2012年6月8日金曜日

クランク長の話

クランク長ってなんぞや?ってのが普通だと思います。まず、普通に乗ってる限りではこれが影響を与える事は少ないでしょう。実際、私も長らくは気にしていませんでした。しかし本気で乗り込んでいくうちにだんだん気になってくるのがクランク長です。
クランク長は、その名の通りクランクの長さです。どこの長さ? って人のために図を用意
赤い線のところの長さです。クランクの中心からペダルの軸中心までの長さ。なんでこれが重要なの?というのをまずは説明。
普通に自転車を買ったり、組み上げるとまず殆どの場合170mmのクランクが付いてます。実際これで問題はあまりありません。ただクランクの長さは長いほどペダルの回転半径が大きくなるので1回ペダルを回すのにかかる円周が長くなりますので効率は落ちます。また、アームの長さは踏み込む時の力にも影響していて、物理的に限定して言えば、作用点がクランク中心だとすると力点はペダル軸の部分になるので長いほうが少ない力で回せます。ただし、長けりゃいいってワケでもなく自分の足の長さとポジションで一番力が入れ易い位置は変わってきますからそれに合わせなきゃいけませんし、前述通りに長すぎると効率が落ちます。

で、どの長さを選べばいいの?って話になりますが、ここもまずは理論を基本にします。多少の好みや走り方も影響してきますから実際に選ぶものは変わってくるかもしれませんがまずは基本理論を大事にしましょう。まず、適正な長さを知るにはこちらが良いと思います↓
自転車探検! クランク長計算機
http://www.geocities.jp/jitensha_tanken/crank.html#calculator

で、ここで計算すると私の脚長は790mmですから最適なクランク長は164mm、望ましいクランク長は161mm~166mとなってます。
ここでクランク長が求まりますが一般的に販売されているクランクは
165mm、(167.5mm)、170mm、172.5mm、175mm
です。()で囲った167.5mmというのは少し珍しい長さでシマノだとデュラエースグレードにしか存在しません。また海外メーカーだと170mm以上の長さのクランクしか用意していないことが多いです。ここから外れた長さのクランクも一応ありますが、あまり存在はしません。

ここから出た値だと私は165mmのクランク一択です。ただ、実際使ってる長さは違います。まずクランク長が長いとパワーは上がりますが効率が落ちるのが基本です。初めは私も170mmのクランクを使用していました。これでもあまり問題はなかったのですが長らく長いクランクを使い続けたせいと無茶な走りをしたせいで膝を少し負傷しました。そのときの私の走り方は比較的ケイデンスを高めの90rpm以上で基本は走り、上り坂ではシッティングとダンシングをリズミカルに変更しながら走っていました。総合的にケイデンスは高めで、脚長と効率を考えるとあまり賢い選択ではありません。そのためその後165mmのクランクに変更して2年くらい使ってました。クランクを短くしたことにより効率は上がりましたからケイデンスを維持するのは楽になりました。ただ、代償としてパワーが出しにくく、特にダンシング時の爆発力に欠けるようでした。クランクが短くなって軽いギアをたくさん回しても重いギアを回すことができなくなっているのでイマイチでした。単純に速さで比較すると170mmのときのほうが速かったです。
で、ここで私は事故にあってしまいます。愛車は大破して、新車の今乗ってるANCHOR RA6に乗り換えました。その際に7900DURA-ACEのコンポーネントを買うのですがそこで悩みました。 クランク長をどうするのか?165mmは最適なはずなのだがイマイチ、170mmは速いが故障の懸念があり。悩みました。ただ、DURA-ACEには167.5mmという少し珍しい長さのクランクがありました。ちょうど2つの間です。望ましいクランク長からは1.5mmほど長くなってしまいますがこれで行こうと思いました。現在、約半年使用してますが調子は良いです。165mmのときよりパワーは出しやすく、ダンシングの切れも問題ありません。そしてケイデンスは少し落ちました。80~90rpmくらいになりました。それでも重いギアを回しやすくなったので遅くはなってません。またケイデンスが低下したことにより思ったより効率も悪くないようです。その気になれば高ケイデンスもいけます。ここで私のクランク長探しはおわりました。

なぜ、167.5mmに落ち着いたのか推測しましょう。まず、私は高ケイデンスで走ってましたから短いクランクのほうが良いのですが、実は高ケイデンスで回すという一般的なペダリングではなく私の場合、高ケイデンスで踏むペダリングをする癖がありました。あまり踏みすぎは良くないのですが、意識しても多少残ります。そのせいで170mmを使っているときに故障したのだと思います。また165mmに変えたときもイマイチ活かしきれなかったのだと思います。そのためその中間である167.5mmに落ち着いたのでしょう。なので、人に勧める場合はまず

・自分の脚長から最適なクランク長を知る
・自分のペダリングの癖を知る
・そこから自分に向いたクランク長を選ぶ
・選んだクランク長と最適なクランク長の差からある程度走り方を補正する

という4段階で考えるように勧めてます。特に3と4番目は我流です。一般的には自分の走りにクランク長を合わせるのですが、それで合わない場合は3と4を取り入れてある程度、こちらも適応する必要があります。ただ、3と4をするには様々なクランクを試さないといけません。最低でも5mm刻みで165mmと170mm、もしくは170mmと175mmという風に2つ使ってみてどちらかが合えばそちらを使い、合わなければ中間を考えると良いでしょう。

クランクを選ぶのは難しいし、テストするにはお金がかかるので、パーツを持ってる人に貸してもらったり、プロに相談してみるのが良いでしょう。良いクランク長のクランクを見つけると凄く漕ぎやすいです。ただ、やっぱり基本はエンジンで、力の伝達が改良されるだけなので最終的に速くなりたいんだったら人間を鍛える以外ありません。では、今日はここまで。

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