2013年3月23日土曜日

チェーンの抵抗損失

やはり足が痛いです。
昨日の夜は友人と飲みに行っていたのでそれもありますが、寝る時はかなり痛んでて痛み止めが必要でした。
今日は少しマシですが、動くと痛みと違和感があります。
4月頭には乗れると良いのですが・・・

さて、今日はCBNのレビューの話題。といっても私が書いたものではありません。
GlennGouldさんが投稿してくれた論文のレビューについてです。
[論文] Effects of Frictional Loss on Bicycle Chain Drive Efficiency

元は当然英語の論文ですが、詳しく解説してありますからその点はご安心ください。
また、何箇所か数式がありますが、これも気にする必要はありません。
数学アレルギーをお持ちの方もご安心ください。
数式が全く読めなくても解説を読めば何が書いてあるか分かります。
真面目に数式を読み解いても、実際はなんだ解説でちゃんと説明されてるじゃん・・・
ってことになるので。
これは非常に面白い論文です。
自転車ではチェーンの摺動抵抗がかなりあるんですね。
意外だったのはチェンオフセット(恐らくチェーンラインの事ですよね?)による損失は意外と小さいそうです。
重要なのはリアのスプロケットの歯数です。後はケイデンス。
フロントのチェーンリングはアウターだろうとインナーだろうとそこまで効率には影響しないようです。
しかしリアのスプロケットはかなり違います。
効率を上げて走るためにはリアのスプロケットはできるだけ大きいものを選択した方が良いようです。
これはなぜか?という話ですがこれは最近一部で流行の大口径プーリーをしようすることで抵抗が減るのと同じ理由です。
大きいギアにチェーンがかかってると、チェーンの折れ曲がる角度が小さくなります。
チェーンが折れ曲がるとき、チェーンはピンを軸に回りますがその時チェーン同士が擦れてしまいます。
これが抵抗になります。
なのでリアのスプロケットやプーリーが大きくなると抵抗が減るんですね。
また、ケイデンスも効率に影響するようです。
これは何故か?という話ですがかなり簡単です。
同じ出力で走るとき、低いギア比で沢山回すと当然チェーンは物凄い速度動き、目的の地点に付くまで沢山クランクも回転します。
思いギア比ならチェーンはゆっくり動き、クランクもあまり回転しません。
クランクを一回するごとに損失は生まれるのですから、たとえば200Wの出力を出すのにケイデンスが120rpmと80rpmでは120rpmは80rpmにくらべて40回転ほど多く損失を発生させて出力しないといけなくなります。そりゃ効率下がりますわ。
なので、ギアは出来るだけ重たく、ケイデンスは下げて走った方が機械的には効率が良いんですよ。
ここで問題になるのは上の実験のデータはあくまで機械でという前提です。動力は機械です。
ここに大変な問題が発生してしまいます。
なんせ、自転車の動力は人間ですから。
これはかなり深刻な問題です。
ランス・アームストロングが証明してくれたように人間の身体としては重いギアを低ケイデンスで回して走るより、軽いギアで高ケイデスンスで走った方が効率が良くなるということが分かってます。
これはこの実験のデータと真逆です。ジレンマが発生してしまいます。
このジレンマからまた機材スポーツでは避けることの出来ない永遠の命題に行き着きます。
それは
「機材が人間に合わせるか?機材に人間が合わせるか?」
というものです。
機材が人間に合わせるなら、エンジニアは必死に汗水垂らして高ケイデンスで走っても効率が落ちない駆動系を開発しなければなりません。
逆に、機材が人間に合わせるなら人間は必死にトレーニングを積んで身体を鍛えて低ケイデンスで走っても耐えれる身体を作らなければなりません。
どちらが正解というわけではありませんが、私は機材が人間に合わせるべきと考えてます。
人間の身体は無限ではありません。機械だってそうですが人間のほうの限界は予想以上に低く、またアマチュアならより限界は低くなってしまいます。
これは人間が人間という生物をやめない限り、この限界の中でしか生きていけません。
人間をやめるのも、方法はいくらかありますが一つは遺伝子操作です。
ただこれには倫理問題もありますし、生まれる前にしなければならず生まれてからではどうすることもできません。
もう一つはドーピングです。
ドーピングをすれば肉体が感じるべき苦痛を忘れさせて、脳を興奮させて恐怖心などを消して限界異常のパフォーマンスを発揮させることが出来ます。
しかし、その先にあるのは死です。運がよくて怪我です。
それに比べれば機材なんかは限界は緩くなります。
力学的な法則による物理的な限界はありますが、技術は常に進歩します。
新素材なんかも出来ますし、 機材は方式や構造そのものを弄ってしまうことも出来ますから、上記のチェーンの摺動抵抗を考えると色々なアプローチがあります。
新素材を採用してとにかく抵抗を少なくしていってケイデンスが高くても低くても効率に大きな差が出来ないようにするという方法もありますし、もっと言えばチェーン駆動方式を捨てて別の駆動方式を採用するという手もあります。
ただここにはいくらか問題があります。新素材を採用して~という話は大丈夫ですが、チェーン駆動方式を捨てるのは大変です。
全て1から設計になるだけでなく、UCIのルールに抵触してしまい競技での使用許可が下りない可能性がありますから。
ここら辺が色々と厄介ですが、それでも自転車にはまだまだ改善すべき部分がかなり残されてることがわかります。
今後、自転車がどのように進化していくかは分かりませんが、進化が止まるということはないと思います。
つまりDURA-ACEを買った私も、もうDURA手に入れたんだからこれで良いや・・・
とはならず数年後にはまたDURAが欲しくなるんだと思います。
チェーンの抵抗とか、UCIルールとかそんなものよりよっぽど厄介な問題ですwww
では、今日はここまで。


2 件のコメント:

  1. まいどどうもです。
    私は懲りずにケイデンス上げて低効率で走ってます。
    だってその方が気持ちいいんだもん(笑)

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    1. どうもです。
      私も結局ケイデンス上げちゃってますw
      私のパワーバンドは90~110rpmになってるようなので真面目に走ると
      自然とケイデンスが上がります。
      しかし、人間的にはその方が都合が良いのですが機械はなかなかそうは
      ならないようですね。
      更に言うとケイデンスを上げて高速走行するとそれだけ空気抵抗が大きくなるそうなので、
      その点から、物理的に考えても高ケイデンスは効率が割るそうです。
      しかし人間の身体は(ry

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