今日のCBNの投稿にこんなのがありました。
[ROAD] LOOK 586 UD
http://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10562&forum=49&post_id=18217#forumpost18217
momochi_gyugundさんのレビューです。
で、今日の話題はこのLOOK586UDではありません。
このレビューを読んで印象的だったのは586ではなく、比較対象にされているRNC7です。
読んでみて思うのですが、予想以上にRNC7が善戦してます。
確かに評価を見ると586が勝ってますが、完全に負けてるという程でもなく、また練習コースでのTTの記録を見る限りでは1.9kgも軽い586を使っても未だ、RNC7で出したベストタイムが更新されていません。
その時の体力が一番大きく影響するので単純に比較することはできませんが、それでもベストタイムとの差がまだ、48秒もあります。
これを見るとRNC7の底力を感じてしまいます。
で、それならRNC7はレースで使えるのか?
と考える方も多いでしょう。
私もその考えを一時期は持っていて、本気で購入を考えてたほどです。
しかし結局は、購入を諦め、止めました。
じゃあなんで止めたのか?
それについて書きながら、ちょっと最新クロモリについて考えてみようと思います。
止めたという事なので私自身はRNC7には乗ってませんが、他の人の意見を借りながら書いてみます。
まず、RNC7の評判を調べて少し気になることがありました。
CBNで見てみましょう。
RNC7のレビュー 一覧
http://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5317&forum=49
ここで書かれてるネガティブな部分をピックアップさせていただくと
・登り途中の急勾配を一気に乗り越えたり、スプリントなどトルクをかける瞬間にわずかにもたつく感じがする
・RNC7は剛性が高い方ではない。とくにフロントフォークは
・下りでは剛性不足のせいか、大変気を使わされます
正直、1つ目はあまり気にしてません。
ここは重さやフレームの特性に因るところだとおもいます。
パーツアセンブルである程度カバーできるでしょう。
気になるのは2つ、3つ目です。
どうやらフォークやヘッドが少し剛性不足で、下りで飛ばしたりすると怖いようです。
場合によっては大きな振動が発生し、コントロールを失いかける・・・なんて事例もあるそうです。
これは怖いし、レースでの下りでは速度がでます。
そんな状態で落車すれば・・・
自分だけなら良いものの、他の人を巻き込んでしまったりすれば・・・
ということを考えるととても無視できません。
で、これの問題は何か解決策があるのか?
というところになります。
ここで要因として考えるのはフォークやヘッド周りの剛性不足、後フォーク自体の精度などです。
これを改善するにはフォークを交換することだと思います。
以前乗ってたDE ROSA TEAM 2007ではフォークを純正から3T FUNDA PROに交換したことで劇的に下りが改善した経験があり、フォークの重要性を私は非常に強く認識してます。
ならフォークを交換しよう!と思うのは自然です。
ここに私がRNC7の購入を諦めた最大の原因があります。
RNC7の写真を見てみましょう。
アヘッド式ヘッドですが、これが何とイタリアンサイズ(1インチ)なのです。
クロモリで1インチというのはそこまで珍しいことではありませんが、今の時代で1インチサイズというとレースの世界では完全に死んだ規格です。
コルナゴなんかはカーボンフレームを作りだしても1インチに拘り、1-1/8インチヘッドを否定し続けていましたが、結局オーバーサイズヘッドの剛性上昇や、他との規格整合のためにも1インチを諦めました。
そのため、フォークを交換しようと思っても、まず市場にレーススペックで十分満足できるカーボンフォークが存在しないのです。
一応、フレームビルダーに頼めばスチール製になりますが1インチでも高剛性なフォークは手に入ります。
しかし、それを装着したとしてヘッドは1インチ規格のまま。
フレーム自体がそこまで硬いフレームではないので、フォークの硬さにヘッドの剛性が追いつかず今度はフレームが負けてしまうかもしれません。
つまり、このままでは仮にパーツを交換したとしても問題が解決できない恐れがあります。
RNC7自体がそういうものな(レースで使うより自転車自体を楽しむという)のかも知れませんが、レースで使おうと考えると、ダメという事になってしまいます。
更に言うと、何かしら問題が起きてフォークやヘッドを交換しなければならなくなった場合に1インチヘッドではパーツの供給に不安があります。
レースで使う以上、単純な性能だけでなく、運用面でのことも多少は考えなければならないのでそれはちょっと...
という感じになってしまいます。
以上の結果。
私はRNC7を諦め、止めました。
しかし、他の人の話を聞く限りこの剛性の低さやウィップ感などがRNC7らしさというもので、これ自体が完全に欠点と言う訳にはいかないようです。
実際に586に乗ってるmomochi_gyugundさんも
『でも、どうなんだろう。モガくとあからさまにしなる感じがRNC7の美点だと思ってるし、RNC7はあのままでいいのかもしれない。あのままがいいのかもしれない。』
と仰ってます。
なので、これ自体が残しておくべき特徴なのかも知れません。
しかし!
ロードレーサーはやはりレーサーで、レースを捨ててはいけないと思うのです。
まず、RNC7自体が上記のらしさ(レース以外のもの)を求めた結果がそれなら納得しましょう。
ですが、RNC7自体が現在ではANCHORのクロモリフラッグシップですから、Neo-Cotの粋を集めたマシンであるはず。
ならばRNC7がこのままではいけないと思うのです。
7はそのままだとしても世界にNeo-Cotを宣伝し、ANCHORの魂とするならレースに使える、プロが納得するNeo-Cotフレーム、仮にRNC8とでも言いましょうか...それを作るべきだと思うのです。
ならばRNC8とはどうなるのでしょうか...
ようやく最新のクロモリについて考えるところまで来ました(笑)
まず、私の気になるヘッドやフォークを改善しなければいけないでしょう。
そうなるとまず、弄らなければいけないヘッドの規格。
1-1/8インチでも良いのですが、この規格も既に古くなりつつあります。
実際、ANCHORのモデルでもこの規格を採用してるモデルは無くなってきてます。
何れもテーパーヘッドを採用してきてます。
しかし、ANCHORは採用してるテーパーヘッドの規格は下側が控えめに大径化してる上1-1/8、下1-1/4規格です。
他のメーカーだと更に下が大径化してる上1-1/8、下1-1/2規格を採用してたりするのですが、ANCHORは1-1/4です。
そこには多分、RNC7に通ずるものがあるのではないでしょうか?
必要十分な剛性を維持しつつ、RNC7であった様ならしさを実現しようと思いこの規格になってるのではないでしょうか?
そうなるとRNC8のヘッド規格は上1-1/8、下1-1/4規格になるのが自然だと思います。
そうなると特注でヘッドチューブを作らなければなりませんが、まぁそこはANCHORさん頑張ってください。
あなたがNeo-Cotに自信を持って売るなら作らないわけにいかないでしょう(笑)
作れるはずですし・・・
そうなるとヘッドが決まりました。
後はフォークをどうするか?
RMZなどでは自前で作ってるのですからここは心配せずとも自社でも十分高剛性なものを作ってやれるでしょう。
レースで使うために全体の剛性を考えるとBB周りを弄っても良いかもしれません。
ただ、ここは無理にRMZなどで採用されてるBB91規格などを採用せずとも、使うパイプの硬さなどで対応できるのではないでしょうか。
従来の規格で作った方がノウハウもあるはずですからここはそのままにして、剛性を上げつつ、自慢のらしさを残してくれるのが良いと思います。
結局そこから出来上がるのはRMZというよいRIS9の方が妥当ですね...
RIS9のクロモリ版がRNC8になるのかも知れません。
ただ、そこにはRNC7であったらしさが薄れる可能性が否めません。
RNC8を出してRNC7の生産をやめてしまうのはあまりにも惜しいと思います。
そうなるとRNC8にはRNCの型番を当てはめてしまうのは不適切なのかも知れません。
RNCが恐らくRacing Neo Cotの略だと思うのですが(根拠はありませんw)・・・
Racingではありませんよねぇ・・・
まぁここはRaceingとは考えずRational(合理的な)と考えた方が妥当でしょうか?
Neo-Cot自体が応力解析の結果、生まれたものなのでその方がしっくり来ます。
で、じゃあRacingを新しいものに採用しようとするとやっぱりRNCになってしまいますw
じゃあちょっとだけ変えたものという意味をこめて
RfNC = Refined Neo Cot
としましょうか?
リファインしてもらいましょう。
新たなモデルとしてRfNC8というのはどうでしょうか?
一応、ナンバリングとしては7の流れを受け継ぐということで8で…
もし、作るのなら作って欲しいです。
クロモリの本気なら、正直オーダーに行けというのが早いし確実だと思いますが、マスプロメーカーの既製品フレームでどこまでやれるのか?
というのを見てみたい気もします。
実際作ってる売れるのか?
まぁ売れなくは無いと思います。
ただ、RNC7の売り上げは減ってしまうかもしれませんから全体の収益としては??
ってなってしまいます。
事実として、私が将来的にオーダーしようと思ってるところではオーダーフレームの基本価格はRNC7より下ですし、ヘッドのテーパーはできるかどうか分かりませんが、オーバーサイズ化は可能です。
全体の剛性調整もしてもらえますし、体格に合わせた設計をしてもらえます。(これは非常に小柄な私としては計り知れないメリットです)
ただ、RNC7も510~550の日本人にメジャーなサイズの部分は10mm単位で設定されてるのでかなり細かくなっていて半オーダーみたいなものですが…
最低サイズは490でこれは私には少し大きすぎるのです…
乗れなくは無いのですが…
決してRNC7が悪いというわけではないとは思います。
ですから別モデルで欲しいのですが、 本気で商売でやろうと思うと難しいかもしれません。
それでもNeo-Cotの本気は見てみたいのです…
妄想垂れ流しの記事になりましたが、586との比較でクロモリ、RNC7の底力を見せ付けられ、やはり現代の技術や考えを投入した最新のクロモリを見たい、乗りたいと思ったので書いてしまいました。
もし、この記事を読んでくれる業界の方が居ましたら・・・
直接ではなくとも、こんな要望を持ってるお客さんもいるんですよって囁いて下さいw
では、長くなりましたが今日はここまで!
こんにちは。初めまして、レース車両にクロモリを使用しているものです。
返信削除フロントフォークは非常に大事であると私も思います。国内のビルダーは競輪という結構保守的なスポーツに守られており、しかもNJS規格もあり、ヘッドをあえてオーバーサイズ化しません。しかし、本当にオーバーサイズが必要かどうかも考えねばなりません。
私の乗るクロモリを組んだ方は、かつて三浦、森といった国内トップ選出が乗っていたバイクを組んだ人です。えらく納期がかかりましたが、出来上がりには多いに満足しています。私が期待したのは自分のサイズであること(オーダーであることの意味がほとんどこれでしょうね)、またスチールならでは乗り味です。それにはフロントフォークも含まれています。剛性、追従性のバランスが非常によく、詰まることもなく下りで70kmオーバーも安心できます。
以前はハイエンドのフルカーボン(スペシャのSワークスターマックSL)に乗っていましたが、フロントが若干弱かった気がします。下りでは安定感に欠け、技術が伴わないと危険でした。正直これで鍛えられた気もします。この性能はクロモリと比べてです。
当時のカーボンバイクはオーバーサイズが一般的でしたが、すぐに下がオーバーサイズ化されました。何故かと言えば、カーボンでは径が小さいと剛性が確保できないからでしょう。ブレーキ性能も改善されたと聞きます(そうですね、ブレーキ性能もイマイチでした)。
私が言いたいのは、大口径化すればいいってものでもなく、その径であることには理由があるわけです。今でもクロモリが1インチというのは、それでも問題ないからです。異常なバイブレーションは左右のブレードの長さが一緒でないというのがあるはずですし、全てのフォークに当てはめられません。
剛性が必要であれば、パイプを替えればコントロールできます。まあアンカーでは無理なんですけどね。オーダーも考えれば納得できるものが出来上がるはずですよ。私のバイクのトップチューブはダウンと同じ径です。普通は変えます。剛性欲しいと言ったらそうなり、ハンドリングクイックにと言ったらヘッドアングルが立ちました。シートチューブも厚さの持っていきどころをずらして、BB周りの剛性を上げてもらっています。
RNCはスタイルが綺麗ですよね。でも実用性(レース)を考えるのなら、オーダーもアリですよ。
はじめましてle pierreさん。
削除コメントありがとうございます。
良いクロモリ車をお持ちのようで羨ましいです。
安直にオーバーサイズ化すれば良いって物ではないことは私も重々承知です。
RNCが下りでの安定感に欠けるのも、フォークの精度の問題もあるかもしれません。
>>私が言いたいのは、大口径化すればいいってものでもなく、その径であることには理由があるわけです。今でもクロモリが1インチというのは、それでも問題ないからです。
おっしゃる通り、クロモリが1インチなのはそれで十分な性能が発揮できるからだと思います。
なので、きちんとしたフォークがあれば1インチで十分なんですよね。
しかし、それでも問題ないというのは、限定的な条件があると思っています。
そこにある条件とはコラムが鉄やアルミであるという限定条件です。
RNCは1インチですが、問題がありました。
それならば私の言うようにフォークを交換したくなるわけですがそうなったときに十分な性能の1インチのフォークを(オーダーを除いて)入手可能でしょうか?
特に、鉄やアルミを覗いて、1インチのカーボンコラムで十分な性能を発揮できるフォークというのは現在の市場の状態を考えるとかなり難しいと思います。(確かワンバイエスあたりが1インチのフルカーボンフォークを作っていましたが…)
また鉄やアルミでも、そもそも1インチのフォークというものが市場に殆ど存在しなくなっています。
私は単に、性能云々の話だけではなく、互換性、汎用性、そして運用補修性も考えて1インチを採用していることに疑問を感じています。
オーダーならオーバーサイズにできるので問題ないのですが、RNCはマスプロでそれはむりなので独りよがりのサイズにしないでよ・・・レースで使いたい人もいるのよ・・・
て思ったのです。
まぁ一番いいのはアンカーが物凄く良いフォークを純正で用意してくれることですね。
そうすればそもそも今回のような問題になりません(笑)
また、現在のトレンドではテーパードが流行りなのですが、テーパードにした理由もより高い剛性を求めてというのは間違いありません。
しかし、そこには単なる性能の上昇だけでなく、そうした方が簡単に性能が上昇するからと考えています。
実際、テーパーではない1-1/8のフォークでも、十分な、下手なテーパードフォークより性能の高いフォークは存在します。
物理的にはテーパードに比べ不利なはずなのにです。
しかし、それを作るのは非常に高い技術と品質管理が必要です。
だから、物理的に有利なテーパード化すると多少技術や品質が伴わなくともある程度の性能のフォークを簡単に作ることができるようになり、メーカーとしては嬉しいということです。
どちらも純正のフォークでの比較ですが、現在私の乗ってるRA6の以前乗っていたDEROSAのTEAMに比べるとお値段は遥かに安価になってますが、フォークヘッド周りは性能が高く感じています。(しかし、フォークを3TにしたDEROSAと比べると逆に劣りますが)
また全体の剛性についても、これは高ければ良いってものではない事はアンカーは重々承知のはずです。
その結果がRL8などに現れていますし、現在のRNC7なんでしょう。
しかも人によってはRNC7でも硬く感じたり・・・
ただ、非常に厄介なことに自転車に乗るのは人間で、その人間にはいくら理論的に正しいことを言っても
『好みじゃない』
の一言で、一蹴されちゃうんですよね。
オーダーすれば良い、っていうのは実はとてもズルい答えでそもそもそれは今のアンカーではできません。
だからRNCを諦めてオーダーしようとなると、そもそもこの話題のRNCに求めることから外れてしまいます。
実は、RNC7はその昔は硬さが選べたようなのです。
ならそれを無くしちゃったのはご自慢のRNCなのにどうなんよ?
レースで使って欲しくないの、Rの頭文字はRacingじゃないの・・・
って思っちゃうんです。
私は今でもRNCには惹かれます。
ただ、RNC7だと上記のような様々なことを思ってしまうので、新しいRNCが出ればなぁ・・・
と妄想したのがこの記事になります。
もしスチール(クロモリ)を買うなら、現在の状況ではご覧のとおりなので。
多分オーダーになると思います。(実際マキノでのオーダーを考えています)
コメントにお答えできているか不安ですが、これが私の思うところです。
ここまで思ってこの記事を書いたのですが、伝わらなかったのは私の拙い文章のせいですね。
お手数おかけしました。
コメントありがとうございます。
重ねてお礼申し上げます。
こんにちは。私はRNC7乗りの通りすがりの者です。私もこのRNC7買う前、1インチってどうなのよ?と思っていたのですが、買ってみてフォークとヘッドパーツの重要さを思い知りました。
返信削除ヘッドパーツはケーンクリークの40シリーズ1インチとコロンバスのフルカーボンフォークに交換。これでバッチリ。25~30万くらいの完成車のオーバーサイズのカーボンバイクを超えるコントロール性、安定感。ただレースでの最高性能でのギリギリ勝負には向かないでしょうが、まずまず善戦できると思います。ロングライドには◎。出費もかさむのでクロモリならパナモリの方が良いかも知れませんね。パナモリは試乗程度で本格的に走って無いのですが。
かつての私を見ているようで何かの支援になれば。