はヘント~ウェヴェルヘムで独走優勝したときも、かなり疲れがあるはずなのにウィリーしてたくらいなので大丈夫なんでしょう。
そんなサガンは吸収された後は、無理に頑張ることはなくそのまま下がっていきグルペットに

シャヴァネルの逃げは、強力でタイムが縮む速度が上がりません。
14.3km地点ではメイン集団から下がってきたイリサールのアシストを受けてバークランツが飛び出していきます。
なお、本来ならレディオシャックのエースのアンディはここで遅れていきます。
また、今日は活躍したい(フランスの革命記念日なので)ヴォクレールも遅れていきます。

13.6km地点では続いて、ニエベがアタック。
13km地点でバークランツと合流すると26秒先のシャヴァネルを追います。
また、12.7km地点ではついにクインターナがアタック。
かなり軽快に飛び出していきました。

12.6km地点ではシャヴァネルにニエベが追いつきパスしていきます。
シャヴァネルはそこで力尽きてしまい12km地点で吸収されてしまいました。
シャヴァネルもフランス人なので今日は何とか逃げて勝ちたかったのですが・・・

相変わらず、スカイが集団を引き続ける中、11km地点で今度はエヴァンスが遅れていってしまいます。何とかアシストを使って追いますが、差は縮まらずズルズルと下がって​いってしまいました。
先頭ではクインターナがニエベと合流すると2人で上っていきます。
集団はペースを緩めることなく進み48秒まで差を縮めました。
バークランツも結局9.6km地点で吸収されてしまいました。
どんどん人数が減っていき、集団を引くのもスカイ最強のアシストのリッチー・ポートになった事で更にペースが上がりタランスキー、クヴィアトコフスキー、バルベルデが遅れ​ていきます。

そのままポートが引き続けるとメイン集団はいつの間にか、ポート、フルーム、コンタドール、クロイツゲルの4人になってしまいました。
クロイツゲルはコンタドールをアシストしようと粘りますが、ポートのスピードについていけず3人になってしまいました。
そうなるとタイム差は一気に縮んでいき7.5km地点では15秒差となってしまいました。
先頭ではニエベが遅れ始めてしまい、クインターナが単独でゴールを目指していきます。

そして7.2km地点。
まだ、ゴールは遠いのですがフルームがアタックを仕掛けました。
コンタドールは反応はしたはずなのですが、あっという間に引き離してしまいました。

6.7km地点でクインターナに追いつきます。
コンタドールは後14秒程度のところに居て、クインターナは好調なのでここは2人で協力していくのかと思いました。
「今日のステージ優勝はあげるから、ここからちょっとアシストしてくれないか?」
なんて言葉をかける手もあったはずです。先日タイムを失ったとはいえ、まだアドバンテージがあり、下手を打って力尽きてしまうより、そっちの方がリスクは少ないはずです。​
しかし、フルームは違いました。
合流したと思ったら、そのままアタックしていきます。

クインターナも、ステージ優勝の可能性があるのでここはしっかりチェック。
結局5.8km地点で合流して2人で行きます。
2人は表面上は先頭を交代しながら行きますが、協力する気は無さそうです。

残り3.7km地点。コンタドールたちとの差は30秒程度でした。
ここでフルームは再びアタック、当然クインターナはチェックに入り、まだ食い下がります。
クインターナはコロンビア出身で、ツールの前には2ヶ月地元の標高2600mのところでトレーニングを重ねたそうです。
新人の彼が、ここまでフルームについていけるとは将来が期待できますね。

2人は結局未だ離れることなく、ゴールを目指します。
今日は観客の数が非常に多く、1.5km地点には悪魔おじさんを確認いたしました。
今日はスペシャ衣装で、いつもの赤い服ではなく、黄色のマイヨ・ジョーヌ仕様でした。

残り1.3km。
ここでフルームがなんと4度目のアタック!
彼は安全策やリスクの事を考えないのでしょうか?物凄い闘争心です。
このアタックについにクインターナもついていけませんでした。
こうなるともうフルームを止めれるものは誰もいません。

最後の最後まできっちり踏み、回し、ゴールラインを通過すると右手を高々と挙げてウィニングポーズ!
非常に好調だったクインターナですら、30秒も引き離す大勝利でした。
コンタドールに対しても結局は1分40秒の大差をつけて勝ちました。
コンタドールはせっかく先日、1分9秒のタイムを奪うことに成功したのに今日はそれ以上に失ってしまいました。
まだ今日は最終週前の山岳なのに2位のモレマですら4分14秒、3位のコンタドールは4分25秒も離されてしまいました。

そして、今日ステージ優勝したフルームは、山岳ポイントを50pt獲得して、持ち点が既に33ptあったので合計で83ptで山岳賞もトップに。
それまでトップだったローランは遅れてしまい51ptのまま。
逆にクインターナは2位とニエベが3位となりポイントを稼いでしまったため4位まで交代しました。
山岳賞の順位は
1位 フルーム 83pt
2位 クインターナ 66pt
3位 ニエベ 53pt
4位 ローラン 51pt

今年の山岳賞はマイヨ・ジョーヌ&マイヨ・ア・ポアか、マイヨ・ブラン&マイヨ・ア・ポアになるかも知れません。
山岳だけを狙って山岳賞を取るのではなく、他を狙って走り、純粋に強いので山岳賞を取るなんて・・・フルームとクインターナの走りは恐ろしい限りです。

明日は休息日。
ここまで絶好調なフルームですが、最終週で疲れから体調を崩して失速なんて事にならなければ良いですが・・・
それは他にも言えることですね。
まだ分かりません。
では、今日はここまで。

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