絶好調のサガン!ツール2勝目を獲得。しかもかなり余裕をもってウィニングポーズを決めながらのゴール。この22歳の若者は一体なんなんでしょう?TTはとてつもなく速く、スプリントもできて、上りもこなせる。シンデレラボーイとはまさに彼です。もしかしたらひょっとしてしまうかもしれません。目が離せませんね。
さて、今日は怪我の話をします。残念なことですが今日のステージでは落車が多発し、2名の選手がリタイアを余儀なくされました。毎年のようにあることですが選手たちには悔やんでも悔やみきれないものだと思います。怪我は誰もしたいものではありません。当然です。怪我をすることでそのシーズンを棒に振ってしまったり、身体に影響が出たりします。今年の春にも新城選手が落車で手首を骨折して、シーズン初めは全く自転車に乗れなくなり、握力もゼロになったそうです。
しかしながら、怪我をして自転車に乗れなくなるという経験は確かに身体的には良いことはありませんが精神的にはいい影響を与えることもあります。
私の場合は去年、トラックと事故に遭い背骨を折って一時期は歩けなく、いや足の筋肉が全てなくなり車椅子生活になりました。幸い脊髄の損傷は殆どありませんでしたがそれでも多少後遺症はあり、今でも脚の感覚が若干鈍くなってます。丁度7月の終わり、自転車のシーズン真っ盛りで、ヒルクライムレースに向けて調子が上がってきたところで事故に遭いました。当然。そのシーズンは棒に降りました。更には仕事も失いましたし、当然大好きな自転車も乗れなくなりました。しかし、奇跡的に脊髄の損傷がなかったことで再び自転車には乗れることが分かり希望を失わずにすみました。その時に、色々考えました。まず、自分はこれからどうするのか?自転車はどうするか?怪我からの回復は?仕事は?・・・など入院生活で色々考えさせられました。それで分かったことは自分でも思っていた以上に私は自転車が好きだということです。
色々考えたと言いましたが、ほとんどは自転車のことでした。仮にもう一度乗ることができなくなってもハンドバイクか・・・もしくは車椅子レースに挑戦することすら考えていました。そして、今の自分の状況を考え、これからどう自転車と付き合っていくのか?リハビリ、トレーニングをどうしていくのか?競技活動をどうするのか?考えました。自分のことを、身体を客観的に見て考えました。そしてその中でどんどん自転車に対する思いは強まりました。それでも自転車には暫く乗れない。回復すれば乗れるのですが、回復するまでは乗れない。それは本当に苦しかったです。
10月終わりには先生から許可も出て自転車に乗れましたが、当然それまでのように乗ることはできません。思う通りに身体が動かないだけでなく、少しでも強度をあげたり、距離を走ろうとすると痛みが走る・・・これも非常に歯がゆい思いでした。 しかしそれも自分の身体について深く考えるきっかけになり、更には長い距離が乗れないということで自転車に乗れるときはとことん楽しみ、走りに集中することができるようになりました。特に走りに対する集中力は非常に上がりました。身体の声に耳を傾け、サイコンやハートレートモニターのデータを読み解析、路面状況を読みライン取りや事故回避、今のポジションやセッテイングについて今まで以上に考えるようになりました。気が付けば本当に自転車のことばかり考えてました。自分の感覚ですが事故の前より3~5倍くらい自転車のことが好きになってます。今もそうです。
なので、もちろん事故や怪我はゴメンですが、もし怪我をして自転車に乗れない状況があれば一度、自転車と自分について考え直してみると良いです。自分がどれだけ自転車のことを好きか、どう付き合っていくのか、今後どうしていくのか考え直すきっかけになります。もし、今、自転車に乗れない状況になってる人は考え直してみてください。では、今日はここまで。
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